大手クレジットカード会社のクレディセゾンが発行しているセゾンカードは、年会費が無料のクレジットカードが多く、多くの方にとって使いやすいのが特徴です。
セゾンカードはキャッシングも利用可能であり、国内外のATMで現金の引き出しが可能です。海外キャッシングは外国に旅行・出張に行く方にとって便利なサービスです。
また、国内のセゾンATMは手数料無料で使えるので、銀行のATM手数料が発生する場合は、むしろ一時的にセゾンカードでキャッシングした方がお得です。
クレディセゾンのセゾンカードのキャッシングを利用する際には、金利手数料、返済方法などに注意を払う必要があります。
そこでセゾンカードのキャッシングについて、メリット、デメリット、使い方、注意点、シミュレーション、返済方法などについて、63枚のクレジットカードを保有した経験があり、年会費の最高額は118万円の専門家が徹底的に解説します。
机上の空論ではなく、実際に数多くのクレジットカードを実生活において徹底的に活用した経験を活かして2024年10月の最新の状況を分析しました。
目次
セゾンカードのキャッシング概要
クレジットカードのキャッシングとは、ATMや銀行振込によって、クレジットカード会社からお金を借りる行為です。金利手数料が発生するので、コストを上乗せして返済する必要があります。
クレディセゾンから付与されたキャッシング利用枠の範囲内で、セゾンカードでキャッシングすることが可能です。
利用可能な方
セゾンカードのキャッシングを利用できるのは、収入がある方のみとなります。派遣社員・契約社員・個人事業主はもちろん、パート・アルバイトでもOKです。
クレジットカードは専業主婦でも世帯主に収入があれば発行できる券種もありますが、キャッシング利用限度額に関しては原則として本人に収入が必要です。
50万円を超えるキャッシング枠を希望する場合、所得証明書を提出する必要があります(一覧)。
利用可能枠は最高300万円
セゾンカードのキャッシング利用限度額は、年収の3分の1以内で、かつ1万~300万円の範囲となっています。
自分の利用可能枠は、セゾンカード会員サイト「Netアンサー」にログインして、「明細確認・お支払変更」→「ご利用可能額照会」と進むと確認できます。
私の場合は10万円となっていました。
なお、学生の方はパート・アルバイト・YouTuber等で多額の収入があったとしても、利用限度額は5万円が上限となります。
金利手数料は12%~18%
セゾンカードのキャッシングで発生する金利・手数料は、年12.00%~18.00%であり、カードの種類・審査結果によって金利手数料が変動します。
自分のセゾンカードの金利手数料率を確認したい場合は、Netアンサーの「ご利用明細照会(確定済み)」で閲覧できます。
キャッシング枠の追加・増枠の申請方法
カード申込時にキャッシング枠を希望して付与されていた場合、その範囲内で利用可能です。
キャッシング枠0円でカードが発行されて、後から追加したくなった場合、クレディセゾンのコールセンター(0120-997-132)に連絡すればOKです。
営業時間: 9:00~18:30(1/1休)
既にキャッシング利用可能枠がある状態で、限度額が足りないので増枠したい場合は、インターネット、電話、書類の郵送のいずれかの手段で手続きできます。
書類の場合、「ご利用可能枠増枠申込書」を取り寄せて記入&返送が必要で、面倒な手間がかかります。インターネットが使える状態ならば、オンラインでの手続きが簡便でおすすめです。
無収入だとキャッシング枠が付与されない点、50万円超の希望時は所得証明書の提出が必要である点は、カード発行後の追加・増枠申請時も同様となります。
所得証明書類は、源泉徴収票、給与明細書、年金証書、納税通知書、確定申告書などになります(一覧)。
所得証明書類は返却されない点に注意が必要です。また、審査には約1週間の時間が生じることもあるため、急ぎの方は早めに手続きしましょう。
セゾンカードのキャッシングの使い方(国内)
セゾンカードは、日本国内、海外での両方でキャッシングが可能です。まずは国内キャッシングについて解説します。
キャッシング方法
セゾンカードは、ATM、電話、インターネットという3つの手段でキャッシングできます。
ATMキャッシング
セゾンカードはクレディセゾンのATMだけではなく、コンビニや銀行のATMも利用できるのでユーザーフレンドリーです(操作方法)。
区分 | セゾンATM | コンビニ・銀行ATM |
---|---|---|
手数料(税抜) | 無料 | 1万円以下:100円 1万円超え:200円 |
単位 | 借入:1,000円単位 返済:1円単位 | 借入:10,000円単位 返済:1,000円単位 |
利用可能時間 | 店舗・施設の営業時間 | 借入:最長24時間 返済:最長7時~23時 |
提携しているコンビニ・銀行ATMは、セブン銀行、ローソン銀行、ゆうちょ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行、多数の地銀、信金です。
セゾンATMでのキャッシングならATM手数料が無料なので、使い勝手が抜群に良好です。
電話・ネットでのONLINEキャッシング
セゾンカードには「ONLINEキャッシング」という仕組みもあり、電話やインターネットで申し込むと、セゾンカードの引き落とし口座に振り込んでくれます。
