今が良質の中古住宅を割安に買える最後の時期!?

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中古住宅

一戸建て住宅・マンションの資材価格の高騰が続いています。円安、アベノミクスによる公共事業の増加、オリンピック、大震災復興が重なって強力な上昇トレンドとなっています。

職人の人件費、鉄筋、トビなどが特に上昇しています。ピーク時に700万人近くいた建設業就業者数も、現在は500万人強とと約30%近い減少となっています。

特に技能工・建設作業者が不足しています。 新築の価格が上昇していくと、中古物件の需要が増加するでしょう。

特に消費税が10%になった後は、個人同士の売買なら物件価格には消費税がかからない中古住宅に人気が出るかもしれません。

実は、良質の中古住宅を割安に買うバリュー購入ができるのは、今が最後かもしれません。中古住宅市場をめぐる動向が大きく動き始めています。

中古不動産は非効率的。バリュー購入が可能

現状

現在の中古住宅流通市場においては、木造一戸建て住宅の価格形成に歪みがあることが多いです。

主要な判断基準は築年数であり、建物状態の良し悪しがほとんど考慮されていないのです。築20年から25年程度で、建物価格はゼロとみなされることが多いです。

特に一般的ではない癖のある構造になっていたり、介護用のリフォームがされていたりすると、敬遠する人が多いので、価格はダダ下がりとなりがちです。

田んぼの中の家

適切なメンテナンスで家は100年もつ!

一戸建て住宅の耐用年数は50年程度は十分にあり、適切にメンテナンスを続ければさらに長持ちして100年持つことも可能という見解が、不動産業界の中では多いです。

住宅の耐用年数は、住宅性能表示制度の劣化対策等級2と同等の住宅で50〜60年以上、同等級3に相当する住宅で75〜90年以上、長期優良住宅の認定基準の劣化対策を講じた住宅で少なくとも100年程度とされています。

バリュー購入が可能

中古住宅は、適切にメンテナンスされていて70年持つ!という物件も、表面だけはきれいにしてあるが目に見えていないところは腐食が進んでいる物件も、あまり建物の価格差はついていない状況です。

したがって、価格の割にはお得な物件を掴むことが可能です。建物価格が浮く分、利便性が高くて人気の立地に手が届く場合もあるでしょう。

築30年だけど状態は良好の一戸建てを、タダ同然でゲットできる場合も存在しています。

株式市場と比較すると、中古不動産市場は圧倒的に効率的ではなく、不合理な価格形成が多々あります。

建物について知識をつけて、知り合いに不動産に詳しい人がいたら相談したり、コンサル会社等の力を借りたりすることで、中古不動産を割安に買うというストラテジーも検討し得るでしょう。

専門家に建物の構造や設備にどんな欠陥があるのか調べる「ホームインスペクション」(住宅診断)というサービスがあります。

欧米の住宅売買では一般的な制度のようです。 ただし、リフォーム業者や保証なしの仲介会社の診断サービスには注意すべきでしょう。売買が成立しやすいよう評価を甘くする可能性があります。

一軒家

中古住宅市場活性化の方向性

国策

この中古住宅市場の歪みに変化が生じる可能性があります。国土交通省の「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル平成25年度報告書」、「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」が取りまとめられました。

日本の中古住宅が、築20~25年で価値がゼロとみなされて、家計のバランスシートに悪影響が出ている状況を改善することを目指しています。

「日本は高温多湿」等の事情はありますけれども、アメリカ等の先進国のように、価値が落ちにくい中古住宅市場があれば、家計に資産が蓄積して、消費や社会の流動性に好影響が出ます。

国内の住宅総数に占める空き家の割合は既に過去最高の13.5%となっています。少子化で人口は長期的に減少していく可能性が高く、今後も上昇していくでしょう。

そうした中では地価は都心部を除くと右肩上がりは難しい可能性があり、良質な中古住宅の価値を認めることで、住宅価格を維持することが国の政策となっています。

指針は、礎、躯体、内外装、設備などの部位を細分化し、部位ごとの特性や状態に応じた減価修正・再調達原価算出を施す方向性です。

つまり、同じ築年数の中古住宅でも、良い物件と悪い物件で価格差をつけて評価することになります。

もちろんこの方向性が実現するとは限りませんが、今後は今よりも建物の状態に忠実な価格形成が進行する可能性はあります。

住宅街

民間でも優良ストック住宅推進の取組み

大手ハウスメーカー10社が加盟する優良ストック住宅推進協議会が「スムストック」を展開しています。

加盟各社が建築した中古住宅を共通の査定方式で評価し、その査定価格に基づいて流通させる取り組みです。

優待族にはお馴染みの積水ハウスとミサワホームも加わっています。

建物の構造(スケルトン)と内装・設備(インフィル)を分けて査定し、スケルトン部分は償却期間を50年で査定するのが特徴です。

まとめ

日本政府の中古住宅市場活性化の取り組みの推進や、民間の優良ストック住宅推進の取組みが広がっていくと、徐々に優良な住宅が築年数が経っているという理由だけで割安に買える機会が減っていくかもしれません。

新築住宅・マンションで恩恵を受ける企業・人々の政治力はかなり強めのようなので、一気に進むのは難しいでしょうが、長い時間をかけて徐々に中古住宅に適正な価格がつく方向に行く可能性があると思います。

今はまだ中古住宅のバリュー購入が十分に可能です。ただし、それを成功させるには一定の知識と情報収集が必要でしょう。

高いお買い物なので、時間をかけて書籍やネットや対面での話で情報武装をして、良い買い物ができるようにするのが望ましいですね。

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