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資産運用では株価だけではなく為替も考慮しよう。

更新日: 資産運用の考え方

外国の運河

たまに円建ての日経平均株価とドル建てのNYダウ株価を比較している議論があります。外国株・REITや外国株投信・ETFに投資している場合は、株価だけではなくて為替にも目を向ける必要があります。

国内株式等と外国株式等のパフォーマンス測定についてまとめます。


個人投資家と運用担当者の違い

株価と為替は完全に切り離されて、単純な株価の騰落率で評価が決まる運用担当者ではなく、一般的な個人投資家の場合は、単純に日本と外国株の株価だけを比較するのではなく、為替も考慮する必要があります。

例えば日経平均株価は2013年末は16,291.31円でした。2014年末は17,450.77円であり、2014年の騰落率は約+7.12%でした。

他方、ニューヨーク・ダウは2013年末は16,576.66円でした。2014年末は17,823.07円であり、2014年の騰落率は約+7.52%でした。

これに対してほとんどパフォーマンスは変わらないと評価してはいけません。日経平均株価は円建てでニューヨーク・ダウはドル建てだからです。

ドル円は、2013年末は105.30円でした。2014年末は119.68円であり、2014年の騰落率は約+13.66%でした。したがって、円で生活している日本の居住者から見ると、ニューヨーク・ダウは実質的に21%以上のリターンとなります。

円でもドルでもいいのですが、通貨は一つに揃えてパフォーマンスを見ないと実質的な価値の変動は把握できません。

単純に考えて、外国株の株価が2倍になったとしても、為替が2倍円高になったら円ベースでは±0です。外貨建てでは2倍でも証券会社の騰落金額は±0円と表示されます。これで嬉しいかというと、全く嬉しくはありませんよね。

「所属している組織に為替は考慮せずに運用成績が評価される」というルールで運用を行う運用担当者と、自分の財産を投じる個人投資家は同じ株式投資でも条件が大きく異なります。

我々は基本的には日本に居住しており、これからも主に円で暮らしていきます。支払いは円であり、人生の負債(ライアビリティ)は円です。したがって、円ベースで把握するのが妥当でしょう。

外貨ベースの評価や、通貨を考慮しない場合

例外は主に以下の3つの場合が考えられます。

  1. 100%為替ヘッジして外国株・外国REITの投資を行う。
  2. 将来的な移住や居住国分散の予定がある。
  3. 海外旅行に相当な日数で行ったり、家族が多額の外貨建て費用がかかる留学を行う予定がある。

100%為替ヘッジ

100%為替ヘッジして外国株・外国REITを買う場合は、為替は考慮する必要がありません。

例えば今155万円分の米国株を買う場合、FXでドル円を1万3千通貨ショートして為替ヘッジする場合や、CFDで外国株の株価のみの値動きで損益が決まる場合は、為替の考慮は不要です。

ただ、こういう投資を行っている個人投資家は多くはなく、為替ヘッジなしに外国建て資産を保有している投資家が多いでしょう。

単一の通貨の外国株ならともかく、数十カ国に分散投資する投資信託やETFを保有している場合は、個人では為替ヘッジは困難を極めます。

将来的な移住や居住国分散

また、将来的に移住したり、終身旅行者(永遠の旅行者)ないしグローバル・ノマドになる予定であり、外貨建ての支払いが予定されている場合は、将来的に多額の外貨での支払いが必要になります。


終身旅行者PT

人生のバランスシートの負債側に外貨建て負債があるので、外貨での資産価値の変動が重要になってきます。

この場合は円ではなく、ドルなどの外貨ベースで統一させて国内外の株価変動のパフォーマンスを測るのがいいでしょう。

一時期は日本破綻が声高に叫ばれ海外移住も盛んになりましたが、ここに来て沈静化してきた雰囲気がありますね。

金利を極限まで低下させて「インフレ率>金利」の状態を作り出して、借金の実質価値を減らす金融抑圧がこれまでのところ見事なまでに成功しており、政府債務が徐々に安定化していく道も見えてきました。

黒田日銀の異次元緩和2(バズーカ2)の表と裏

日銀が半永久的に国債を買い入れ続けてインフレ率が上がり過ぎなかったら、無税国家までは行かなくても低税国家として運営することが可能になってしまいます。

将来的には第2次世界大戦後の米国のように、日銀が長期金利に上限を設けて無限買入を行うと宣言して国債管理政策を採れば、ハチャメチャな財政破綻はなさそうな気配も出てきています。後はインフレ率が上がり過ぎないでソフトランディングできるか否かですね。

海外旅行や留学の予定

例えば海外旅行が趣味で、年間1万ドルの費用が発生する場合や、家族が海外の大学やMBA等に留学することが予定されている場合などです。

このように多額の外貨建ての支払いが予定されている場合は、一定程度は当該外貨を確保しておくのもリスク・コントロールの観点では選択肢の一つです。

長期的には為替レートの変動は購買力平価の差(インフレ率格差)で調整されますけれども、数年スパンでは物価の変動以上に為替レートは大きく変動します。

2012年からは50%近く円安になっており、100%円建て資産だった日本人が海外に行くコストは上昇しています。物価による調整は追いついていません。

逆に外国人が日本に来るコストは下落しています。SIMフリーのiPhone6は中国で買うより日本で買う方が1万円以上も安くなっています。外国人旅行者が急増しており、インバウンド消費が盛り上がっていますね。

将来に一定の外貨の支払いが予定されている場合は、為替ヘッジの意味で外貨建て資産を確保しておく観点から、外貨建ての株価変動をチェックするというスタンスもあり得ます。

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