海外旅行に行く際には、飛行機の「航空券」を買う場合が多いです。
航空券の種類は多種多様であり、インターネット時代には比較も容易になり、上手く工夫するとリーナブルなお値打ち価格でフライトできます。
ただ、安い航空券は様々な制約がついているケースが大多数であり、注意しなくてはいけない点も多いです。
航空券の内容、種類、フライト前の時間をくつろぐ際におすすめのラウンジについて徹底的に解説します。
目次
航空券の内容・種類
正規航空券
IATA(国際航空運送協会)が決めた価格の航空券です。利用する航空会社が自由で、予約便・経路・航空会社の変更も無料であり、キャンセル時の払い戻しも可能なタイプの航空券です。
エコノミークラス、プレミアムエコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスなどあらゆる種類のランクの航空券が揃っています。
料金は完全に同一となっており、オンシーズン(繁忙期)、オフシーズン(閑散期)の区分・時期によって価格が変化することはありません。
メリットは尾崎豊もビックリの絶大な自由があることであり、制約がほとんどなくキャンセル・変更も自由自在で、お金を払ったのに予定・都合が変化して無駄金になるリスクが低い点です。
デメリットは価格が非常に高い点です。法人・ビジネス用途ならともかくとして、プラチベートの海外旅行で正規航空券を購入する方はほとんどいないでしょう。
有効期限は1年間というのが原則となっています。
PEX(ペックス)航空券・正規割引航空券
PEX(ペックス)航空券とは、航空会社が独自に設定した正規割引運賃が適用されるチケットです。
エコノミークラス限定、日程・経路の変更が不可など一定の制約が付帯しているのがデメリットです。しかし、正規航空券に比べると価格が格段に安いのがメリットです。
制約条件は千差万別ですけれども、座席指定は可能で、各航空マイレージ・プログラムのマイルは70%〜100%程度つくことが多いです。
航空会社によって一定の条件をクリアすると提要される多様な割引があります。公式サイトでも旅行会社のサイトでも、チャネルを問わず価格は同一なのが原則です。
便名指定が確実にできて、座席を事前に指定できる確率も格安航空券より高いのがメリットです。
ピーク時の予約も取りやすく、キャンセル待ちが可能な場合は優先順位が高いのが特徴です。復路便の予約変更やキャンセルが可能な航空券もあります。
共同運航便の航空券なら行きと帰りで異なる航空会社を利用することも可能な場合があります。
日本国内の主要都市からは追加料金が不要だったり、少額の追加料金で利用できることが多く、地方在住者で新千歳、成田、中部、関空、福岡などにフライトする必要がある場合、お得になることもあります。
ほとんどの場合、航空会社のコンピュータ上で航空券を管理する「eチケット」(航空会社のコンピュータ上でチケット内容を管理するタイプで、紙のチケットは不要となる)なので、便利で安全。
PEX航空券には「ZONE PEX」(ゾーンペックス)、「APEX」(エイペックス or アペックス)とも呼びます)
ZONE PEX航空券
ZONE PEX(ゾーンペックス)は出発直前まで予約・購入が可能なタイプの航空券となります。
新幹線の切符を駅で買うの同じようなイメージのスタンダードなタイプで、一般的に正規航空券よりは価格が安くなっています。
APEX航空券
APEX(エイペックス/アペックス)は、予約期限・購入期限を設定して、ZONE PEXよりも更に厳しい制約を課して早期予約が必要な反面、料金が更に安くなるタイプの航空券です。
ZONE PEX航空券のうち、早期事前購入型で条件が増えるタイプの航空券です。自由度が低下する代わりに価格がリーズナブルなのがメリットです。
一般人の海外旅行では多く用いられるタイプの航空券です。イメージ的にはJALの「先得」、ANAの「旅割」と同じです。
事前に便名の指定が可能で、座席の指定も可能なタイプがあります。航空マイルも獲得でき、繁忙期の予約・キャンセル待ちの優先順位が格安航空券より高い傾向にあります。
格安航空券
