The Goal

某機関投資家で働く会社員のブログです。経済、資産運用、IPO、株主優待、保険、クレジットカードなどについて発信

かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」を徹底分析!他社との比較も

更新日: 保険

子供を見守る夫婦

学資保険という生命保険の商品があります。子育てにおいては学費の負担は避けて通れません。学費の準備において、学資保険を利用する方は多いです。

2015年11月に上場するかんぽ生命も、学資保険「はじめのかんぽ」を販売しています。

かんぽ生命の学資保険の返戻率、保険の内容、入るべきなのかについてまとめます。


学資保険「はじめのかんぽ」とは

かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」

2014年4月2日に旧簡易保険時代からの学資保険を廃止し、かんぽ生命として開発した新しい学資保険「はじめのかんぽ」を発売しました。

補償を引き下げた代わりに満期保険金の返戻率(戻り率)を上げたことから、それまでの約3倍増と契約が大幅に伸びました。

戻り率とは「受取総額÷払込保険料総額×100」であり、支払った金額を100%としてどの程度戻ってくるかの比率です。110%なら支払った保険料に10%上乗せした金額を受け取れます。

以下の工夫が好評を得ました。

  • 補償を抑えて戻り率を高く設定
  • 12歳払い済みが可能(短期払いのプラン新設)
  • 出産予定日の140日前から加入可能(出生前加入制度)
  • 3つの受け取りコース(大学入学時、小・中・高・大学入学時、大学入学時・在学中)
  • 入院特約の付加が可能

けがや病院、災害に備える特約を付加して、補償を充実させることもできます。

かつてのかんぽ生命の学資保険は出産後でないと加入できませんでしたが、新しい「はじめのかんぽ」では、出産前から加入できるのが特徴です。

出産140日前から加入できます。出産後は最高12歳まで契約可能です。
 
保険料の支払い方法では短期の払い済みプランが登場しました。12歳払い込み完了、17/18歳払い込み完了から選べます。

学資保険の最大のメリットである満期保険金(学資金)の受け取り方法も、3種類が用意されています。

  • 大学入学時の学資資金準備コース
  • 小・中・高+大学入学時の学資金準備コース
  • 大学入学時+在学時の学資日金準備コース

被保険者の子供が、万が一保険期間中に死亡した場合は、死亡給付金が支払われます。保険契約者(親など)が死亡等の場合は、その後の保険料の払い込みは免除されます。

契約者(親など)の年齢は男性が18~65歳、女性が16~65歳である必要があります。66歳以上の方が孫のために加入することはできません。

基本契約には契約者配当金があります。かんぽ生命の決算状況に応じて契約者配当金が割り当てられることがあります。過大な期待は止めましょう。あったらラッキーくらいのスタンスが無難です。

かんぽ生命の新しい学資保険「はじめのかんぽ」では、各家庭の状況、学資金の準備目的、好みに応じて、支払い方法・受け取り方法・加入時期を柔軟にカスタマイズできるのが特徴です。

パソコンで例えると、昔のかんぽ生命の学資保険は家電量販店で売られているNECや富士通のパソコンでした。

新しい「はじめのかんぽ」は、DELL・HP・BTOパソコンのように自分の好みや環境に合うように柔軟に組み立てることができます。

 以下、順に3つのコースについて説明します。


「大学入学時」の学資資金準備コース

大学生4名

大学入学時の学資資金準備コースは、子供が17歳か18歳になった満期時に満期保険金(学資金)を一度に受け取ることができるプランです。

基本契約の金額は、50万円~700万円です。「無配当入院特約」という特約を付加した場合は、100~700万円です。

例えば、2月に加入した場合は以下の時期に満期保険金を受け取れます。

  • 17歳満期:17歳(高校2年生)の2月
  • 18歳満期:18歳(高校3年生)の2月

大学受験のための塾・予備校費用や、受験時の交通費・宿泊費、大学の入学金や学費、一人暮らしをする場合はその費用に充足することなどが可能です。

満期保険金を小学校・中学校・高校などの進学時に受け取らないので、その分かんぽ生命が長く運用してお金を増やせるので、返戻率が高めなのが特徴です。

保険料を17歳または18歳まで支払うタイプは、出生予定日の140日前から、子供が12歳まで加入できます。支払いを終えた17歳または18歳の時に満期保険金を受け取れます。

