iPhone Xのシルバーを発売日に買って早速弄りました。
アップルストアでのiPhone購入の流れ、開封の儀、iOS11とiPhone Xで良くなった点、困ったことについてまとめます。
特に5.8インチのサイズ感、最新のFace ID・ジェスチャーの使い勝手について徹底的にレビューします。
iPhone X・iOS11と、iPhone 5s・6・6s・7の違いについて比較して、メリット・デメリットについて、丹念に解説します。
目次
予約・購入・受取の流れ
今回はSIMフリーのiPhone Xを買いました。予約開始時の16時1分にパソコンのブラウザからアクセスして予約することができました。Apple StoreのアプリよりもPCが早く購入画面に移れました。
2016年1月にMNPによる割引額が渋くなってしまった影響で、今後は格安SIMに移行するかメガキャリアとの契約を継続するか、モバイル通信の運用方針がまだ定まらなかったためです。
生まれて4.7インチを超えるサイズのiPhoneでワクワクテカテカしました。郵送だと1週間後になってしまったので、お店で受け取ることにしました。
予約日の前日にはメッセージとメールが届きました。用意するものは写真付きの身分証明書だけです。後は注文のパスをApple Walletに追加すればスムーズに受け取れます。
メッセージ中にあるApple Walletのボタンを選択すると、iPhoneのApple Walletアプリに注文の情報が入りました。
当日はそれを見せると店員さんが機械で読み取ってくれてスムーズに引き渡しができました。
アップルストア銀座に近づいていくと、iPhone 7の発売日同様にやはり長い行列が・・・!
今回は事前予約して受け取りに来た人も外で並ぶことになりました。11時半受取だったのですが、入るまでに40分くらいかかりました。
いざ店内に! アップルストアに足を踏み入れたのは、昨年のiPhone7購入時以来でした。直射日光だったことから、自然にきれいな写真が撮れました。
ご担当頂いたスタッフもiPhone Xを予約しようとしたのですが、サイトにアクセスできたのが16時15分頃で受取が11月5日になってしまったとのことです。
Apple Storeの店員さんでも、優先予約が出来るわけではなく、一般人と同じ条件で予約する必要があるそうです。「お客様と同じ立場に我々はいます」とおっしゃっていました!!
エレベーターが相変わらずオシャレです。リンゴマークが光り輝いていてゴージャスで、ここらへんはアップルらしいインテリアでした。
3階にはシアターもあり、上映、使い方の解説などのイベントが開催されているようです。
「Today at Apple」という無料の使い方講座のプログラムを教えていただきました。無料なので興味があるレッスンがあれば参加するのもいいですね。
店内は様々なアクセサリーも揃っていました。店員さんおすすめのアイテムを色々と聞きました。
やはり最前線の現場で活躍しているスタッフの生の声は参考になります。
アップルストア銀座を後にして近所のダイナースクラブ銀座ラウンジへと向かいました。毎年恒例です。
ダイナースクラブ銀座ラウンジは本当に居心地がいい空間で、心身ともにリラックスできます。
休日は混んでいることも多いですが、12時半時点では席に余裕がありました。休みの午後は待ち時間が生じることが多いです。
秋晴れの美しい快晴で太陽の光が強い中で並んだので、アイスと飲み物がめっちゃ美味しかったです。
ついでにビックカメラ有楽町店に寄ってみました。発売日の13時半頃、キャリアはやはりiPhone Xは全滅でした。
発売日から約1ヶ月が経過している8 / 8 Plusは大多数の容量・色で在庫がありました。
ちなみに機種変更の場合、ドコモオンラインショップでも発売日当日に入手することが可能です。
箱・内包物の開封の儀
iPhone Xのシルバーの箱はiPhoneの表面の写真が載っていました。iPhone 7のブラックの箱はiPhoneの裏面の写真だったので逆になりました。
箱の底面はAppleマークは5s・6s・7同様に存在しており、色はシルバーでした。なかったのは6のみでした。iPhone 7のブラックのみAppleマークが黒でした。