いわゆるレガシーキャリアの航空券の種類で最も価格が安いことから、上手く活用すると海外旅行のコストを格段に抑えることができる航空券です。
飛行機のフライトにかかるコストは空席があってもなくてもほぼ同一です。したがって、空席が多いことは航空会社にとって致命的なダメージとなります。
したがって、空席率をできる限り低くして、満席に近い状況で運行するのがベストです。
そこで航空会社は過去の統計・データによる解析などに基づいて、自社販売での売れ残り防止や安定的な収入確保の観点で、大幅な割引を適用した団体運賃で大量の座席を旅行会社に販売しています。
旅行会社はそれをパッケージツアーに組み込んだり、格安航空券として個人に転売しています。
格安航空券は出発・帰国日時・便が決まっており、キャンセルも不可など制限が多い往復航空券がほとんどとなっています。仮にキャンセル可能な場合でも料金が高い傾向にあります。
事前の座席指定ができない場合が多く、子供料金の設定がない航空券が多く大人と同額になります。
ただし、中には片道航空券、有効期限が長い航空券、帰国便が変更可能な航空券なもあり、多種多様なラインナップが存在しています。
格安航空券というとエコノミークラス限定のイメージがありますが、中にはビジネスクラスの格安航空券も存在しています。
格安航空券で得られる航空マイルは50%以下のことが多く、1マイルさえも付与されないことも多々あります。
基本的には航空会社や旅行会社が売れ残り防止の在庫処分的な位置づけで不出している航空券なので、価格は時として戦慄的な安値のことがあります。
ただし、航空便の残席がほとんどない場合などは、出回らなかったり、仮にでたとしても価格は高めだったりします。
格安航空券は年がら年中決まった価格で買える訳ではなく、需要と供給によって時期によって同じ内容でもお値段が大きくブレます。
昔は正規割引航空券よりも格安航空券の方が安い傾向がありましたが、近年ではその差が縮まってきていると言われています。
LCC航空券
ここ数年で一気にブレイクしたのが「LCC」(ロー・コスト・キャリア)です。LCCの航空券は格安航空券の一部とみなすこともできますが、ここでは別建てでご紹介します。
LCCはサービスを省いて席を狭くするなどのコスト削減や、不便な時間帯のフライトや空港に限定するなどによって航空運賃を抑えています。
従来型のレガシーキャリアの格安航空券よりも安くなることもあります。ただし、LCCの運賃も繁忙度によって大きく揺れ動くため、繁忙期はあまり変わらないこともあります。
LCCの航空券は片道がベースとなっていることが多いのが特徴で、短所も存在しています。
主なデメリット
- クレジットカード決済や座席指定、荷物持ち込みなどに手数料が発生
- キャンセル・変更が発生した場合の手数料が高額になりがち
- キャンセル不可などの制約が付帯
数多くの航空会社があるので、航空券の価格を一つひとつ調査するのは面倒です。一括検索可能な比較サイト(エアトリ・TRAVELIST等)を利用すると便利です。
往復航空券には3種類
出発地と目的地を往復する往復航空券には3種類があり、それぞれ特徴があります。具体的には下表のとおりです。
種類 | 特徴 |
---|---|
OPEN (オープン) チケット | 出発前に帰国日を確定しなくてもよく、出発後に帰国日を変更することもできる航空券 例えば短期なら10日、長期なら1年など一定の有効期限あり(長いほど高価な傾向) |
FIX (フィックス) チケット | 出発前に利用する全便の予約が必要で、出発後には帰国日の変更が不可能な航空券 割安な往復航空券は大多数が該当 出発後の変更はルートの変更を含めて一切NGが原則なので、短期のプライベート旅行など、日程の変更が不要の場合に利用するのが無難 FIXチケットも有効期限が設けられているケースあり 例えば、20日間FIXなら予約時に出発日から20日以内に帰国日に設定する必要あり 3~20日間FIXの場合、出発から帰国まで最低で3日間(最長20日間)の滞在が必要 OPENチケットよりも価格が安いのがメリット |
