ティアンドエス(4055)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2020年7月20日(月)~7月28日(火)、上場日は2020年8月7日(金)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は2,650円(1単元26.5万円)です。公募価格は2020年7月29日(水)に決定。
仮条件は2,650円~2,800円と上振れました。予想PERは18.7~19.7倍です。
初値予想は大幅なプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
6,500〜8,500円(仮条件の上限比+132.1%~+203.6%)
ティアンドエスはシステム開発及びその関連サービスを展開しています。
主に個人向けのオンライン資格講座である「スタディング」、法人向けの社員教育クラウドサービスである「エアコース」を提供しています。
監査法人は双葉監査法人で、本社所在地は神奈川県横浜市西区みなとみらい3-6-3 MMパークビル11階です。
ティアンドエスとは
ティアンドエスの事業の構成は、3つのカテゴリーとなっています。
- 「相対的に安定したベースロード的な利益体質の事業基盤:ソリューションカテゴリー」
- 「半導体工場内システムの運用・保守を支援する安定分野:半導体カテゴリー」
- 「高度なソフトウエア技術により新市場を創出する成長分野:先進技術ソリューションカテゴリー」
従業員数は24名、平均年齢は39歳、平均勤続年数は2.5年、平均年間給与は548.9万円です。
ソリューションカテゴリー
ソリューションカテゴリーは、大手企業顧客向けの請負(開発・運用保守)を中心としたサービスを展開しています。
現在は、キオクシアグループ、東芝グループ、日立グループ等の大手企業グループを対象にサービス展開しており、その経験と実績をもとに他の大手企業や中堅企業への事業開拓を行っています。
業領域に特化せず製造業、サービス業など様々な業種のユーザ企業をターゲットとしてサービスを展開し、請負(開発・運用保守)及び派遣の形態で提供しています。
その割合は、売上比で「請負(開発・運用保守):派遣=3:1」であり、請負(開発・運用保守)が主な事業モデルとなっています。
顧客の要望にお応えして、どの形態でも対応できる社内体制と人材を用意するよう努めています。
半導体カテゴリー
半導体カテゴリーが提供するサービスは、半導体工場内のシステム運用やシステム保守です。キオクシアグループ及び東芝グループ各社より受嘱しています。
ティアンドエスの前身である旧株式会社テックジャパンは、20年以上前から工場を建設する顧客との関係強化に努めてきており、安定的に人員を提供できる体制を整えています。
半導体工場におけるティアンドエスの役割は、工場内システムの保守及び運用サービスや、ITヘルプデスク等半導体工場のITインフラストラクチャー運用支援を担当することです。
本事業の特徴は、工場に常駐する形態で工場システムの運用や保守業務に従事することであり、工場が存続する限り安定的に事業が継続できるとティアンドエスは考えています。
先進技術ソリューションカテゴリー
先進技術ソリューションカテゴリーでは、ネットワーク・画像認識・ハードウエア制御・メモリ高速化等最新の高度技術を駆使して、ソフトウエアの高機能化及び品質向上を実現するサービスを提供しています。
現在はAIテクノロジー業務として論文調査、論文アルゴリズムの実装・評価、アノテーションサービス、メモリ高速化業務としてアルゴリズムレベルの最適化、ハードウエアレベルの最適化、さらには画像認識ソフトウエア開発などを行っています。
事業規模は2019年11月期実績で売上高の4.8%となっており、他カテゴリーと比較すると小さい状況です。
ティアンドエスのIPOの諸データ
ティアンドエスの業績推移
業績面では売上高・経常利益・純利益のいずれも、右肩上がりの傾向となっています。
主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 | |
---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2016年11月 | 2017年11月 | 2018年11月 | 2019年11月 | |
売上高 | (千円) | 134,473 | 1,905,323 | 2,133,537 | 2,297,249 |
経常利益 | (千円) | -99,487 | 148,321 | 202,444 | 269,850 |
当期純利益 | (千円) | -69,729 | 109,951 | 146,470 | 184,007 |
資本金 | (千円) | 64,000 | 64,000 | 74,120 | 74,120 |
発行済株式総数 | (株) | 1,280 | 1,280 | 1,437 | 1,437 |
純資産額 | (千円) | 4,584 | 114,535 | 271,126 | 455,133 |
総資産額 | (千円) | 492,779 | 493,094 | 631,313 | 817,008 |
BPS | (円) | 3,581 | 89,481 | 171.52 | 287.93 |
