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ムーディーズが日本国債を格下げ!格下げ後の日経平均株価の推移を振り返る。

更新日: マーケット・経済の分析

森のなかの鉄道

大手格付け会社のムーディーズ(Moody's)が、日本の政府債務格付け(日本国債の格付け)をAa3(AA-)からA1(A+)へと1ノッチ(1段階)引き下げました。

格付けを受けた反応としては、日本国債先物は貫禄のほぼ無反応、日経平均先物は一時的に下落したものの反発して落ち着いた推移となり、ドル円は一時的に円高になり一旦戻して再度ジリジリ円高になっています。


格付会社が重視する指標では日本国債はどうしても悪く見えますが、世界的に稀な鉄壁の資金循環構造と日銀による財政ファイナンス・マネタイゼーションが債務消化を支えています。

財政赤字拡大が新しい貯蓄投資差額を生み出し、それが日本国債消化の原資に回るという完璧な構造がありますし、金利が上がったら日本国債を買いたい主体は山のようにいます。大々的な資本逃避が発生するとまずい事態となりますが、しばらくはまず問題ないでしょう。

将来的な外貨建て債務の持続性には懸念が大いにありますが、現時点では日本国政府は外貨建て債務が殆どありませんので、インフレ税で債務は解消可能です。東京オリンピック頃まで(2010年代)は深刻な問題は顕在化しないと思います。

ムーディーズのプレスリリースで興味深かったのは、「日本政府がどのような課題に直面している状況であれ、日本は極めて高い信用力を維持している。」という一文です。前文の主語は「日本政府」で、後段は「日本」が主語になっていますね。

過去のムーディーズの格下げ・格上げのタイミング(格付の推移)とその後の日経平均株価の推移を見てみましょう。赤い下向き矢印が格下げ、オレンジの上向き矢印が格上げです。

Moodyの格下げ・格上げのタイミングと日経平均株価の推移
(※楽天証券のマーケットスピード)

1998年11月の格下げ(Aaa→Aa1 ※AAA→AA+)はまさにその近辺が株価のボトムになり、ITバブルに向けて大きく株価が上昇しました。「格下げは株式の買い」が正解でした。

その後は2000年(Aa1→Aa2 ※AA+→AA)・2001年(Aa2→Aa3 ※AA→AA-)・2002年(Aa3→A2 ※AA-→A)と3年連続で格下げしました。この時期は確かに格下げと株価下落が重なっています。

その後、2007年(A2→A1 ※A→A+)・2008年(A1→Aa3 ※A+→AA-)・2009年(Aa3→Aa2 ※AA-→AA)と3年連続で格上げします。2007年は凄まじい程にムーディーズの格上げと同じタイミングで、日経平均株価が崩れ始めて長期下落トレンド入りしました。

2008年6月には少し日経平均が戻ったタイミングで格上げとなり、それから少したって再度下落に転じました。「格上げは売り」が正解でした。

2011年には再びAa2からAa3格下げしましたが、その後は日経平均は大きく戻しています。「格下げは買い」が望ましい行動でした。

以上のように、ムーディーズの格付けと日本株の株価はほとんど連動していません。格下げがあった場合は株価下落の可能性が高く、株式を売った方がいいというわけではありません。むしろムーディーズの逆張りをすると高リターンのことも多いです。

個人的には今回の格下げが株価に与える悪影響は一時的なものと思います。これで大きく崩れることがあれば、むしろ押し目買いの好機になると考えています。

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