箱の側面は6はAppleマークと「iPhone」という文字でしたが、7はマーク無しで「iPhone」という文字のみとなりました。
iPhone Xの箱を開けると本体、SIMカードを入れるピン、ケーブル類、説明書類が入っていました。「Designed by Apple in Calfornia」と書かれています。
特徴的だったのは新しいジェスチャー操作を分かりやすく説明するイラスト書類が封入されていた点です。
見ればすぐに主要動作を把握できるのでユーザーフレンドリーです。
iPhone Xの前面と背面は、これまでスマートフォンに採用された実績がある中で最も耐久性のあるガラスで作成されており、50パーセント深い強化層を持っているとのことです。
確かに堅牢性が向上して頑健な雰囲気がありました。
フレームは医療に使われているものと同じグレードのステンレススチール製で、キラキラとした光沢感があって高級感があります。アルミのiPhone 8 / 8 Plusよりもゴージャスです。
SIMカードを入れて起動すると、既存のiPhoneの設定を移す画面になりました。
今までのiPhoneのカメラでiPhone Xに表示されているイメージ模様を読み取ると、Apple IDやパスコード、Apple Pay等の設定が自動で移ります。
iPhone7まではこれはありませんでしたので、Xでより一層便利になりました。続いてFace IDの登録画面になり、すぐに顔を登録できました。
メールでレシートが送られてきました。先進的な感がありました。領収書は会員サイトで依頼を出したら郵送で送られてきます。
大きな画面で小さなサイズ
画面が消灯している状態では、ブラック一色で調和が取れていて落ち着いた雰囲気です。iPhone 7のブラック、ジェットブラックと同様です。
iPhone 6sの白ベゼルモデル(ゴールド等)と比較すると前面に没入感があります。
裏面のシルバーはやや落ち着いていてグレーっぽい色合いです。光のあたり具合によって微妙に色味が変化します。
グレーっぽい時、パステルカラーのブルーのような時、白に限りなく近い時があり、色々な表情を見せます。
背面はAppleのロゴと「iPhone」という文字だけでシンプルです。
歴代のiPhoneの色については、以下で丹念にまとめています。
iPhone Xを利用したサイズ面での感想は、「iPhone 8に近い小さいサイズで、8 Plusより大きな画面」です。
画面は5.8インチで歴代のiPhoneでは最大で非常に見やすいです。やはり大画面の視認性はピカイチです。
それでいて大きさはiPhone 8や7 / 6sよりも若干大きいくらいでコンパクトです。iPhone 8 Plus / 7 Plusと比較すると圧倒的に小さいです。
名前 | 画面 | 高さ | 幅 | 厚さ | 重量 |
---|---|---|---|---|---|
iPhone X | 5.8インチ | 143.6 mm | 70.9 mm | 7.7 mm | 174 g |
iPhone 8 | 4.7インチ | 138.4 mm | 67.3 mm | 7.3 mm | 148 g |
iPhone 8 Plus | 5.5インチ | 158.4 mm | 78.1 mm | 7.5 mm | 202 g |
iPhone 7 | 4.7インチ | 138.3 mm | 67.1 mm | 7.1 mm | 138 g |
iPhone 7 Plus | 5.5インチ | 158.2 mm | 77.9 mm | 7.3 mm | 188 g |
iPhone 6s Plus | 5.5インチ | 158.2 mm | 77.9 mm | 7.3 mm | 192 g |
iPhone 6s | 4.7インチ | 138.3 mm | 67.1 mm | 7.1 mm | 143 g |
私は2016年までは頑なに4.7インチのサイズのiPhoneを選んできました。個人的には、見やすさと持ちやすさのバランスが良いのは約5インチのサイズでした。
電車移動中心で、駅・電車・バス、レジ待ち、エスカレーター・エレベーターなどの際に、荷物を持った状態で立ちながら見ることが多いからです。