1株配当 | (円) | - | - | - | - |
EPS | (円) | -54,476 | 85,900 | 94.81 | 116.41 |
自己資本比率 | (%) | 0.9 | 23.2 | 42.9 | 55.7 |
自己資本利益率 | (%) | - | 184.6 | 76 | 50.7 |
株価収益率 | (倍) | - | - | - | - |
配当性向 | (%) | - | - | - | - |
営業CF | (千円) | - | - | 150,248 | 168,033 |
投資CF | (千円) | - | - | -12,601 | -1,056 |
財務CF | (千円) | - | - | -76,276 | -44,438 |
現金等 | (千円) | - | - | 200,638 | 323,177 |
従業員数 | (人) | 184 | 223 | 232 | 248 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は2020年3月下旬をボトムとして右肩上がりとなっており、6月以降はボックス相場となっています。
このまま堅調な推移が続くとIPOにおいて追い風となり、反落して再び軟調な相場に回帰すれば向かい風となります。
上場規模
ティアンドエスのIPOの規模は最大で約7.3億円であり、東証マザーズとしても小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は170,000株、売出株式数は77,000株、オーバーアロットメント(OA)は30,000株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約16%とかなり低めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は31%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
武川義浩 | 39.87% | ○ |
渡辺照男 | 14.30% | ○ |
日下理 | 10.76% | ○ |
遠藤玲 | 7.03% | ○ |
日下寛之 | 6.39% | ○ |
ティアンドエス従業員持株会 | 2.22% | ○ |
木村実 | 2.15% | ○ |
福田悦生 | 1.65% | ○ |
日下藍子 | 1.46% | ○ |
渡辺貴美子 矢ノ下美樹 渡辺一樹 渡辺奈緒 | 1.27% | ○ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
ティアンドエスの事業はシステム開発及びその関連サービスということで、IPOにおける業種の人気度はやや高めです。
予想PERは18.7~19.7倍であり、類似企業と比較すると中間的となっています。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
2332 | クエスト | 11.96 | 1.39 | 2.86% |
3988 | SYSホールディングス | 17.65 | 1.90 | 0.90% |
4769 | インフォメーションクリエ | 12.16 | 1.25 | 2.72% |
4826 | CIJ | 12.89 | 1.07 | 2.57% |
約7.3億円という上場規模は東証マザーズとしても小型です。上位株主にVCはなく、満遍なくロックアップがかかっています。
東証マザーズの5億~10億円未満の小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- グッドパッチ:299.6%
- コマースOneホールディングス:335.6%
- 松屋アールアンドディ:-7.9%
- ミクリード:-8.1%
- リグア:-2.1%
- スポーツフィールド:+211.4%
- ユナイトアンドグロウ:+152.4%
- ALinkインターネット:+136.5%
- ジェイック:+117.3%
- インティメート・マージャー:+110.5%
- AI CROSS:+65.1%
- パワーソリューションズ:+155.5%
- フィードフォース:+140.0%
- インフォネット:+130.2%
- バルテス:+175.8%
- グッドスピード:+25.0%
- エードット:+121.0%
- Welby:+246.7%
- gooddaysホールディングス:+128.1%
- 識学:+152.8%
- テノ.ホールディングス:+25.0%
- AmidAホールディングス:+6.3%
- Kudan:+276.3%
- アルー:+46.7%
- 霞ヶ関キャピタル:+133.7%
- VALUENEX:+133.7%
- ブリッジインターナショナル:+92.6%
- イーエムネットジャパン:+133.3%
- アズーム:+113.3%
- チームスピリット:+101.4%
- アクリート:+100.3%
- ロジザード:+177.8%
- エーアイ:+250.0%
- プロパティデータバンク:+130.3%
- ログリー:+149.2%
- ベストワンドットコム:+242.5%
- HEROZ:+988.9%
- コンヴァノ:+135.4%