FIX/OPEN (フィックスオープン) チケット | 事前に復路の予約が必要であるものの、日付変更が可能な航空券(手数料は発生) 航空会社によって、変更に際する変更代金、規定などがまちまちなので購入前の確認が無難 |
多くの方はできる限り安い格安航空券を求めていると思います。しかし、自分で膨大な数の航空券の組み合わせを調査するのは時間がかかります。
そこでおすすめなのは、最安値検索が可能な比較サイトです。一例としては、東証1部上場企業が運営するエアトリというサイトがあります。
また、東証プライム上場企業のオープンドアが運営しているトラベルコも有力な選択肢。航空券・ホテル・ツアー・レンタカー・FINAL CALL等を幅広く比較できます。
格安航空券・LCC・レガシーキャリアからホテルの予約まで幅広く抑えている「トラベリスト(TRAVELIST by CROOZ)」というサイトもあります。
海外旅行だけではなく、国内航空券も幅広くカバーしています。
「手軽」で「分かり易く」「簡単」に格安航空券の比較購入が可能で便利な比較サイトです。
航空券・ホテル・レンタカーを、世界の航空会社・旅行会社・ホテルなど約1200のウェブサイトから横断的に比較検索するスカイスキャナーも便利です。
航空券の比較に便利なサイトであり、ホテルの比較にも力を発揮しています。トラベルコにない料金がスカイスキャナーにはあるケースも存在しています。
その他、Google フライトも横断検索が可能。これらの比較サイトを上手に活用すると、より安い料金を発掘することが可能です。
航空券の予約手順
トラベルのおおまかな時期・期間が決まったら、すぐに航空券を手配するのが無難です。
年末年始、ゴールデンウイーク、夏休み(特にお盆)などの繁忙期は、特に席がなくなって価格が高騰する傾向にあるので、ご利用は計画的にできるだけ早めの予約が無難です。
航空券を予約する際には、オープンチケット以外は出発日と帰国日を入力ないし伝える必要があります。
海外旅行では大部分の方が日程固定のFIXで予約することが多いので、予め日程は固めておきましょう。
対面の旅行会社では第2希望、第3希望を聞かれることもあります。
マイルを貯めていたり上級会員に向けた修行の観点で、乗る航空会社が決まっている場合は、絞って検索しましょう。
特にこだわりがない場合は、価格、出発時間・到着時間、現地までのフライト時間、乗り継ぎの有無、乗り継ぎ地での待ち時間、機内サービス等を総合考慮しましょう。
私の経験則としては客観的に評価してCAの対応はJALとANAが抜群であり、日本企業らしいおもてなしの精神が存分に発揮されています。
外資系企業でエコノミークラスの席だと、バブル時代の銀行員のような対応を客にするCAも珍しくありません。
国際線のフライトでは、搭乗前にチェックインする際に航空券とパスポートのチェックを受けることになります。
航空券の名前とパスポートのスペルが異なると、いくら他の身分証明書などがあっても搭乗を拒否されるので注意しましょう。
昔はパスポートの表記はヘボン式で統一されていた時期もあります。現在は法律が改定されて、例えば大島という姓の場合、「OSHIMA」、「OHSHIMA」のどちらでも申請可能です。
航空券の予約時にパスポートと異なるアルファベットを入れることがないように、必ずパスポートと同じスペルを正確に伝えましょう。
結婚で姓が変わる時には注意が必要です。姓は変わっていても、パスポートの名前を変更せずに出発する場合、航空券も旧姓で予約する必要があります。
ペンネーム、芸名、屋号などをビジネスで利用している方は、航空券はパスポートと同じ名前で予約する必要があります。
予約が完了したら、予約確認のメールや書類が送られてくることが大多数です。名前のスペルなどデータに誤りがないかを十分確認しましょう。
座席がない場合はキャンセル待ちとなり、ウェイティングリストの優先順位に基づいて待つことも可能です。
旅行会社・団体ツアーが座席を大量に抑えていてその時点では満席であるものの、売れ残った座席が後日に航空会社に戻ることがあります。
予約が確定したら、旅行会社が指定した期日までに代金を支払うことになります。