- 9:00~14:30に手続き:引き落とし口座に即時入金(リアルタイムで振込)
- 14:30~24:00、0:00~9:00:翌営業日の9時以降に入金(振込)
ONLINEキャッシングの振込手数料はセゾンカード負担なので、以下の2ステップでセゾンATMが近くになくても手数料無料でキャッシングできます。
- ネット・電話で手続き
- 銀行口座に入金された後、手数料のかからないATMからキャッシュカードで現金を引き出し
返済方法
セゾンカードでキャッシングした場合、定期的に返済する必要があります。支払い方法は「翌々月一回払い」と「リボルビング払い(リボ払い)」の2種類があります。
セゾンカードでキャッシングをした場合の締め日と引き落とし日は下記のとおりです。
- キャッシング利用の締め日:毎月末日
- キャッシング利用の引き落とし日:翌々月4日
例えば6月30日にキャッシングした場合は、2か月後の8月4日に口座からキャッシング利用額+金利手数料の合計額が引き落とされます。7月1日にキャッシングを利用した場合は、9月4日です。
翌々月一回払い
セゾンカードのキャッシングの一括返済は、締め日と引き落とし日のサイクルから、最短1ヶ月と4日分、最長で2か月と4日分の金利手数料が発生します。
引落日の4日が金融機関の休業日の場合、翌営業日の引き落としとなるため、さらに金利手数料が加算されます。
しかし、口座引き落とし日の前に繰り上げ返済を行うと、日割り計算で返済日までの日数分の金利手数料しか発生しません。
したがって、返済に充当できるお金が生じた場合は、引き落とし日を待たずに早期返済することをおすすめします。
なお、セゾンATMは1円単位で返済できますが、銀行・コンビニのATMでは小銭での返済ができません。
セゾンATMが近くにない場合、カード裏面に記載されているインフォメーションセンターに電話して、指定の銀行口座に振り込んで全額返済する必要があります。
返済時の振込手数料は自己負担となってしまうので、振込手数料が無料の銀行から振り込みましょう。
リボ払い
リボ払いは毎月の返済額が同一金額となるため、返済の計画が立てやすく、毎月のキャッシュアウトが少額になるメリットがあります。
しかし、返済回数が長くなると金利手数料が高く、雪だるま式に残高が増えるリスクがあるので、できる限り利用は避けることをおすすめします。
セゾンカードのリボ払いでは、「増額払い」で残高を減らすことや、「全額払い」で一括返済することも可能です。
やむを得ない事情で利用した場合、早期の繰り上げ返済を心がけましょう。
キャッシングの返済シミュレーション
2019年6月23日に実質年率18.0%で10万円のカードキャッシングを利用した場合、返済シミュレーションは下表のとおりとなります(シミュレーション画面)。
返済方式 | 1回払い | リボ払い | ||
---|---|---|---|---|
支払コース | 一括返済 | 3万円定額 | 5万円定額 | 標準コース |
支払い回数 | 1回 | 4回 | 3回 | 11回 |
初回の支払い日 | 2019年8月5日 | |||
初回の支払い金額 | 102,071円 | 30,000円 | 50,000円 | 10,000円 |
最終回の支払い日 | 初回のみ | 2019年11月5日 | 2019年10月4日 | 2020年6月4日 |
最終回の支払い金額 | 初回のみ | 14,021円 | 2,909円 | 9,843円 |
支払い総額 | 102,071円 | 104,021円 | 102,909円 | 109,843円 |
うち利息合計 | 2,071円 | 4,021円 | 2,909円 | 9,843円 |
支払回数が増えれば増えるほど完済までの期間が長期化して、利息が膨らむ傾向にあります。
セゾンカードの海外キャッシング
セゾンカードの海外キャッシングを利用すると、海外ATMで現地通貨を引き出すことが可能です。
旅行中に必要な大金を所持する必要がなく、その都度現金を引き出せばOKなので便利です。
セゾンカードの海外キャッシングは、国内キャッシングとは異なり1回払いのみとなります。ただし、あとからリボ払いに変更することも可能です。
海外キャッシングの利用可能枠は国内キャッシングと共通となっており、枠の確認・増枠方法は同一です。
為替コスト
セゾンカードの海外キャッシングでは、所定の国際ブランドが定める為替レートで外貨に両替することになります。
国際ブランドごとに為替レートが微妙に異なり、全体的にはMastercardが最も安い傾向にあり、近年ではJCBも検討しています。
アメックスはやや高い傾向にあるので、海外キャッシングを多用する場合はアメックス以外がおすすめです。
空港や銀行での両替よりも低コストなのがメリット
セゾンカードに設定されている利用可能枠の範囲であれば、海外でもキャッシングをすることができます。世界150カ国以上に設置されている約96万台のATMから現地通貨を引き出せます。
日本の銀行・空港で両替するよりも、海外ATMで現地通貨を引きおろした方がコストは安価でお得です。
海外キャッシングのデメリット
海外キャッシングのデメリットは、ATM手数料が発生する点です。海外キャッシングで現地通貨を引き出すごとに以下の手数料がかかります。