- ブティックス:+137.8%
- 和心:+167.9%
- Mマート:+333.9%
- すららネット:+113.0%
- ナレッジスイート:+150.5%
- イオレ:+169.8%
- エル・ティー・エス:+313.2%
- 一家ダイニングプロジェクト:+173.5%
- サインポスト:+287.7%
- エスユーエス:+116.1%
- ユニフォームネクスト:+137.1%
- Fringe81:+133.1%
- ビーブレイクシステムズ:+361.1%
- アセンテック:+197.5%
- 旅工房:+173.7%
- テモナ:+215.7%
- 力の源ホールディングス:+271.7%
- ファイズ:+220.8%
- フォーライフ:+31.6%
- グレイステクノロジー:+130.0%
- イノベーション:+214.1%
- リネットジャパングループ:+92.9%
- G-FACTORY:+54.3%
- シルバーエッグ・テクノロジー:+191.3%
- チェンジ:+149.9%
- バリューデザイン:+111.5%
- カナミックネットワーク:+186.7%
- デジタルアイデンティティ:+88.3%
- ストライク:+125.9%
- ハイアス・アンド・カンパニー:+189.5%
- はてな:+278.1%
- ソーシャルワイヤー:+56.9%
- アークン:+262.1%
- 鎌倉新書:+180.6%
- ネオジャパン:+401.7%
- パートナーエージェント:+217.5%
- ピクスタ:+34.8%
- べステラ:+25.0%
- パルマ:+70.5%
- 富士山マガジンサービス:+126.4%
- ファンデリー:+102.1%
- マーケットエンタープライズ:+167.0%
- ジグソー:+236.4%
- レントラックス:+53.1%
- 海帆:+76.5%
- プラッツ:+70.2%
- 日本動物高度医療センター:+44.2%
- ハウスドゥ:+47.2%
- ショーケース・ティービー:+193.9%
- ヒューマンウェブ:+11.7%
- コラボス:+137.6%
- ALBERT:+115.7%
以上を総合考慮して、初値予想は大幅なプラスリターンです。
主幹事はいちよし証券 です。その他は、野村證券、SBI証券、極東証券、東洋証券、マネックス証券、岡三証券、楽天証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
いちよし証券 | 185,500 | 75.10% |
野村証券 | 22,200 | 8.99% |
SBI証券 | 12,300 | 4.98% |
極東証券 | 7,400 | 3.00% |
東洋証券 | 7,400 | 3.00% |
マネックス証券 | 7,400 | 3.00% |
岡三証券 | 2,400 | 0.97% |
楽天証券 | 2,400 | 0.97% |
岡三グループの岡三オンライン証券でも取扱いの可能性があります。
岡三オンライン証券は、当サイト限定タイアップでお得な入会キャンペーンを行なっています。口座開設と1回以上の取引だけで3,500円+特別レポートがプレゼントされます。
ネット証券のキャンペーンとしては破格の内容でおすすめです。まだ口座をお持ちでない方は、ぜひこの機会に開設してみてはいかがでしょうか。
↓
ティアンドエスのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事団に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
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SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
楽天証券も幹事団に名を連ねています。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
大和証券も厳正かつ公平な抽選サービスとなっており、小口投資家でも当選の可能性はあります。
SBIネオトレード証券でもIPOの取扱いを開始しています。委託幹事に名を連ねる可能性があります。
口座開設キャンペーンでは、約2ヶ月間も売買手数料が無料となります。
松井証券も委託幹事団に名を連ねる可能性があります。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
東海東京証券は小口個人投資家には嬉しい完全抽選がある証券会社です。
むさし証券もIPOのサービスを提供しています。インターネット口座は売却手数料がリーズナブルです。
<投資スタンス>
強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、S級銘柄の当落に影響がない対面証券では申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)※回数制限やS級狙いで回避することも
- やや弱気:SBI証券以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも)
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)