現在は大多数の航空会社が紙ではなく電子のe航空券に移行しています。メールで予約番号等が送られてきます。
季節特性(シーズナリティ)
航空券は新幹線とは異なり、需要と供給のバランスで価格が揺れ動くのが特徴です。旅行者が多い時期には価格が高くなり、少ない時期には安くなるシーズナリティがあります。
日本で航空券が最も高くなるのは、年末年始、ゴールデンウイーク、夏休みのお盆時期あたりです。
このような大型連休の期間は、旅行者が集中するため、どのエリアも航空券が値上がりする傾向にあります。
例えば12月1日~12月5日と、12月30日~1月3日の価格を比較すると、後の方が倍以上に跳ね上がることも珍しくありません。
航空券の価格は細かく設定されているため、出発日を1日ずらすだけで大きく変化することがあります。中には数時間の違いでそこそこ変わるケースもあります。
価格は航空会社によって千差万別なので、価格が高めの場合は、面倒がらずにインターネットで複数の航空会社を調べるとのが無難です。
なお、安い航空券でも良いラウンジのサービスを利用すれば、快適なフライト・旅行が可能です。
空港ラウンジが利用できるサービスとしておすすめなのが「プライオリティ・パス」です。
世界中の148ヶ国、600を超える都市で1,400ヵ所以上の空港VIPラウンジが使い放題となります。
利用の航空会社や搭乗クラスに関わらず、いつでもVIPラウンジを利用できるのがメリットです。
LCCや格安航空券利用時でも、世界中の空港ラウンジを使い放題で流麗。1日に2回以上ラウンジを利用することも可能です。
利用の際にはラウンジの受付でプライオリティ・パスの会員カードと、当日の搭乗券または航空券を提示すればOKです。
軽食やアルコール類を含むドリンクを楽しみながら、居心地の良い空間で搭乗までの時間をゆったりと過ごすことが可能になります。
ハワイ、グアム、タイ、東南アジア諸国、台湾、香港など人気観光地の空港には、プライオリティ・パスで利用できる空港ラウンジが設置されています。
食事が充実しているラウンジもあり、朝食・昼食・夕食を済ませることも可能なところもあります。
海外では食事内容が豪華な空港ラウンジも利用でき、フライトまでの待ち時間が快適になります。
日本の近くですと、仁川国際空港のHUBラウンジ、香港国際空港のトラベラーズラウンジ、上海・浦東空港にあるVIPラウンジなどが豪華です。
グアム国際空港のSagan Bisitaは、多種多様なパン類、カップラーメン、シリアル類、おかゆ、チャーハン、焼きそば、ホットドック、サラダ、お菓子、ミニケーキ、ポップコーンなどが揃っています。
飲み物ではミネラルウォーター、コーラ・ペプシ・サンキストの各種ジュースだけではなく、バドワイザー、スーパードライ等のビール、洋酒(スピリッツ・リキュール)もあります。
公式サイトプライオリティ・パス 公式キャンペーン
なお、プライオリティ・パスのプレステージ会員を無料で使えるクレジットカードが存在しています。
通常は年会費469米ドルであるプレステージ会員が0円です。1ドル156.59円(2024/7/18時点)換算だと年会費73,440円が無料になります。
年会費10,000円(税抜)の楽天プレミアムカード、年200万円以上利用で年会費1万円+税のセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスなど、低コストのクレジットカードもあります。
日本においては有料で加入するよりも、クレジットカードの特典を使った方が低コストとなります。
航空券の見方
航空券でよく用いられる用語について、一覧表としてまとめました。
単語 | 意味 |
---|---|
ツーレターコード スリーレターコード | アルファベットや数字を組み合わせた2~3文字の航空会社の略称 |
トランジット | 乗り換えや経由のために一度空港に降りること 経由便の途中寄航地でも一度機内から出て待つのが通例 通常24時間以内の乗り継ぎ |
リコンファーム | 次に乗るフライトや帰国便の予約再確認 出発の72時間前までに実施する必要 手続きしないと席がキャンセルされてしまうことも 近年ではこの手続が不要の航空会社が増加 |