片手操作しやすいことにプライオリティを置いておき、4.7インチのiPhoneは、そこそこ見やすくて片手操作が可能なのが魅力的です。
しかし、iPhone Xは狭縁のデザイン&全面ディスプレイの搭載によって、5.8インチという大きい画面であるにもかかわらず、持ちやすさが4.7インチのiPhone 6s / 7 / 8とほぼ同じです。
以下はiPhone Xの上にiPhone 7を乗せた写真です。サイズの差は小さく、Xの方が若干大きいくらいです。
iPhone 6 / 6s / 7のユーザーが乗り換えた場合でも、Plusに切り替えた時よりは相対的に違和感を感じることは小さいです。
私は手首中央からの指の長さは、親指が14cm、人差し指が17.7cm、中指が18cm、薬指が17.7cm、小指が15.6cmほどです。
手の大きさがこのくらいなら、画面の上から下にスワイプする動作、画面の左下のタップ(右利きの場合)以外は、十分に片手操作が可能です。
ただし、画面の上には届きづらいので、片手操作の際には画面を下げる簡易アクセスの利用頻度が増えるでしょう。
iPhone XはiPhone 6s / 7 / 8にケースを付けたのと同じような大きさで持ちやすいです。
もっとも、やはりiPhone 6s / 7と比較するとやや大きいです。4.7インチに慣れきっていると、5.8インチに慣れるまでは少し時間を要します。
4.7インチのiPhoneを数年間使ってきた場合は、一度店頭で操作してみて、Xで大丈夫そうか試すのが無難です。
重量はiPhone 7の138g、iPhone 6sの143gから40g前後増えており、重さは若干増えた感があります。
ただし、重くて疲れるという感覚はなく、いじっていても負担感はありませんでした。7と体感重量はあまり変わりませんでした。
30分~1時間持ちっぱなしだとさすがに7と比較すると疲れを感じますけれども、数分~10数分であれば特に問題はありません。
これまでは、持ちやすさと見やすさのバランスはやはり4.7インチのiPhoneが秀逸です。5s/SEは画面が小さすぎるのが難点でした。
ただ、やはりPCサイトやPDFのレポート、電子書籍、新聞・雑誌アプリを見る際には、5.5インチのPlusの方が圧倒的に見やすくて良好でした。
しかし、iPhone Xは「4.7型のiPhoneに近い小さいサイズで、5.5型より大きな画面」という、良いところ取りを成し遂げています。
サイズ感は最高です。PCサイトも比較的快適に見られて、新聞の紙面ビューアー、雑誌アプリもギリギリセーフな印象でした。
リッチなHTMLメールも、iPhone Xなら快適に閲覧できます。ほとんどのコンテンツは横向きにすることなく縦のまま閲覧できます。
また、SNSでもこれまでは小さくて拡大したり横向きにしていた画像をそのまま見られるようになりました。
iPhone Xは撥油コーティングを施してあるので、汚れや指紋は簡単に拭き取れます。ただし、ケースやフィルムを付けないで利用すると目立ちます。
キーボードは地球儀マークを長押しすると左右に寄せられるので片手入力が容易になります。
ただし、地球儀マークまでの距離は7 / 8 よりも長いので、キーボードの切り替えは片手だとやや疲労感があります。これがデメリットです。
有料アプリのATOKは、かなと英語のキーボード間の切り替えボタンまでの距離が短いので使いやすいです。
なお、2018年発売のiPhone XS / XS Max / XRのサイズ、色は以下をご参照ください。
iPhone Xの新しい操作はすぐに慣れる
ホームボタンの廃止によって、ホーム画面に戻ったり、アプリ切替画面に遷移したり、通知センター/コントロールセンターを呼び出す方法が変化しました。
基本的には上手く工夫されており、使いづらくなった感はありません。主要動作の新旧対照表は以下のとおりです。
操作 | iPhone 6s~8 Plusの動作 | iPhone Xでの新しい動作 |
---|---|---|
ホーム画面に戻る | ホームボタン押下 | 画面下から上にスワイプ |