大学入学時の学資資金準備コース(17歳・18歳払済プラン)

保険料を12歳まで支払うタイプは、出生予定日の140日前から、子供が6歳まで加入できます。満期保険金を受け取るのは、12歳ではなく、17歳または18歳の時です。

払い込む期間が短い分、かんぽ生命が長く資産運用で収益を上げることができるので、満期保険金は、17/18歳まで払うタイプよりも高くなります。

大学入学時の学資資金準備コース(12歳払済プラン)

契約者(親など)が30歳で子供が0歳、18歳満期(満期金300万円)のモデルプランの場合、戻り率は以下のとおりとなります。

払込期間 契約者が男性 契約者が女性
12歳に払い終える場合 戻り率109.1% 戻り率109.3%
18歳に払い終える場合 戻り率103.8% 戻り率104.0%

契約者が女性のほうが若干、還元率が上がります。これは学資保険には契約期間中に親などの契約者が死亡した時の給付金もあるためです。

男性よりも女性の方が死亡率が低いため、女性の名前で契約した方がお得です。少しでも還元率を上げたい場合は、夫名義ではなく、妻名義で契約しましょう。

戻り率が109.1%というのは、支払った金額に対していくら戻ってくるのかわかりやすい側面があります。

ただし、その反面、定期預金、個人向け国債、社債などの金融商品と比べて、どのくらい有利なのかがわかりづらいです。

そこで、ファイナンスの指標である「IRR」(内部収益率)を計算しました。IRR0.8%といった形で表記されます。

IRRとは投資プロジェクトの正味現在価値(NPV)がゼロとなる割引率です。

NPV(正味現在価値)とは、投資が将来生み出すキャッシュフローをリスクの大きさに見合った割引率で現在価値に割戻して、初期投資額を差し引いた純額です。

つまり、厳密性は排除してわかりやすく述べると、IRRとは投資案件のリスクの大きさを考慮した上で期待できる利回りのような概念です。

学資保険は確定利回りで損失が出る可能性は一応は0とみなせるので、IRRを出すと実質利回りが把握でき、定期預金・個人向け国債などとの比較が可能です。

大学入学時の学資資金準備コースの実質利回り(IRR)を計算しました。

払込期間 契約者が男性 契約者が女性
12歳に払い終える場合 実質利回り年0.76% 実質利回り年0.78%
18歳に払い終える場合 実質利回り年0.44% 実質利回り年0.46%

12歳で払い終える場合は、定期預金・個人向け国債と比較してそこそこの高利回りとなります。

現在の高金利定期預金は、SBJ銀行の5年定期が0.55%、大阪協栄信用組合の10年定期(1000万円以上)が0.8%です。

18歳に払い終える場合は、定期預金と比較して特段に魅力はない利回り水準です。


「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース

親子

子供が5歳、11歳、14歳、17/18歳の時に保険金(学資祝金と学資金)を受け取るプランです。

小学校・中学校・高校・大学の入学前にそれぞれ段階的に学資祝金を受け取ることができます。ライフステージにおける各学校の入学の準備に資するプランです。

  • 小学校入学前:満期金の5%
  • 中学校入学前:満期金の15%
  • 高校入学前:満期金の45%
  • 大学入学前:満期金

基本契約の金額は、50万円~500万円です。「無配当入院特約」という特約を付加した場合は、100~500万円です。

5歳、11歳、14歳のときに学資祝金を受け取る月は12月で固定です。満期金は加入月となります。例えば、2月に加入した場合は以下の時期に満期保険金を受け取れます。

  • 17歳満期:17歳(高校2年生)の2月
  • 18歳満期:18歳(高校3年生)の2月

小・中・高+大学入学時の学資金準備コース(17歳・18歳払込プラン)