直行便 | ノンストップで目的地に到達 |
経由便 | 最終目的地まで便名は同じで途中で空港に立ち寄る航空便 |
乗り継ぎ便 | 途中どこかで乗り換えをし、便名も変わる航空便 |
OPEN(オープン)チケット | 有効期間内であれば日程を決めないで出発できる航空券 最高で1年間有効という、行く前に一応予約を入れておくが、現地で便を変更できるチケットもある。 |
FIX(フィックス)チケット | 出発前に全便の予約を確定しておく必要のある航空券 予約変更は不可 |
FIX/OPENチケット | 帰りの予約を事前に必要とし、現地での日付の変更は可能 航空会社によって変更の手数料・ルールがバラバラ |
ストップオーバー(途中降機) | 目的地までの途中、あるいは帰りに立ち寄った乗り継ぎ地で滞在 正確には24時間以上滞在すること |
オープンジョー | 行きの到着地と帰国便の出発地が違うタイプのフライト |
ハブ空港 | 国際線と国内線乗り継ぎができるなど、拠点となる空港 |
燃油サーチャージ (燃油特別付加運賃) | 燃油価格の一部を乗客が負担する追加的なコスト 金額はシンガポール・ケロシン市況のジェット燃料価格を基にして各航空会社が独自に決定 金額は2〜3か月ごとに見直される。 |
オーバーブッキング | 航空会社が座席数以上の予約を引き受けている状態 キャンセルが出ずに搭乗ができない場合もある。 統計的にほぼ確実に発生するキャンセル数の分、オーバーブッキングを行うのは日常茶飯事 予約管理が甘くてオーバーブッキングが多い航空会社も |
ミニマムスティ | 最少滞在日数 |
アドオン | 国際線利用時に適用される日本国内線の割引運賃 |
ISSUED BY | 利用する航空会社名 |
DATE OF ISSUE | 航空券が発券された日付が記入される。この日付がないと、航空券は無効になる。 |
CARRIER / FLIGHT | 航空会社名がキャリアコードで記されている。その隣の数字が便名。 |
CLASS / DATE / TIME | 座席のクラス名は航空会社によってまちまち 一例としては、エコノミーはM、Y、W、ビジネスはC、J、ファーストはF、Pなど |
NAME OF PASSENGER | 搭乗者の氏名が記されている。パスポートの記載と同一でないと搭乗不可に |
FROM / TO | 出発地と到着地 |
RES.(予約状況) | OKは予約済み、RQはリクエスト、OPはオープン OKの場合に搭乗可能 |
RESTRICTIONS | 利用条件 |
ALLOW | 無料で機内に預けられる荷物の重量(kg) |
DOCUMENT NUMBER | 航空券番号。記録していると航空券を紛失した場合の再発行がスムーズ |
TAX | 出国税、税関使用料、空港利用税など |
オープンジョーや変則的な予約を駆使
航空券の予約では「オープンジョ―」を活用すると、時としてお値打な価格での旅行が可能になります。
オープンジョーとは複数都市をまわる旅行形態で、行きの到着空港と帰りの出発空港が異なるなど、出発地から最終目的地までの旅程がひと続きになっていない航空券です。
イメージ的には「周遊」です。途中の都市間の移動には飛行機以外の交通手段を利用したり、あるいは別の航空券を別途調達して組み込んだりします。例えば以下のとおりです。
- 日本(飛行機)→イタリア(電車)→スペイン(飛行機)→日本
- 日本(飛行機)→香港(フェリー)→マカオ(飛行機)→日本
やや変則的な例としては、日本の成田空港→(飛行機)→グアム(飛行機)→日本の関空といったルートもオープンジョーです。
マイルや上級会員資格のためのポイントの獲得数が多い、価格がなぜか安い等の理由から、時間面が許容できる場合は、このようなプランを組み入れることも可能です。
格安航空券で周遊する場合、あらゆる区間の移動をすべて同一の航空会社を利用する場合が多いです。
特にヨーロッパは高速鉄道で複数国を容易・短時間で移動できるため、オープンジョーを利用することで様々な旅のプランを組み立てられます。