アプリ切替画面の表示 | ホームボタン二重押し | 画面下から上にスワイプして途中でストップ |
スリープ解除 | ホームボタンタップ or 持ち上げる | 画面をタップする or 持ち上げる |
ロック解除 | Touch IDで指紋認証 | Face IDで前面カメラで顔を読み取って解除 |
コントロールセンター | 画面下を上にスワイプ | 画面右上を下にスワイプ |
通知センター | 画面上を下にスワイプ | 画面左上を下にスワイプ |
Apple Pay | Touch IDで指紋認証 | 電源ボタンをダブルクリック |
Siri | ホームボタン長押し | サイドボタンの長押し(Hey Siriと発声でもOK) |
電源OFF | 電源ボタン | 電源ボタン+音量↓ボタン |
画面キャプチャ | 電源ボタン+ホームボタン | 電源ボタン+音量↑ボタン |
アクセシビリティのズーム機能 | ホームボタンのトリプルタップ | 電源ボタンのトリプルタップ |
画面を下げる簡易アクセス | ホームボタンをダブルタップ | 画面下端を上から下にフリック |
下げた画面を元の全画面に戻す | ホームボタンをダブルタップ | 画面下端を下から上にフリック |
アプリの切り替え | 画面の左端をグイッと左から右に押すエッジプレス | 画面の下の方を押すとアプリ切替画面が出る |
アプリの強制終了 | Appスイッチャーで上にスワイプ | Appスイッチャーで長押し→ 削除マークタップか上にスワイプ |
スクリーンショット | ホームボタン+電源ボタン | 音量ボタン+電源ボタン |
ホームボタンをタップしたり押す動作が、フリック・スワイプなどのジェスチャーに変更されました。
慣れるまでは一定の時間が必要となりますが、私自身は30分~1時間いじったら慣れました。
スリープ状態を解除してiPhoneの画面を点灯させるためには、どこでもいいので画面をタップするだけでOKになりました。顔があればFace IDでロック解除されます。
モーションセンサーによってiPhoneを手に取ったり持ち上げたら、画面が点灯する機能は存続しているので、iPhoneを持ち上げて顔の前に持ってきたら、画面が点灯してロックが解除します。
持ち上げたら自動的にロックが解除するのは最強に便利です。
これまではホームボタンに指紋を置く必要がありました。これが顔を向けて下から上にスワイプする作業に切り替わりました。
iPhone Xを持ち上げると画面が点灯して自動的にFace IDで認証されます。画面を上にフリックするとホーム画面が現れます。
瞬時に終わるFaceIDの本人確認を待たずに、ロック解除のスワイプ操作だけ先に行えるので、ポケットからiPhoneを取り出してスワイプすれば自動的にホーム画面が出ます。
インターネットの評判・口コミでは、Touch IDの場合と比較してFace IDの解除はスムーズで気にならないという意見と、Touch IDよりも遅れるという意見がありました。
後者は以前はホームボタンの押下とTouch IDの認証を同時に行えたものの、iPhone Xでは画面下縁から上へのフリックとFace IDの認証は同時に行えず、ワンテンポの遅れが生じるという見解です。
確かに極限まで時間を短縮化して高速起動する場合は、Touch IDの方が早いでしょう。
しかし、iPhone Xでも、ポケットから取り出しながら画面をタップし画面下縁からのフリックを行って、iPhoneを構えればホーム画面を表示できます。
もしくはiPhone Xを持ち上げると画面が点灯するので、すぐに下から上へのフリックを行えば即座に解除されます。スリープ復帰後スワイプアップすれば、流れるようにロックが解除します。
指紋認証の速度を極限まで早めていた方は少し遅れるかもしれませんが、私はほとんど気になりませんでした。スムーズなロック解除と認証が可能です。
インターネットでのIDやパスワードをiCloudに登録してある場合、Face IDの認証で自動入力することが可能です。
ログイン画面を表示したら勝手に顔認証されてID・パスワードが自動入力されて便利です。ダブルクリックは不要です。