小学校・中学校・高校などの進学前に祝金を受け取るので、トータルの戻り率は、大学前に一度に受け取るタイプよりも低めになります。

12歳まで支払うタイプの方が戻り率が高い点は大学入学時の学資資金準備コースと同じです。

小・中・高+大学入学時の学資金準備コース(12歳払込プラン)

親などの契約者契約者が30歳で子供が0歳、18歳満期(満期金300万円)のモデルプランの場合、戻り率は以下のとおりとなります。

払込期間 契約者が男性 契約者が女性
12歳に払い終える場合 戻り率107.2% 戻り率107.4%
18歳に払い終える場合 戻り率102.0% 戻り率102.3%

男性よりも女性の方が死亡率が低いため、女性の名前で契約した方が返戻率が高いです。少しでも還元率を上げたい場合は、夫名義ではなく、妻名義で契約しましょう。

「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コースについても、実質利回り(IRR)を計算しました。

払込期間 契約者が男性 契約者が女性
12歳に払い終える場合 実質利回り年0.69% 実質利回り年0.71%
18歳に払い終える場合 実質利回り年0.28% 実質利回り年0.33%

12歳で払い終える場合は、定期預金・個人向け国債と比較してそこそこの高利回りとなります。

現在の高金利定期預金は、SBJ銀行の5年定期が0.55%、大阪協栄信用組合の10年定期(1000万円以上)が0.8%です。

18歳に払い終える場合は、定期預金、個人向け国債と比較して全く魅力がない利回り水準です。


「大学入学時+在学時」の学資金準備コース

大学の構内

子供が18歳、19歳、20歳、21歳の時に保険金(学資祝金と学資金)を受け取るプランです。金額も4分割して1/4ずつの受け取りとなります。

大学の4年間にかけて、分割して保険金を受け取ることができます。大学の授業料、設備費・実習費、留学費、クラブ・サークル費用、下宿代などに充足することができます。

このプランは最も長くかんぽ生命が運用できるので、他の2つのコースよりも戻り率が高いです。「はじめのかんぽ」の3つのコース中で最も返戻率が高いです。

基本契約の金額は、50万円~700万円です。「無配当入院特約」という特約を付加した場合は、100~700万円です。

5歳、11歳、14歳のときに学資祝金を受け取る月は12月で固定です。満期金は加入月となります。例えば、2月に加入した場合は以下の時期に満期保険金を受け取れます。

  • 17歳満期:17歳(高校2年生)の2月
  • 18歳満期:18歳(高校3年生)の2月

大学入学時+在学時の学資金準備コース(17歳・18歳払込プラン)

12歳まで支払うタイプの方が戻り率が高い点は他のコースと同じです。

大学入学時+在学時の学資金準備コース(12歳払込プラン)

保険料を18歳まで支払うタイプは、出生予定日の140日前から、子供が12歳まで加入できます。保険料を12歳まで支払うタイプは、子供が6歳までとなります。

親などの契約者が30歳で子供が0歳、18歳満期(満期金300万円)のモデルプランの場合、戻り率は以下のとおりとなります。

払込期間 契約者が男性 契約者が女性
12歳に払い終える場合 戻り率111.4% 戻り率111.8%
18歳に払い終える場合 戻り率105.9% 戻り率106.1%

「大学入学時+在学時」の学資金準備コースの実質利回り(IRR)は下表のとおりです。

払込期間 契約者が男性 契約者が女性
12歳に払い終える場合 実質利回り年0.84% 実質利回り年0.86%
18歳に払い終える場合 実質利回り年0.57% 実質利回り年0.60%

12歳で払い終える場合は、定期預金・個人向け国債と比較してそこそこの高利回りとなります。

現在の高金利定期預金は、SBJ銀行の5年定期が0.55%、大阪協栄信用組合の10年定期(1000万円以上)が0.8%です。

18歳に払い終える場合でも、高金利定期預金と比較しても僅かに高い利回り水準です。大阪協栄信用組合は0.8%の金利が適用されるためには、1000万円以上預け入れる必要があり、ハードルが高いです。


