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2015年のドル円は円安・円高どっちに動くか予想!

更新日: マーケット・経済の分析

ドル紙幣の山

2014年もドル円は円安となり、1995年~98年に続いて3年連続円安の連続記録に並びました。2015年にドル円が円安となると、史上初の4年連続となります。

2015年、ドル円は円安・円高どちらの方向に推移するのかについて予想します。


2011年10月の約75.35円をボトムとした円安トレンドは、2014年12月の121円85銭の高値で38ヶ月となりました。

ドル高・円安トレンドの過去最長期間は、1995年4月~1998年6月までの40ヶ月でした。今年、ドル円が121.85円を突破することがあれば、円安期間の過去最長記録を更新します。

時節的にはそろそろドル円相場の成熟はいいところまで来ています。今年は「史上初」を連発するのか、それとも実は2014年12月がピークだったのかということで注目されます。

2015年のドル円の方向性

2015年のドル円はどう動くかについては、基本的には今年も円安方向に進むというファクターが多いです。

異次元緩和

わが国では、日銀による異次元緩和が当面は続く可能性が高く、追加緩和の可能性もあります。名目GDPが約480兆円という状況下、インフレ率2%の安定達成までは、年80兆円のペースで長期国債を買い入れます。

日銀が追加緩和なしに現在の異次元緩和を続けただけでも、2016年中には発行済み日本国債の40%以上、2017年中には半分以上を日銀が買い占めるという試算があります。

インフレ率2%の安定達成の時期については、2015年中は絶望的な情勢であり、2016年中も厳しいという意見が多いです。インフレ率が上がらない限りは異次元緩和が続いていく可能性が高いでしょう。

参考日銀の追加緩和はあるのか?異次元緩和と株価は今後どうなるか

利上げに向かう米国

米労働省が発表した1月の米国雇用統計が強い内容となりました。非農業部門雇用者数は前月比25万7000人増となり、過去の数値が改定され、1997年以降初めて3ヶ月間の雇用増加が100万人を超えました。雇用のみならず賃金も増加しました。

FRBは今年7~9月、遅くても10~12月には利上げを開始する方向であり、金融緩和の出口に差し掛かっている米ドルと、異次元の金融緩和がいつ終わるか不鮮明という日本円のコントラストは鮮明です。

日本のイールドカーブが奈落の底に沈んでおり、 金融機関が涙目になる状況下、米ドルは相対的にまとも金利がついています。名目金利面で魅力が生じています。

また、米国の利上げ後は、ドル売り円買いポジションの維持コストが増幅します。FXで言うと、スワップポイントがマイナスの状況です。

経常赤字・貿易赤字

飛行機

為替取引の大部分は投機的取引です。しかし、実需の取引注文も地味に淡々と為替市場に継続的に発生しており、無視はできません。

貿易収支については、輸出増加、原油価格の下落などで赤字が縮小される見込みです。

依然として赤字は赤字であり、日本企業のドル売りよりもドル買いが上回っています。しかし、ここに来て貿易黒字転換も予測されるようになってきました。

為替相場の残酷な特性として、「困る人が多いほうに動く」というものがあります。 貿易黒字で円高が困るという情勢下では円高方向にすすみがちであり、 貿易赤字で円安は困るという声が増えてくる情勢下では円安に進みがちという皮肉があります。

2015年は2014年と比較すると、貿易赤字による円安圧力は減退する可能性があります。

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ドル円の円安スピードは減退

為替市場一寸先は闇ですけれども、諸状況に鑑みると、2007年のサブプライム・ ショックのような余程のショックが勃発しない限りは、途中で一時的下落局面はあるでしょうが、大局的には2015年も円安方向に進むと予想します。

ギリシャ、ロシア、イスラム国、欧州各国で極端な勢力が躍進することによる混乱など不透明要因はありますが、世界経済はまだ拡大局面が続くと考えます。

ただし、ドル円は緩やかな値動きとなり、 そのスピードは遅々としたものになると予想します。FRBは利上げの方向ですが、米国のインフレ率はここ数ヶ月は1%強で低位安定しており、 利上げを急ぐ必要はありません。

利上げがあったとしても、2004年からの利上げ局面のようなス ピードではなく、非常に緩慢なスピードになると思います。

また、バリュエーション上は既に円安がかなり進んだ状況です。

実質実効為替レートは過去最大の円安水準となっています。

日本円の実質実効為替レート(2014年末迄)

もちろん短中期的には為替レートはオーバーシュートしますが、そろそろ反転がありそうな気配があることは否定できません。

購買力平価(1973年基準)では、企業物価で概ね100円強であり、現在のレートはそれより大分円安方向にあります。

ドル円の購買力平価(1973年~2015年1月)
公益財団法人 国際通貨研究所より)

ただし、購買力平価の向きは、日米のインフレ率格差縮小に伴い、これまで40年近くひたすらに円高方向に向いていた購買力平価が、底打ちして円安方向に向かう気配を見せ始めています。

ドル円の購買力平価(2002年~2015年1月)

この傾向が続くと、長期的にはドル円はボックス相場、あるいは日本のインフレ率のほうが上がると円安傾向に行くようになる可能性があります。

米国が最も経済状況が良好で金利も先進国の中では相対的に高いことから、ドルインデックス(実効為替レート)は、レーガノミックスの時期と1995~2001年のアメリカ黄金期に続く、第三の上昇トレンドに入った気配が漂っています。

ドルインデックス(1973年~2015年1月)

以上を総合考慮して、2015年のドル円は紆余曲折を経て小幅な円安と予想します。

ドル円の値幅

過去の円高のピークからの円安までの幅は以下の通りでした。

年月 円高の底 年月 円安の頂 円安の幅
1978年10月 177.05 1980年4月 261.4 47.6%
1981年2月 202.9 1982年11月 277.65 36.8%
1984年4月 222.7 1985年2月 262.8 18.0%
1988年11月 121.1 1990年4月 160.2 32.3%
1995年4月 79.75 1998年8月 147.66 85.2%
1999年11月 101.25 2002年1月 135.15 33.5%
2005年1月 101.69 2007年6月 124.14 22.1%
2011年10月 75.35

円高のピークから円安のピークまでの過去平均を今回の局面に適用すると、ドル円105円です。これは既に突破しました。過去2番目の円安局面の騰落率を今回に当てはめると111.22円、過去最大の騰落率を当てはめると139.55円です。

どこまでいく? ドル円レート
過去平均(約39.4%) 105.00
過去2番目の円安幅(約47.6%) 111.22
過去2番目と最大の中間(約66.4%) 125.38
過去最大の円安幅(約85.2%) 139.55

過去2番目と最大の中間(約66.4%円安)は125.38円です。2016年あたりに向けて、このゾーンに向かっていくイメージを抱いています。

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