アプリの切り替えはこれまでは左端をグイッと押す必要があったのが、下部を左右にスワイプするだけでOKでスムーズになりました。
写真撮影した後に元のアプリに戻る場合や、メールのリンクからWebに飛んで、またメールに戻る場合などの際に便利です。アプリ切替は格段に快適になっています。
他方、アプリの強制終了は手間が増えて面倒になりました。
Face IDはマスク着用時は使えない点に要注意
iPhone Xではホームボタンの廃止で指紋認証のTouch IDも非対応となり、前面カメラでユーザーの顔による認証を行います。「Face ID」と名付けられています。
顔認証システムの一般的なイメージは以下の通りです。
- 直射日光の屋外や、暗い場所で読み取りにくい
- 角度が厳しくiPhoneと顔の向きが合わないと読み取れない
- エラーになる頻度が高く、指紋認証の方がエラーが少ない
しかし、Face IDは単純に画像でユーザー認証しているのではなく、前面カメラ(True Depthカメラ)は、顔の「深度」に関する情報まで取得して判定しています。
ドットプロジェクターで顔を3万の点に分解して、それを赤外線で読み取っているようです。
したがって、正面に向いていない時でも顔認証が可能で、眩しい場所や暗い場所でも問題なく利用できます。
秋晴れの快晴で日差しが強い状況下、順光でも逆光でも爆速で顔認証が発動しました。
薄暗い部屋やエレベーターの中、街灯がまばらな夜道でも問題なく発動します。真っ暗の室内でもOKです。
フラッシュを焚かずに写真撮影したら真っ暗という室内でも、スムーズに顔認証が発動しました。
Face IDは機械学習を行っており、顔の変化に対応できるようです。髪の毛やヒゲなどが徐々に変化しても問題なく認証されると公表されています。
Face IDはiPhone Xに目をやりながら持ち上げるだけで顔認証されるので、手を洗った直後で指に水しぶきがついている状態でも、指紋認証とは異なって問題なく認証されます。
冬期に手指が手荒れしている状態、水が濡れた状態では、Touch IDの指紋認証が動作しないことがありますが、Face IDではこの心配がありません。
メガネの有無も関係なく認識してくれます。女性の場合、化粧をした状態でもスッピンでもどちらでも大丈夫です。
女性ユーザーの評判・口コミでは、一般的な濃い化粧も問題なく認識されるとのことです。
Apple Payでの支払いの際もスムーズです。iPhone Xを決済端末に近づけるとサイドボタンをダブルタップしてくださいと表示されるので、二重押しすれば瞬時に認証されます。
ただし、お店によっては決済端末が奥の方に設置されていて、端末にiPhoneを近づけると、電話機と顔が真向かいにならないケースがありました。このような場合では少し顔を動かす必要があります。
顔認証の誤認識の確率は指紋認証の5万分の1から100万分の1に大幅に低下し、より高いセキュリティを実現しているようです。
確かに複数枚の顔写真でロックを解除しようとしてもダメでした。うんともすんとも反応せずにエラーになってしまいました。
帽子をかぶった状態やメガネ・サングラスの有無は顔認証に影響は及ばず、問題なく認証されます。
しかし、マスクはアウトです。装着したら百発百中でFace IDの顔認証から弾かれました。
ちなみにマスクを着けた状態でFace IDに顔を登録しようとしてもNGとなります。
鼻が見えた状態でもNGです。100%パスコード入力画面に遷移しました。
口が少し見える状態までマスクを下ろすと認証されるようになります。ギリギリ認証された極限の状態が以下の写真です。ごく僅かに唇が出ています。
唇が見えるとFace IDが読み取ってくれます。ただ、ほんの少し見せただけだと読み取ってくれない場合もあります。
総合的にはマスクを着用しない場合は、Face IDはTouch IDと同じように快適に利用できました。全く不便は感じませんでした。
しかし、冬の外出時は常にマスクを着けたい方や、花粉症の時期はマスクが必須の方は、Face IDが著しく不便になる点に注意が必要です。
その都度マスクを唇が見えるところまで下ろすか、パスコードを入力する必要があります。