特約保障の必要性は乏しい

かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」には、入院時の保障がある特約「その日から」を付帯できます。 この特約には3つの種類の特約がセットされています。

無配当傷害入院特約

不慮の事故によるケガで入院、手術、一定期間以上の入院があった場合、入院保険金、手術保険金、長期入院一時保険金を受け取ることができます。

保険金 支払条件 保険金額
入院保険金 保険期間中の不慮の事故により3年以内に入院した時 入院1日につき特約基準保険金額の1.5/1000に相当する金額
手術保険金 入院保険金の支払われる入院の原因と同一原因により入院中に所定の手術を受けた時 手術の種類に応じて、1日当たりの入院保険金額の5倍、10倍、20倍または40倍に相当する金額
長期入院一時保険金 入院保険金の支払の対象となる入院をし、その入院期間の日数が120日となったとき 特約基準保険金額の3%に相当する金額

入院がない手術、所定の手術に該当しない場合は手術保険金の対象外となる点には留意が必要です。

120日以上の長期入院時に出る一時金はあまり見かけない補償で希少性があります。

無配当疾病傷害入院特約

病気や不慮の事故によるケガで入院、手術、一定期間以上の入院をした場合、入院保険金、手術保険金、長期入院一時保険金が支払われます。

保険金 支払条件 保険金額
入院保険金 保険期間中の病気により入院した時
不慮の事故により3年以内に入院した時
入院1日につき特約基準保険金額の1.5/1000に相当する金額
手術保険金 入院保険金の支払われる入院の原因と同一原因により入院中に所定の手術を受けた時 手術の種類に応じて、1日当たりの入院保険金額の5倍、10倍、20倍または40倍に相当する金額
長期入院一時保険金 入院保険金の支払対象となる入院をし、その入院期間の日数が120日となったとき 特約基準保険金額の3%に相当する金額

災害特約 被保険者が特約の保険期間中に不慮の事故によるケガでの死亡または所定の身体障がいに対して、特約保険金が支払われます。

保険金 支払条件 保険金額
死亡保険金 不慮の事故により、その事故の日から180日以内に死亡した時 特約基準保険金額
傷害保険金 不慮の事故により、その事故の日から180日以内に所定の身体障がいの状態になった時 身体障がいの状態に応じて、特約基準保険金額の10%~100%

等級は、特約条項に定める身体障害等級表によるものであり、身体障害者福祉法等における等級とは異なります。

特約をつけると元本割れも

この特約はもらえる保険金額が、学資保険の基本契約の満期金に対応しています。満期金が大きいと、保障内容が膨らんでしまいます。

また、自治体によって異なりますが、子供の医療費には補助があります。一定年齢まで無料になる自治体も多いです。

子供の時は健康で元気な傾向にあり、大人と比べると相対的に長期入院のリスクは低いです。

特約は無料で付けられるわけではなく、料金が発生するので、トータルの戻り率が下がります。子供は医療関連の補償の必要性は低いことから、この特約は不要だと考えます。

特約をつけた場合の保険料と満期保険金(学資金)の差額を表にまとめました。基準保険金額300万円、契約者が30歳、被保険者が0歳の場合のモデルケースです。

学資資金準備コース名 払込期間 契約者が男性 契約者が女性
子供が男 子供が女 子供が男 子供が女
「大学入学時」 18歳 98.1% 98.7% 98.3% 98.9%
12歳 103.0% 103.8% 103.2% 104.0%
「小・中・高+大学入学時」 18歳 97.7% 98.2% 98.0% 98.5%
12歳 102.6% 103.2% 102.8% 103.4%
「大学入学時+在学時」 18歳 99.1% 99.8% 99.3% 99.99%
12歳 104.3% 104.9% 104.6% 105.2%

18歳まで支払うタイプだと、いずれも元本割れします。12歳までに支払うと増えて戻ってきますが、返戻率は特約なしの場合と比較すると大幅に減少します。

子供が女の方が返戻率が上がるのは、保険数理上の統計的には、男の子よりも女の子の方が入院・死亡・障害の確率が低いからです。

学資保険の最大の目的はお金を増やして学費の手助けにすることだと思いますし、子供向けの公的医療費助成もあることから、「特約なし」をおすすめします。

生命保険料控除の対象!

