The Goal

某機関投資家で働く会社員のブログです。経済、資産運用、IPO、株主優待、保険、クレジットカードなどについて発信

【取扱注意】年利2.0~2.5%!PO投資まとめ

更新日: PO(公募増資・売出)

POについて解説のリクエストが度々ありましたので、高い勝率のPO投資の手法についてまとめます。

PO(公募・売出)とは、既上場企業が追加の資金調達や大株主の保有株売却などを目的として、公募株式(新たに発行する株式)や売出株式(既に発行された株式)を、市場価格からディスカウントした価格で投資家に売却することです。

参加手順は、ブックビルディング→購入申し込み→ 抽選であり、IPOとほぼ同じです。

ブックビルディング期間(この間に申し込み)→価格決定日(数日の幅があるがほとんど初日)→価格決定日の夕方~翌朝に当選連絡→購入申込期間→株券交付日(売却可能日)という流れです。

POはネット証券でも取り扱われていますが、大量当選は難しいため、店頭の大手証券会社(野村・大和・日興・みずほ・三菱)が基本となります。ただし、店頭証券との付き合いが煩わしい場合は、ネット証券でも可能です。


PO投資法

普通の投資

一般的にはPOに申し込んで当選したら、売却可能日までそのまま待ち、売却したりホールドするのが通常パターンです。

確かに価格決定日の終値から数%ディスカウントされた価格で購入手数料無料で株式を購入できます。しかし、株券交付日(売渡日)までは売却できないため、その間の株価下落によって損失を被る場合があります。逆に株価が上昇してウハウハの大儲けの場合もあります。

もちろん地合いが良い場合はオープンリーチで公募ロングするのもいいですけれども、価格決定日~売却可能日の株価変動にかかわらずリターンを得たいのが人情ですよね。そこでサヤ取りの登場となります。

サヤ取り

具体的には価格決定日の引け(終値)で信用売りすれば、POのディスカウント分の数%の利益が得られます。信用取引の手数料、PO株の売却時の手数料、税金は考慮する必要があります。

この手法は貸借銘柄で空売りが可能な銘柄である必要があります。価格決定日は数日間が設定されていますが、ほとんどは初日に決まります。

POに申し込む証券会社と空売りする証券会社は別にしましょう。中には法令上は全く問題ない価格決定後の空売りも禁止している証券会社もあります。ちょっと過剰反応の感がありますね。

もっとも、何株当選するかを予測する必要が生じます。証券会社の担当の方とのお付き合いによるやり取りによる微妙なニュアンスで、配分株数を予測している方もいるようです。

しかし、なかなか読み切るのは難しいので、POの当選株数を把握したあとで空売りすると確実です。この場合は、株価下落によって手数料負けしてしまうリスクはあります。

証券会社による安定操作取引が行われて、申込期間中に株価下落圧力がかかった場合は、ほぼ確実に証券会社が買い支えて募集価格は割れないようになります。

例えば、先月のユナイテッド・アーバン投資法人の例では、価格決定日は6月3日で募集価格は160,426円となりました。6月4~5日が申込期間であり、6月5日に安定操作が発動されて株価は買い支えられ、160,500円で防衛されました。

したがって、POの当選株数を把握したあと(価格決定後)の空売りでもキャピタルロスが生じることはありませんが、手数料分がマイナスになってしまう可能性はあります。

一定程度獲得できる自信があるならば、一定程度は価格決定日の引け近辺で空売りしておき、残りは当選株数確定後に空売りするという戦略もいいでしょう。

売却可能日にPOで当選した株式の売却と、空売りした株式の買い戻しを同じタイミング(寄りか引けの成り行き)で行います。

2011年の金融庁の新規制

平成23年12月に金融商品取引法施行令の一部を改正する政令が施行され、公募増資に関連する空売り規制が加わりました。

公募増資に関連する空売り規制の施行等について

上記リンク先の金融庁に掲載されている2つのPDF、「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令案新旧対照条文」、「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令及び金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」は絶対に熟読してください。

熟読したら「PO投資時にも空売りをしていい方法」が見えてきます。一例としては、近親者の口座や法人口座という存在が浮上するかもしれません。それ以外もあるでしょう。

これ以上具体的に書くと内務省検閲ゾーンに突入しますのでここまでとしますが、前述のPDFを読めば方法が見えると思います。ただしグレーゾーンの側面はあり、判例などがあるわけではありません。

POのサヤ取りのリスク

この手法は100戦100勝の不敗神ではなく、リスクがあります。

逆日歩

空売りには逆日歩発生のリスクが伴います。特に小型株や逆日歩がつきやすい銘柄(今年で言うとゼンショーなど)の場合は注意が必要です。

カブドットコム証券などの一般信用取引ですと逆日歩は発生しませんので、一般信用売が出来る場合は活用を検討しましょう。

売禁

売禁となり、空売りができなくなる場合があります。

そうなると、裸単騎のロングとなってしまい、株価上昇を祈るだけの状況に追い込まれてしまいます。

ザラ場引け・価格決定日のズレ

価格決定日の引けで売ろうとした場合、小型株の場合でザラ場引け(引けで約定できず、ザラ場でついた株価のまま取引が終了すること)となる場合があります。この場合は翌日に空売りしましょう。

ほとんどの場合は価格決定日は初日ですが、まれに2日目以降になる場合があります。初日の引けで空売りしていると、空振りになってしまい、翌日以降に株価が上昇すると損が出てしまいます。

結論

PO投資のサヤ取りは妙味がある投資法です。年利で換算すると、2.0~2.5%の達成は十分に可能です。

ただし、金融庁の規制を十二分に理解した上で取り組む必要があります。また、逆日歩・売禁などのリスクもあるので、できれば流動性が高い大型株がベストです。

先月は三井不動産がありましたが、ベストのPOでした。今月は第一生命がありますね!^^

昨年の春などのように地合いが良い場合は、PO株も発表後に一時的に下落するだけで、後は問答無用で上昇する場合もありますので、そういう場合は空売りせずにロングすることも検討できます。

「大手証券との取引は面倒、資金量が限定されている」という場合でも有効です。その場合はネット証券で申し込むことになります。ネット証券の場合は当選しない確率も高いので、価格決定日の空売りはせずに、当選が確定してからショートしましょう。

資金量が少ない場合は大きな利益を得るのは難しいですが、リートなどの当選しやすい大型IPOと合わせて、POサヤ取りをコツコツやっていけば、定期預金や個人向け国債を大きく上回る高利回りを達成することは可能です。

Adsense

Adsense

  • follow us in feedly

-PO(公募増資・売出)

Copyright© The Goal , 2017 All Rights Reserved.