また、App StoreでのアプリインストールもFace IDで認証されます。有料アプリで決済が入る場合があるので、ダブルクリックが必要です。
iPhone XではホームボタンとTouch ID(指紋認証)が廃止されたことによって、Apple Pay(アップルペイ)の利用方法が変化しました。
Face IDで顔認証するようになり、またiDとQUICPayの支払い時は電源ボタンの二重押しを行うようになりました。詳細は以下で徹底的に解説しています。
iPhoneの機種変更の際、Apple Payの設定を移行する方法については以下で解説しています。
スピーカー性能が格段に向上。旅行や出張が便利
ポジティブ・サプライズだったのは、スピーカー性能が格段に向上していて、スピーカーでも良い音質で音楽が聴ける点です。
iPhone 7まではスピーカーがオモチャのような音質で物足りなさがあり、イヤホンでないと音楽を聴くのは厳しかったです。
しかし、iPhone Xはスピーカー性能が良く、それなりの音質となります。NECのノートパソコン(LAVIE ZERO 13.3型)よりも格段に良い音でした。
もちろん家で日常的に音楽を聴く特は専用のスピーカーがベストですけれども、旅行・出張先では十分に用を足せます。
iPhone Xは音楽鑑賞でも八面六臂の活躍を見せてくれます。
ヒルトン小田原の広い和洋デラックスルーム(54m²・定員6名)でも、洋室のテーブルの上に置いたiPhone Xの音楽を、和室でも快適に聴くことができました。
ヌルサク感・カメラ・画面など性能は着実に向上
カメラ機能は広角と望遠の2つのレンズを搭載するデュアルカメラで、望遠側はレンズの明るさがF2.4と従来のF2.8から明るくなり、手ぶれ補正機構が加わってより写真が撮りやすくなりました。
引き続き光学ズームにも対応しています。 十分な明るさがない場所、ズーム時の撮影が捗るようになりました。
真っ暗な夜や暗い室内でも、それなりの写真に仕上がります。
望遠での撮影が高級コンデジと比較したスマホの弱点でしたが、そのデメリットが幾分解消されました。
「ポートレートライティング」機能があり、顔にしっかりピントを合わせながら背景を高級カメラのようにぼかすことが可能になりました。
ボケ味がある写真も自動的に撮ることもできました。自然に上手くピントが合ってデジカメのような写真も撮影できます。
プロのカメラマンに撮ってもらったかのような照明効果も追加することができます。
以下はプロに撮ってもらった写真ですけれども、このようなものと似たイメージの撮影がiPhone Xでも可能になっています。
背面のメインカメラだけではなく、前面カメラも格段にパワーアップしています。
残念ながら30代半ばの独身男である私は自撮りをする機会が皆無で、せっかくの機能が猫に小判、馬の耳に念仏、鳥にポルシェですけれども、カップルやインスタ女子にとっては非常にメリットが大きいスマホです。
風景の写真でもより色の深み、表現力がUPしたイメージがあります。
カメラ撮影にとっては逆風となる直射日光のシーンでも、それなりに良い写真が撮れます。
暗いシーンでも美しく被写体が映える写真に仕上がります。
木漏れ日などもリアルに再現されています。
池に木が反射する様子も美しく撮影できます。
夕焼けと雲の様子も美しく撮影でき、グラデーションがリアルに仕上がります。
画面を見ている時にカメラを起動しくなった場合、コントロールセンターを呼び出すことになります。
これまでは下から上にスワイプでしたが、iPhone Xでは右上から下にスワイプとなります。片手操作でカメラを呼び出すのは苦しくなった点が唯一のデメリットです。
iPhone Xはワイヤレス充電機能を搭載しており、カフェ、空港などにあるワイヤレス充電ステーションやマットで充電できます。
スターバックスが設置を検討しているとのことで、日本国内でも導入されるとより一層便利になります。
2018年には「irPowerマット」が光臨する予定となっており、iPhone、Apple Watch、AirPodsをマット上の好きな場所に置くと、それだけで充電することが可能です。
AirPodsと同時に充電できるのが個人的には最高なので、これが出るのを待ちます。