コールセンターの女性

かんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」は、生命保険料控除の対象です。

生命保険料控除とは、毎年1月~12月に払い込んだ保険料に応じた一定の額が、所得税と住民税の課税対象となる所得から控除される制度です。

これにより「所得税」と「住民税」が軽減されます。生命保険料控除には、「一般生命保険料控除」、「介護医療保険料控除」および「個人年金保険料控除」の3つの控除があります。

かんぽ生命の学資保険は「一般生命保険料控除」に該当します。年間正味払込保険料(保険料-配当金)が8万円以上だと、所得税で一律4万円の控除を受けられます。

生命保険などの保険料が年8万円に届いていない場合は、かんぽ生命の学資保険で所得控除を受けられて、所得税・住民税が減少します。

住宅ローン控除など他の控除があり、既に控除する所得がない場合は、生命保険料控除の恩恵はない点に留意しましょう。

サラリーマン・OLなど給与所得者の場合は、年末調整の際、「保険料控除申告書」にかんぽ生命から送られてくる「保険料払込証明書」を添付して勤務先に提出すればOKです。

個人事業主・フリーランスなどは、確定申告の際に「確定申告書」に「保険料払込証明書」を添付して所轄の税務署に提出すればOKです。

生命保険料控除によって控除できる所得額は下表のとおりです。

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

例えば、年間で8万円超の保険料を支払っている場合は、4万円の生命保険料控除が受けられます。 所得が4万円減るので、所得に応じて所得税が減少します。

具体的には、下表のとおりです。復興特別税は考慮していません。

課税される所得金額 税率 控除額 所得税減税額
195万円以下 5% 0 -2,000
195万円を超え330万円以下 10% 97,500 -4,000
330万円を超え695万円以下 20% 427,500 -8,000
695万円を超え900万円以下 23% 636,000 -9,200
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000 -13,200
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000 -16,000
4,000万円超 45% 4,796,000 -18,000

例えば、所得金額が250万円の場合は1年あたり4,000円、500万円の場合は1年あたり8,000円の減税となります。

更に住民税で最大28,000円の保険料控除があります。具体的には下表のとおりです。

年間払込保険料額 控除される金額
12,000円以下 払込保険料全額
12,000円超32,000円以下 (払込保険料×1/2)+6,000円
32,000円超56,000円以下 (払込保険料×1/4+14,000円)+14,000円
56,000円超 一律28,000円

住民税額は基本的には所得の10%に均等割・調整控除を加減算して決まりますが、自治体によって異なる場合があります。

しかし、所得500万円の場合で年8万円以上の学資保険の支払いがあると、所得税・住民税の合計で年間1万円強の減税が受けられます。

毎月拠出する掛金が大きければ大きい程、収入(所得)が高ければ高いほど節税効果は増幅します。 以下の表は、住民税は10%とした場合の概算額です。

課税される所得金額 所得税減税額 住民税減税額 合計
1,950,000 -2,000 -2,800 -4,800
2,500,000 -4,000 -2,800 -6,800
5,000,000 -8,000 -2,800 -10,800
8,000,000 -9,200 -2,800 -12,000
13,000,000 -13,200 -2,800 -16,000
30,000,000 -16,000 -2,800 -18,800
45,000,000 -18,000 -2,800 -20,800

