新規上場！東京ボード工業のIPOの初値予想

東京ボード工業（7815）のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は12月8日（月）～12月12日（月）です。上場日は12月25日(木)です。

新規上場する市場は東証2部で、想定価格は2,180円（1単元21.8万円）です。仮条件は1,980円～2,180円と下振れました。

東京ボード工業は、木材環境ソリューション事業並びにファシリティ事業を展開しています。東京ボード工業の前身は、昭和21年5月に東京都足立区に設立された千住ベニヤ工業有限会社及び昭和22年5月に島根県簸川郡(現 出雲市)に設立された山陰ベニヤ株式会社に遡ります。

監査法人は有限責任あずさ監査法人です。所在地は東京都江東区新木場2-11-1です。まさに湾岸中の湾岸であり、数多くの物流センターや工場などがあります。夢の島公園の近くでもあります。

東京ボード工業のIPO

東京ボード工業とは

東京ボード工業は、木材環境ソリューション事業においては、パーティクルボード及び合板の製造販売を行っています。

パーティクルボードにはJIS規格の寸法や性能によって様々な種類及び用途がありますが、東京ボード工業ではマンションの二重床下地向けパーティクルボードを主力製品としています。

二重床とは、コンクリート床に支持脚を立て、パーティクルボードで下地(置床)を作った上にフローリングなど仕上材を貼付する工法です。コンクリート床に仕上材を直接貼付する直接工法に比べ遮音性、衝撃吸収性、断熱性及びバリアフリー対応などに優れているとされています。

ファシリティ事業においては、東京ボード工業保有不動産の荒川工場跡地及び足立工場跡地の有効利用を試みて、荒川工場跡地は医療機関に土地を貸与しており、足立工場跡地はショッピングタウン「カリブ梅島」として施設の管理運営をしています。

東京ボード工業以外の多くのパーティクルボード製造会社では、原材料となる木材チップを購入するのに対して、東京ボード工業では、産業廃棄物及び一般廃棄物処理業の許可を取得し、新木場リサイクリング工場、埼玉工場及び横浜チップ工場(子会社「横浜エコロジー株式会社」)に持ち込まれる木質廃棄物を、処理費を受領した上で木材チップに加工し、原材料としていることから、原材料の一部である木材チップをほとんど購入しないことが強みとなっています。

また、東京ボード工業では、木質廃棄物及び製品を運搬する子会社「ティー・ビー・ロジスティックス株式会社」及び「TB関西物流株式会社」を有し、原材料である木質廃棄物の回収から製品の納入までを自社で行う一貫体制を確立しています。

東京ボード工業のパーティクルボードは、木質廃棄物を再資源化(マテリアルリサイクル)することによって製品化されたものであす。

東京ボード工業では、原材料の調達から製造販売までを「木材リサイクルのプロセスを一つの輪として完結させる」木材環境ソリューション事業として、環境負荷の低減という社会的要請に応えるべく努力しています。

従業員数は102名、平均年齢は40.2歳、平均勤続年数は8.75年、平均給与は498.1万円です。

業績推移

業績面では、売上高・経常利益は平成23年3月期、純利益は平成22年3月期をボトムに上昇したものの、前期は減収・減益となりました。

営業キャッシュフローは純利益を上回っている年度が多いです。一般論としては安心感があります。

2014年3月期の自己資本利益率(ROE)は16.44%、自己資本比率は34.58％です。

市場トレンド

市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。

東証2部指数は10月17日をボトムとして反発し、惚れ惚れするような美しい右肩上がりで年初来高値を連続更新中です。

（※マネックス証券より）

上場規模

東京ボード工業のIPOの規模は最大で約11.3億円であり、東証2部としては小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。

公開比率は最大で約13％とかなり低めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は約78％と高めです。

売出人かつ貸株人である鈴木吉助、貸株人である伊藤一男、石毛正広、売出人であるT・B・H株式会社、太田稔、佐藤實、石毛哲男、株主であるセイホク株式会社、JKホールディングス株式会社、株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行、伊藤忠建材株式会社、住友林業株式会社、双日建材株式会社、トーヨーマテリア株式会社、丸紅建材株式会社、共和商事株式会社、東北接着剤株式会社、関口良雄、ボード株式会社、太田真人、株式会社オーシカ、西原幸雄、西原徹、伴正雄、東京ボード工業役員である井上弘之、小林三郎、並びに子会社役員である小澤勝雄、相川和政、矢部弘治には、原則として90日間のロックアップがかかっています。株価上昇に寄る解除条項はありません。

筆頭株主の状況は以下の通りです。VCは皆無で経営陣や取引関係企業、持株会が上位を占めています。持株会以外は万遍なくロックアップがかかっています。

まとめ

業種面では非常に地味な東証2部上場企業ということで、IPOにおける人気度はかなり低いです。

多数の企業の上場が集中する日程がマイナスポイントです。昨年の12月も上々ラッシュとなり、東証2部の地味銘柄が公募割れないし公開価格と同値の初値という結果に終わりました。

今年は昨年以上のラッシュであり要注意です。公開規模が小さいのがプラス要素ですが、初値予想は公開価格割れの可能性も十分にあり、よくて微増です。

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＜投資スタンス＞
やや弱気
（※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階）

※過去1年間のIPO初値予想の履歴