AirPodsはワイヤレスイヤホンで、通話中も両手があくので、電話しながら別の作業ができる点が極めて便利です。
証券会社の担当のどうでもいい確認事項を聞き流しながら、PC作業を行うことが可能です。
その他、音楽が流れていないジムでのトレーニング中などに音楽を聞くのが大変はかどります。
iPhone Xはサクサク感が7からより一層向上しており、心地良い操作のヌルヌル感に加えて、Androidのハイスペックモデルのようなサクサク感も加わって、ヌルサク力が着実にパワーアップしています。
負荷が高めの処理を行う「性能コア」は25%、負荷が低めのタスクを低消費電力で処理する「効率コア」は70%高速化したようです。
処理速度が速いので内部での操作があまりにスムーズなので、インターネットの読み込みが発生する場合は、遅く感じてしまうという副作用もありました。
内部での高スピードに慣れてしまい、外部読み込み発生時の普通の待ち時間が気になるようになりました。コンシェルジュの丁寧な対応に慣れると、普通の対応が無愛想に感じてしまうのに似ていました。
6や6sからの買い替えだったら、操作のスムーズさが格段に向上しているのは間違いありません。
大画面だけあって、PCサイトや新聞・雑誌アプリ、動画の閲覧が快適です。
iPhone Xの画面のアスペクト比は2.17:1とワイドなので、横にして16:9比率の動画や画像を再生する際は左右が余ります。
もっとも、動画や画像をピンチアウトすると、全画面表示が可能です。画面の上下は多少切れてしまい、左端の凸凹が目立ちますが、迫力があります。
iPhoneはバックアップからの復元が容易なのもメリットです。これまで使っていたiPhoneをバックアップしておき、そこから復元したら即座に元通りの環境が戻ります。
ただし、自動ログイン設定を行っていても、ログイン作業を改めて行う必要があるアプリもあります。最初の1度だけなので許容範囲です。
引き続き対応している防水も着実なメリットです。雨が降っている中で屋外で地図を参照する場合などは便利です。
また、ホテルのプールやジャグジーでの休憩中にスマホを見ることがよくあります。そのような際には防水スマホが便利です。
バッテリーが新品であることも理由かもれませんが、バッテリー持ちもXになって、大画面になったにもかかわらず7から良くなりました。
数時間操作していても減り具合は気になりません。1日は確実に持つので安心です。
あまり使わない時は23時15分でも70%近くバッテリー残量があった日もあります。
しかし、困ったこともあります。愛用しているアプリ「Launcher」の利用が不便になりました。iOS 11は通知センターを下ろすと、強制的に通知が表示されるようになってしまいました。
iOS 9、10.2以降のiOS10は通知センターを下ろすと、ウィジェット一覧か通知一覧かは前回の終了時の方が表示されました。
私はウィジェット一覧が出るようにしておき、よく使うアプリを登録した「Launcher」を最上位に表示していました。
通知センターを下ろすとすぐに表示されるLauncherのウィジェットによって、アプリをランチャー起動して、アプリ間を縦横無尽に移行する使い方をしていました。
iPhone 6s以降は、画面左端を長押しすることでも前に使ったアプリの一覧を表示できます。しかし、それよりも圧倒的に速くよく使うアプリに移動できます。
これがiPhone XのiOS11からは通知が必ず表示されるようになり、ウィジェットを表示するには右にスワイプする必要が生じたのが絶大なデメリットです。
通知センターでウィジェットを初期表示できるようにする点は、iOS10の時の状態に戻してほしいと切望します。
個人的にはこうしたデメリット・打撃もありましたけれども、Launcherを使っていない方にとっては全く無関係の話です。
まとめ
iPhone Xは基本的には着実に機能が向上しています。新しい操作もすぐに慣れます。
ホームボタンや指紋認証と比較しても、ジェスチャー&顔認証は快適です。ホームボタンはなくてもよかったんだという新しい発見がありました。
「小さなサイズで大きな画面」が大きなメリットです。カメラ性能は格段にパワーアップしており、iPhone 7と比較すると雲泥の差です。