課税所得500万円の場合、税率は所得税(20%)と住民税(10%)を合わせて税率は合計で約30%です。年8万円以上の保険料で、節税額は1年で10,800円、30年で約324,000円になります。中古車一台分になります。例えば、課税所得250万円の場合、税率は所得税(10%)と住民税(10%)を合わせて税率は合計で約20%です。年8万円以上の保険料を支払うと、節税額は1年で6,800円、30年で204,000円になります。

課税される所得金額 1年 5年 10年 20年 30年
1,950,000 -4,800 -24,000 -48,000 -96,000 -144,000
2,500,000 -6,800 -34,000 -68,000 -136,000 -204,000
5,000,000 -10,800 -54,000 -108,000 -216,000 -324,000
8,000,000 -12,000 -60,000 -120,000 -240,000 -360,000
13,000,000 -16,000 -80,000 -160,000 -320,000 -480,000
30,000,000 -18,800 -94,000 -188,000 -376,000 -564,000
45,000,000 -20,800 -104,000 -208,000 -416,000 -624,000

指定代理請求制度もあり所得控除の枠が残っている場合は、学資保険を節税に活用することも可能です。もちろん税制変更リスクはあります。

しかし、政府の財政赤字が拡大しており、少子高齢化によって国民に自助を促したいことや、外資系保険会社に不利益が及ぶ税制改正はハードルが高いことから、税制の改悪リスクは小さいと考えます。

ただし、契約の当初は減税が適用されていても、その後に住宅ローンを組んだり扶養家族が増えたりして、結果的に保険料控除で減らせる所得がなくなるというケースも有ります。


保険金受取人(親などの契約者)が保険金を請求できない「かんぽ生命が定める所定の事情」がある場合、親などに代わって、あらかじめ指定した代理人(指定代理請求人)が保険金を請求できる制度があります。

指定代理請求制度という名前です。例えば以下の様な場合に、代理人が請求して保険金を受け取ることができます。

  • 事故や病気で、こん睡状態にあり、保険金の請求を行うことが難しい時
  • がんなどの病名の告知を医師から受けておらず、家族のみが知っている時

指定代理請求人の範囲は以下のとおりです。

  • 契約者の戸籍上の配偶者
  • 契約者の直系血族(例えば、祖父母、父母、子、孫)
  • 契約者の兄弟姉妹
  • 契約者と同居、または生計を一にしている契約者の3親等内の親族(例えば、配偶者の父母、おじ、おば、おい、めい)

登下校中の学生

学資保険のデメリット

信用リスク

学資保険は貯蓄性の保険であり、保険会社の信用リスクがあります。支払った保険料をかんぽ生命が責任準備金として積み立てて運用しています。

かんぽ生命が破綻した場合には、この責任準備金が削減されるので、将来戻ってくるはずのお金が大きく減少します。

学資保険に加入した場合、恩恵を受けるのは主に18~22年後です。遠い未来に保険会社が破綻しないかを予測することは難しい側面があります。

世界最大の保険会社であるAIGでさえも数年前に破綻の土俵際となりました。

かんぽ生命は相対的にリスク資産が僅少であり、ソルベンシーマージン比率もかなり高く、破綻リスクは低いですけれども、ゼロではありません。

生命保険契約者保護制度がありますが、契約したかんぽ生命が破綻した場合、補償されるのは破綻時点でかんぽ生命に積み立てられている責任準備金の90%迄であり、本来もらえるはずだった金額の90%ではありません。

また、破綻時は、契約条件の算定基礎となる基礎率(予定利率、予定死亡率、予定事業費率等)が見直され、契約者が不利になることもあります。

つまり、保険会社の破綻時は条件が悪くなる可能性が極めて高いです。かんぽ生命の学資保険を契約すると、18~22年間かんぽ生命が破綻した場合に不利益を被るリスクが伴います。

中途解約リスク

学資保険は中途解約時は「解約控除」というペナルティが設けられているため、返戻金は満期を迎えた時の保険金よりも減ってしまいます。

学資保険を契約した人がすぐに解約してしまうと、かんぽ保険会社が損をしてしまうので、それを防ぐ為に解約控除が設けられています。

かんぽ生命の「はじめのかんぽ」は、契約の途中で中途解約した時は元本割れするケースがほとんどです。他社の学資保険も同様です。

「はじめのかんぽ」の契約時には、たとえトラブルや事情の変化による収入の減少などがあっても、絶対に中途解約しないで済むような、余裕を持った保険料のプランにしましょう。