- 1万円以下:100円(税抜)
- 1万円超:200円(税抜)
また、繰り上げ返済できるのは、日本国内のATM、セゾンコールセンターに電話してからの振り込みとなる点です。
セディナカードやアコムACマスターカードは海外にいる時でも、会員サイトでPay-easyにて前倒しで返済できます。
しかし、セゾンカードの海外キャッシングは原則として帰国後に返済するしか無いので、滞在日数が数日程度の短期旅行の場合におすすめです。
利息は支払い日までの日割計算なので、帰国後はすぐに返済するようにしましょう。
海外でおろした現地通貨が自動的に日本円に換算された金額を返済することになります。
できる限りカード払いして帰国後の早期返済がおすすめ
海外でのカードショッピングは為替コストのみとなり、キャッシングのような金利・ATM手数料は発生しません。
したがって、海外ではクレジットカードが使える店舗では全てカード払いにして、現金のみの店舗だけで引き下ろした外貨で支払うことをおすすめします。
日本に戻ってきた後は、すぐにセゾンATMや振り込みなどで繰り上げ返済すれば、金利手数料は極小化できます。
利用可能なATM・海外キャッシングの手順
海外キャッシングが可能なATMは国際ブランドによって異なります。
- Visaブランドのセゾンカード:VISA、PLUS
- Mastercardブランドのセゾンカード:Mastercard、Cirrus
- アメックスブランドのセゾンカード:アメリカン・エキスプレス
- JCBブランドのセゾンカード:JCB、Cirrus
空港にはATMが設置されていることが多く、まず空港でお金を引き出しておくと便利です。
夜間の利用や、混雑している路面のATMは避け、なるべく空港や金融機関に設置されているATMを使うのが無難です。
海外でのATM・CDの操作画面で用いられている基本的な用語(英語)は以下の通りです。
用語 | 意味 |
---|---|
PIN (Personal Identification Number) ID CODE/SECRET CODE/PERSONAL NUMBER | 暗証番号 |
WITHDRAWAL/GET CASH | お引出し |
BALANCE INQUIRY | 残高照会 |
ENTER/OK/YES | 確認 |
CANCEL | 取消 |
CLEAR | 訂正 |
TRANSACTION | 取引 |
SAVING ACCOUNT / CHECKING ACCOUNT | 普通預金/当座預金 |
RECEIPT | レシート |
AMOUNT | 金額 |
海外ATMのキャッシングの手順の一例は下表のとおりです。
作業 | 操作方法 | |
---|---|---|
1 | 暗証番号入力 | 「ENTER PIN」(暗証番号を入力)と表示されたら、クレジットカードの暗証番号(4桁)を入力。次の画面に移らなかったら「ENTER」(入力)を入力 |
2 | トランザクション選択 | 「SELECT TYPE OF TRANSACTION」(取引内容を選択)と表示されたら、「CREDIT CARD WITHDRAWAL」(クレジットカードでの引き出し)または「WITHDRAWAL」を選択 |
3 | クレジットカードアカウント選択 | 「CREDIT CARD」(クレジットカード)を選択 |
4 | 金額を入力 | 引き出す金額を入力。複数の金額から選択肢がある場合で、自分で好きな金額を入力したい場合は「Other」(その他)を選択 |
5 | 再取引の有無 | もう一度キャッシングしたい場合は「YES」、終了する場合は「NO」 |
国や地域によっては5ケタ以上の暗証番号を求められる場合がありますが、その場合であっても4ケタの暗証番号を入力すればOKです。万が一次の画面に進まない場合は、他のATMを利用しましょう。
海外ATMを利用する際には、セゾンカード本体と暗証番号が必要です。 暗証番号を忘れてしまった場合は、郵送にて通知してくれます。
ATM操作に不安がある場合は、クレディセゾンの海外キャッシング体験を利用して慣れるのも選択肢です。
まとめ
セゾンカードは国内外でキャッシングを利用することが可能です。
国内ではセゾンATM・オンラインだと手数料無料なので、銀行のATM手数料が発生する場合は、むしろ一時的にセゾンカードでキャッシングした方がお得です。
海外キャッシングは、お手軽に外国のATMで低コストにて現地通貨を引き出せて便利です。少しの工夫で金利手数料を安く抑えられます。
借入可能額は1万~300万円・実質年率は12%~18%となっており、利用日数分だけ日割り計算されるので、迅速に返済すれば負担を抑えることが可能となっています。
セゾンカードのキャッシング方法はインターネット・ATM・電話と多様な方法があって便利です。
海外キャッシングでは僅かなATM手数料、国際ブランドの為替コストのみで現地通貨を引き出すことができます。
帰国後に繰り上げ返済すれば空港・外貨ショップ・銀行などと比較して低コストでキャッシングが可能となっています。
セゾンカードの種類一覧は多様です。その中でおすすめのセゾンカードについては、以下で解説しています。
メインカードとしてガンガン活用する場合はセゾンアメックスがおすすめです。
実際にセゾンカードを活用したところ、多様でお得な特典を享受でき、家計が大助かりでした。