「写真撮影はスマホで済ます」という方なら大きなメリットがあるカメラ性能です。適当にパシャパシャ撮るだけでキレイな写真が撮影できます。
iPhoneとしては初の有機ELディスプレイは美しく、画面の見やすさ・鮮やかさが向上しています。
アプリの切り替えは下部を左右にスワイプするだけでOKで、抜群にスムーズになりました。
引き続きApple Payを利用可能です。Suica定期券を使って今後も毎日ガンガン乗車します。
Suicaの場合はFace IDによる認証が不要なので、マスクをつけている状態でもOKです。
夏季は鞄の中に入れたSuicaを取り出す作業が必要だったのが不要で、ポケットに入れっぱなしのiPhoneをそのまま出してタッチすればOKなので嬉しいです。
Apple Payを日常的に使う際には、iPhone 8 Plusよりもサイズが小さいiPhone Xの方が格段に使いやすいのは確実です。
アップルペイの使い方や仕組みについては、以下にまとめています。
Apple Payに登録できるクレジットカードについては、以下で徹底的に解説しています。
Suicaのオートチャージ機能などを使う場合はビューカードがマスト・アイテムとなります。
その中でおすすめ
他方、デメリットはやはりFace IDがマスクをかぶっている状態だと無反応になる点です。
冬の外出時はマスクをかぶっている方ですといちいちパスコードを入力してロック解除する必要が生じます。
また、Suica以外のApple Pay払い(iDかQUICPay)を使う場合は、マスクを下にズラして唇を出す必要が生じます。
通勤ラッシュ時の満員電車は空気が淀んでいるのは事実であり、また花粉症の方は春先はマスクが必須アイテムとなります。
マスクをつけないようにするか、Face IDでのロック解除は諦めるかの選択肢を迫られます。
また、人によっては前のホームボタン&指紋認証の方がいいというケースも出てくるかもしれません。
総合的にiPhone Xは満足できるガジェットでした。アプリ切り替えのスムーズさ、カメラ機能、処理速度が格段に向上しています。快適度はUPしています。
しかし、iPhone 7 / 7 Plus / 8 / Plusと比較して、画期的に便利になったという点はありません。
これまでとあまり変わらない操作が可能で、各機能、操作の快適性、持ちやすさと画面サイズのバランスがパワーアップしているという水準にとどまっています。
新しいもの好きでない限りは、7 / 7 Plusを持っている方が乗り換えるまでは行かないかなと感じました。
6s / 6s PlusまでのiPhoneを2年以上使ってきた方なら、十分に乗り換え候補です。
ただし、Plusを使っていた方ならXの大きさはメリットしかありませんが、無印のiPhoneを利用していた方ですと、やはり片手操作はしづらくなります。
最大のデメリットはマスク着用時にFace IDで顔認証ができない点です。毎回マスクを唇が見えるところまで下げる必要があります。この点は買う前に許容しておきましょう。
セキュリティ面は目をつぶって、マスクOKにするオプションが今後のアップデートで出来ると選択肢が広がります。
もしくはFace IDの認証を突破するマスクが出ることを期待です。大ヒットする可能性があるので、マスクメーカーはチャンスだと思います。
メガキャリアとの契約はオンラインショップが便利です。iPhone発売後の店舗での大混雑を回避して、待ち時間なくiPhoneを手に入れることができます。一例としてドコモは以下のとおりです。
新しいiPhoneが発売される9月は混雑が酷烈なものになり、開店前から並ばないとひたすら待つ必要が生じてしまい、修行の様相を呈しています。
スマホを契約するだけで1日が終わってしまうという悪夢のような地獄に陥りかねません。そうした待ち時間を回避できるのが、公式オンラインショップのメリットです。
ドコモ オンラインショップ(ahamo新規・機種変更)
- au オンラインショップ(povoは申込時に紹介コード「KZ0R62OV」を使えば24時間データが使い放題)
- ソフトバンク オンラインショップ(LINEMOはこちら)