積み立てているお金がどうしても必要になった場合は解約せざるを得ませんが、収入が減少して保険料の支払いが厳しくなって解約を検討している場合は、保険料の払込を止める「払済み」という手続きも検討しえます。

払済みは、以後の保険料の支払いがなくなり、解約時点で積み立てられている資金を元にして保険契約が続き、満期保険金がもらえる制度です。

金利変動リスク

学資保険は、司法試験並みの難易度と言われている試験を突破した数理の専門家「アクチュアリー」が数理計算して、予定危険率・予定利率・予定事業費率を設定し、それらに基づいて商品設計されています。

予定利率は低ければ低いほど保険料は上がります。 現在は空前の低金利で予定利率が低いため、貯蓄性がある保険は不利です。

学資保険は、契約時の予定利率で契約満了までの保険料が決まります。形式的に元本割れしなくても、将来的に金利が上昇した場合、実質的に損という状況に陥るリスクが有ります。

定期預金や社債をロールオーバーしたり、個人向け国債(変動10年)の方が結果的にお得になったというケースです。

かんぽ生命の信頼性

学資保険には信用リスクがあることから、かんぽ生命の信頼性が重要です。

かんぽ生命とは、かつての郵便局(日本郵政公社)から生命保険事業を引き継いで誕生した生命保険会社ですね。「人生は、夢だらけ。」をキャッチフレーズにしています。

逓信省によって大正5年に創業された「簡易生命保険事業」及び大正15年に創業された「郵便年金事業」は、郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社に引き継がれ、平成19年10月の郵政民営化に伴い、かんぽ生命がこれらを引き継ぎました。

2015年3月期のかんぽ生命単体の保有契約数は3348万件、総資産84兆9119億円、基礎利益5154億円、実質純資産額11兆5122億円、エンベディット・バリュー3兆5013億円です。

第一生命、日本生命を上回り、2015年3月期の保険料収入は日本一となっています。

  • かんぽ生命:5兆9567億円
  • 第一生命:5兆4327億円
  • 日本生命:5兆3371億円
  • 明治安田生命:3兆4084億円
  • 住友生命:2兆5971億円
  • T&D HD:1兆9580億円
  • ソニー生命:9140億円
  • 富国生命:7964億円

日本生命が三井生命を買収したため、買収後は合計で5兆8822億円となり、再び保険料収入は第一生命を上回りかんぽ生命に肉薄します。

ソルベンシーマージン比率は1641.4%となっており、日本生命の930.8%、第一生命の913.2%、明治安田生命の1041.0%、アフラックの898.0%、富国生命の1,169.3%よりも高い水準となっています。

財務健全性は随一となっており、民間会社ではありますが、暗黙の政府保証のニュアンスがあり、安心感があることから契約数は多い状況です。

保険会社は契約者から預かった保険料を適切に資産運用することが極めて重要です。

1990年代後半には高い予定利率に苦しんで、一か八かの逆転を狙い危険な資産運用にのめり込んで傷口を広げて破産した生命保険会社が続出していました。

かんぽ生命は、経営の健全性を維持しつつ、顧客にお約束した保険金等の支払を確実に実行するため、 資産と負債のマッチングを基本とした資産運用を実施しています。

平成27年3月末の資産構成は、国債を中心とした有価証券が66.2兆円、貸付金が9.9兆円等であり、 総資産残高は84.9兆円です。

資産の構成割合は以下のとおりです。

資産クラス 資産配分
現預金・コールローン 3.1%
国債 56.6%
地方債 11.3%
社債 7.8%
外国証券等 2.3%
金銭の信託 1.7%
貸付金 11.8%
その他 5.4%

かんぽ生命の主力の保険は、学資保険の他は養老保険です。養老保険については以下で徹底解説しています。

かんぽ生命の養老保険のメリット・デメリット・他社との比較まとめ
 養老保険という生命保険の商品があります。死亡保障と満期時の保険金が基本の生命保険であり、各種特約などで補償を上乗せすることも...

