財産税の導入の方向か?金融資産課税から逃れる方法!2023年最新

更新日:   資産運用・マーケット・経済

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日本政府は6月末に公表予定の「骨太方針」で、歳入強化策を盛り込み、富裕層が対象の資産課税強化を検討すると報道されました。ソースは「複数の政府筋」となっております。

どの程度のレベルの話なのか、リークして反応の様子を見ているのかが気になりますね。財産税の方向性と対策についてまとめます。

以前にマイナンバー制度の最大のデメリットは、金融資産課税の強化であると述べました。

マイナンバー制度が2015年10月から始まることが決まっています。当初はマイルドな制度となりますが、徐々に外堀が埋まってい...

ここに来て早速に「複数の政府筋」から資産課税の強化の話が出てきました。将来的には財産税の導入の悪寒がしてきますね。マイナンバーで国民の資産を補足し、財産額合計に対して税金を課す制度です。

裏では現在進行形で、やがて銀行・証券・保険などの金融取引ですべてマイナンバー提出が義務化され、マイナンバーを金融機関に出さないと取引できなくなる方向で検討されています。

日本年金機構の情報流出があり、マイナンバー義務化の進行に一定程度の遅れが出る可能性はありますが、やがて国民の資産が補足される方向で進む可能性が高い状況です。

財産税が導入された場合、税率がどの程度になるのかが重要ですね。不動産の取り扱いも課題となります。不動産に課せられる税率よりも財産税の方が高く設定された場合はそちらに収斂するでしょう。

例えば1000万や3000万などの一定の金額までは課税控除枠が設けられて財産税は0となり、それ以上の財産に対して課税される可能性が高いでしょう。

税率は1%という数字が大前研一氏などから言及されていますが、現在の金利情勢ではあまりにも暴利です。

普通預金の金利は一時的なキャンペーンを除くと、年0.2%が最高です。

  1. あおぞら銀行BANK:年0.2%(基準日:2022年1月4日)
  2. GMOあおぞらネット銀行:年0.11%
  3. イオン銀行(イオンカードセレクト保有などでプラチナ):年0.1%
  4. 楽天銀行:年0.1%

日銀は政策金利を0近辺で抑えており、個人向け国債(10年)の利回りも0.05%近辺を彷徨っています。

こうした情勢下で1%という税率を課すと重税感が非常に高いです。収入に対して課税されるのならまだしも、ストックの資産が目減りするのは心理的に大いなる抵抗があります。

脳天逆落としのような熾烈さであり、苦衷は察するに余りあります。もし1%になったら、あらゆる手段を講じて課税を逃れようという人々の行動が無尽蔵に湧出されるのは間違いありません。

資本逃避が深刻化するリスクがあると考えます。インターネットの高度化とグローバル化の進展によって、世界中の情報が手に入る時代です。安易な財産税は格好の資本逃避促進剤になりかねません。

人々が許容できる財産税の税率は、目減りしない水準です。高金利の普通預金の利回りが上限でしょう。

普通預金には約20%の税金が課されることに鑑みると、現在では財産税の税率は0.1%が許容できるMAXだと思います。0.1%と1%の場合の具体的な財産税の金額は下表の通りです。

財産額財産税(0.1%)財産税(1%)
1千万10,000100,000
2千万20,000200,000
3千万30,000300,000
4千万40,000400,000
5千万50,000500,000
6千万60,000600,000
7千万70,000700,000
8千万80,000800,000
9千万90,000900,000
1億100,0001,000,000
2億200,0002,000,000
3億300,0003,000,000
5億500,0005,000,000
7億700,0007,000,000
10億1,000,00010,000,000

財産が1千万なら0.1%は1万円、1%は10万円です。0.1%なら「まあ仕方ないか」と渋々ながら断腸の思いで許容できなくもない水準です。

しかし、1%は戦慄的な数字であり、資本逃避の深刻化という陥穽に嵌るリスクが高まります。預金封鎖までいかなくても、財産税だけで大きな抵抗が生じます。

財産に対する課税強化は、株・預金・債券・FXなどによる金融取引による収益への課税強化(一律20%ではなく、累進課税の導入)にとどめるべきであり、できれば財産税は導入するべきではないと考えます。

仮に導入するとしても、普通預金の金利程度の税率を上限にすべきでしょう。そうでないと財産税から逃れる方法による対策が加速するリスクがあります。海外に法人を設立して更に本人が云々等です。

安易な財産税の導入は、目先の税収と引き換えにより大きなものを失うリスクがある点は当然に政府も認識しているでしょう。

しかし、ピケティブームの巻き起こりや、日本では米国における共和党のような勢力が弱いことから、一概の不安がよぎります。

Kindle本、FOLIO(フォリオ) vol.4では「財政破綻」を特集しており、プロの日本国債ディーラー、アナリストが対策について赤裸々に述べています。

世の中に溢れているトンデモ本ではなく、地に足の着いた議論が展開されています。マイナンバー制度に関する記述もあり、その上での対策が書かれています。

結局のところ完全に逃れるためには「移住しかない」となりますが、マイナンバー導入後に可能性がゼロではない財産税から逃れる方法について、興味がある方は一読すると参考になります。

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