投資本の神本はこれ!ゾーン「勝つ」相場心理学入門

更新日:   資産運用・マーケット・経済

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三宅太鼓

世の中には幾多の投資本が存在しています。デイトレ、スイングトレード、バリュー投資、グロース投資、インデックス投資など数多くの観点で描かれています。

その中でも普遍的に役立つ投資本の神本は、投資における心構えを熱く語った一冊、「ゾーン」です。「勝つ」相場心理学入門という副題がこの書籍の内容を適格に表現しています。

Kindleでこの本を読んだのですが、マーカーを塗るところが多くてまいりました。投資における心構えにおいて、神言が多数ありました。その中の一部をご紹介します。

以下、『』の中はゾーン ウィザード・ブックシリーズblankからの引用です。

自分を信頼し、自分のすべきことを躊躇なく実行する。これこそ成功するトレーダーだ。

マーケットの気まぐれな値動きを恐れず、不安を助長するような情報に気を取られるよりも、収益機会を伝える情報に神経を集中させる能力を身に着けている。』

常に相場は動くものですから、意味のない値動きに翻弄されるのではなく、本質的な要素を捉えることに注力したいところですね。

『注目すべきは、成功者が恐怖心や軽率さの悪影響をトレードからほぼ完全に取り除いている点だ。軽率なトレードと恐怖心によるミスの排除が、一貫した収益の達成を可能にしているのだ。

ほとんどの損失の原因が、浮かれているときの間違いや損失、軽率なトレードを犯す姿勢と信念にある。』

私はいつまで経っても直らないのですが、適当にポジションを取った時は負ける可能性が高いです。

理論的・統計的に期待値が高いことを確信しているトレードに徹しれば勝率は上がります。しかし、ポジポジ病の症候群に罹患することがあり、適当売買をしてしまうことがあります。

そうした売買はやはり負けることが多く、無駄に収益を削ってしまいます。そうした売買は遊びに範囲に止めて「ギャンブル」として楽しむようにしたいと思います。

『恐怖心がない状態は、無心の精神状態とも言える。それは多くのスポーツ選手が「ゾーン」と呼ぶ精神状態に似ている。今までにスポーツでゾーンを経験した機会があれば、完全に恐怖心のない精神状態がどのようなものであるか分かるはずだ。

ただ直感的に行動し、反応する。選択肢は検討しない。結果は気にしない。悩まない。ただその瞬間に「するだけ」なのだ。やるべきことを、そのとおりにやっているのである。

なぜなら損失はトレードの当然の結果であり、レストランのオーナーが食料品の購入にかける費用と同じようなものだからだ。

資金的にも感情的にも自分に不利な値動きの可能性を覚悟して、初めてリスクを完璧に許容したと言える。

こうした信念と予測であれば、姿勢は悪化せずに済むだろう。そして淡々と次のトレードへと進む。これこそトレードの信念と姿勢の理想形の一つである。』

このくだりは稲妻のような衝撃を受けました。やるべきことを淡々とやる、恐怖を感じず、たまたま上手く行かなかった結果には悩まずに次に進む、そういう心構えに100%なれたら理想的ですね。

なかなかこのような無水の心境、「ゾーン」の境地に到達したいけれども、できていない状態です。。

青空と雲

『往々にして、トレード機会における典型的なトレーダーのリスク認識は、直近二~三回のトレードの結果に影響を受ける(個人差はある)。

一方、最上級のトレーダーは、前回(あるいは直近の数回)のトレードの結果がマイナスであろうがプラスであろうが、影響を受けない。どのトレード機会でも、個人的な心理変化に影響を受けてリスクを認識することはない

そのとおりだと思います。私自身、EXCELのシートで示唆されている統計的優位性を信じ切り、ポジションを取らなければならないと考えています。

昨年はうまくいかない時期が続いた後、ポジションを少なめにしてしまったことがありました。そういう時に限って本来取るべきリスクテイクをしていたら爆益という結果に終わりました。

ゾーンが指摘している「たまたまの直近のトレード結果の悪影響」という陥穽に嵌まってしまいました。

『カジノ業者とプロのギャンブラーは、確率の本質をよく理解している。つまり、一つ一つのプレーが統計的にほかのものから独立しているという性質である。

個々のプレーが一個の事象であり、その結果は前回のプレーや次回のプレーとはランダムな関係にあるのだ。

個々のプレーに注目すれば、勝ち負けの分布はランダムで予測不可能である。しかしそのプレー回数が一定数に達すれば、そこから現れるパターンは一貫し、予測可能

統計的有意性ですね。これはあらゆる投資家が究極的にはその信念のもとで投資を行っているはずです。その心を忘れて直近の結果に左右されて、身持ちを崩すのは避けたいところです。

ミクロレベルでゲームの不確実性を信じ、同時にマクロレベルでゲームの予見性を信じる。カジノ業者とプロのギャンブラーは、この能力を有効的に用いて、自分の行為を成功させているのだ。

また各プレーの唯一性に対する信念は、各プレーの結果を予測しようという無駄な努力を防いでくれる。次に何が起こるか分からないという事実を理解し、完全に受け止められるからだ。

ここが重要だ。一貫した収益を残すために、次に何が起こるか知る必要はないのである。』

これはシステムトレーダーやEXCELに取り込んだデータに基いて裁量トレードをする投資家だけではなく、あらゆる投資家にとって、胸に刻んでおくべき言葉だと思います。

統計的有意性があり、期待値が高い手法があったとしても、その時その時の一時的な局面では当てはまらなくて損失や評価損が出る場合もあります。

トータルで勝てる手法であれば、その次の瞬間に対する短期的思考に囚われず、大局的な思考が重要ですね。

  1. トレードを仕掛ける前に、勝算が自分にあると知っている。
  2. トレードが機能していると判断するまで、いくら費やせるか知っている。
  3. そのトレードで利益を出すために、次に何が起こるか知る必要はないと知っている。
  4. 何事も起こり得ると知っている。

このような確信を持てる局面でのみトレードしたら、確実に勝率は上がっていくと思います。

『建玉を三等分(あるいは四等分)して、マーケットが自分の思惑どおりに動いているときに部分的に建玉を手仕舞う方法』

これは無難ですね。大底で買い、天井で売ろうとしても、なかなか上手くいきません。心理的に楽なのは、「頭と尻尾はくれてやれ」の精神で、分割して利益確定をしていくことだと思います。

軽く引用しただけでこのボリュームになってしまいました。ゾーンは一時的な損失で自分の信念が揺らいだ時は必ず読み返している本です。

留意点としては、初心者には向いていないかもしれない本です。抽象的である点、回りくどい点、読んだら直ぐに儲かる本ではない点がデメリットです。

投資を始めたばかりの方がこの本を読んだら、「高尚な能書きはわかった。で、勝つ具体的手法は何?それを知りたいんだ」という心境になる方が多い気がします。

ある程度投資のスタイルが固まった段階で、新しい境地、ネクストステージに進みたいという時に読むと、脳に青いイナズマが走るような良書です。

ゾーン — 相場心理学入門blank

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