かんぽ生命、親会社の日本郵政は2015年11月に新規上場します。IPOについては以下にまとめています。

新規上場!かんぽ生命のIPOの初値予想
かんぽ生命(7181)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は10月8日(木)~10月16日(金)です。上場日は11月4日(水)です。新...
新規上場!日本郵政のIPOの初値予想
日本郵政(6178)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は10月8日(木)~10月23日(金)です。上場日は11月4日(水)です。新規...

まとめ

夫婦と子供

かんぽ生命の学資保険は、特約をつけない場合は、そこそこ高い返戻率(戻り率)となります。

ただし、18歳まで払い込む場合は、高金利の定期預金と比較して妙味はない利回り水準です。

生命保険料控除の枠が残っている場合は減税できるので美味しいですけれども、そうでない場合は、18歳払込プランは自分で定期預金を組むのが面倒な場合以外では、妙味がありません。

最も還元率が高くなる「大学入学時+在学時」の学資金準備コースの場合、男性30歳・子供0歳・12歳払込みのプランだと、返戻率は111.4%となります。

18歳払込みの場合は戻り率105.9%となります。これは他の生命保険会社の類似の学資保険と比較すると、あまり高くない水準です。

アフラックよりは高いですけれども、富国生命、日本生命、ソニー生命、JA共済、全労済よりは低めとなります。

保険会社名 商品名 払込期間 保険期間 基準学資金 戻り率
富国生命 みらいのつばさ 17歳 22歳 100万円 110.1%
日本生命 ニッセイ保険学資 18歳 22歳 100万円 110.0%
ソニー生命 学資保険スクエア 18歳 18歳 100万円 109.1%
JA共済 JAこども共済 17歳 22歳 200万円 108.4%
全労済 キッズ満期金付プラン 18歳 18歳 100万円 106.2%
アフラック 夢見るこどもの学資保険 18歳 22歳 360万円 105.2%

戻り率だけを考えるならば他社が第一選択となります。

しかし、学資保険などの貯蓄性がある保険においては、保険会社の信用リスクがあるので、戻り率だけではなく、保険会社の信頼性も重要です。

破綻するリスクは極めて小さいと考えられて安心できる保険会社を選ぶことも大事です。

したがって、かんぽ生命なら安心できると判断できる場合は、戻り率が低くてもかんぽ生命を選ぶという選択肢はあります。

かんぽ生命は良く言えば慎重、悪く言えば鈍重ですので、あまり無茶なM&Aやリスクテイクを図り、大コケして逆噴射するリスクは小さいと考えられます。もちろん上場後、イケイケGO!GO!に路線転換した場合はこの限りではありません。

かんぽ生命の学資保険に関する相談・手続きは、最寄りの郵便局または、かんぽコールセンターで可能です。

コールセンターは、フリーダイヤル(0120-552-950)であり、受付時間は平日:9:00~21:00、土日休日(1月1日~3日を除く):9:00~17:00です。

複数の学資保険を比較検討したい場合は比較サイトが便利です。最大手の価格.comは家電だけではなく、「価格.com 保険」のサービスも展開しています。利用は無料です。

保険相談窓口で、学資保険選びの相談を行うことも可能です。料金は無料であり、強引な勧誘や特定の商品を薦めることはありません。

無料の保険相談&面談、アンケート回答でもれなくプレゼントが得られる保険見直し相談サービスもあります。

どの学資保険を契約するかでお得度は変わってくるので、こうしたサービスを利用して専門家と相談すると多様な学資保険を比較検討できます。

Adsense

Adsense

  • follow us in feedly

-保険

Copyright© The Goal , 2017 All Rights Reserved.