変則的な予約が有効なこともあります。例えば日本からニューヨークに行きたい場合、普通は日本国内の空港→ニューヨークの航空券を取りますよね。
しかし、時として韓国→ニューヨークの航空券がバーゲンセールや空席が多いなどの理由から、大幅に安いこと等があります。
時間が余分にかかることがOKの場合、日本→韓国→ニューヨークという形で組み立てた方が大幅に安くなることがあります。
特にゴールデンウィークなど日本固有の祝日の場合は、日本発の航空券は高騰していて、近隣諸国発の航空券は平常通りというケースがあります。
価格が跳ね上がる前日に日本から近隣諸国にフライトして、そこから本来の目的地に行くという方法があります。手間を許容できる場合は、こうした工夫も一考です。
格安の往復航空券で片道のみ利用はNGのことが多い
格安航空券の中でも特に安い航空券はFIXタイプが多いです。これは往復利用することが前提となっているため、基本的に片道のみで利用することはできません。
もともと格安航空券は航空会社が団体ツアー専用のディスカウントで旅行会社へ販売した航空券なので、「往復利用」が必須条件となっています。
「事前に航空会社の承認を得ることなく片道のみ使用した場合、航空会社から片道普通航空運賃、または当該航空券の公示運賃(往復)との差額を支払う必要がある」旨の規約になっている事が多いです。
格安往復航空券を購入して行きを使わずに帰りのみ使うこともできない場合がほとんどです。
行きの航空券を利用しないと帰りの予約が自動的にキャンセルされる取扱いになっていることが多いです。
マイル・特典航空券を活用するとお得にフライト可能
旅行好きの多くが会員となっているマイレージ・プログラムがあります。上手く活用すると家計に絶大なメリットがあり、ファンが多い制度です。
一例は以下のとおりです。カッコ内は各マイルが貯まるクレジットカードです。
- JAL:JALマイレージバンク(JALカード)
- ANA:ANAマイレージクラブ(ANAカード)
- デルタ航空:デルタスカイクラブ(デルタ航空クレジットカード)
- ユナイテッド航空:マイレージプラス(マイレージプラスカード)
航空会社が顧客囲い込みの一貫として実施しているサービスで、飛行機を利用するごとに航空券の種別・飛距離・料金などに応じてマイルが貯まります。
貯めたマイルは無料航空券、電子クーポン、航空券購入の料金への充当、他の共通ポイントや商品への交換が可能です。
マイルは価値にレバレッジがかかるのが魅力的です。特典航空券へ交換すると、1ポイントの価値が数円に昇華します(JALマイルの価値・ANAマイルの価値)。
国内線特典航空券で利用すると1マイルの価値が1.5円~2円程度、国際線のビジネスクラスだと1マイル2.5~5円程度、ファーストクラスなら7~16円程度に跳ね上がります。
JALの場合は国内線でも1マイル3円以上の価値になる制度もあります。
JAL国際線 特典航空券PLUS、JALグループ国内線 いつでも特典航空券を使うと、基本の枠が埋まっている繁忙期でも基本マイルに追加マイルを上乗せすることでフライト可能です。
特典航空券への交換で必要なマイル数は、航空会社によって目的地ごとに異なります。
1マイル単位で細かく使えるマイルもあります。一例としてANAマイルは、1マイルからANA SKYコインに交換できます。
ANA SKY コインは、ANAホームページで航空券や旅行商品の支払いに1コイン1円で利用できる電子クーポンです。
2018年11月1日からは、ANAマイルは1マイル1円単位で、ネット通販の「ANAショッピング A-style」で使えるようになりました。ANAオリジナルアロマ、ファーストクラス・ビジネスクラス搭載ワイン等が魅力的です。
なお、マイルを利用した特典航空券を使用した際、「空港施設利用料」は別途支払う必要があります。
燃油サーチャージについては、ほとんどの航空会社では別途燃油サーチャージを支払う必要があります。
ただし、自社便を利用した際と提携航空会社を利用した際では異なる場合があり、提携便だと燃油サーチャージが不要というケースもあります。
ANAは自社便・提携航空会社便のいずれも原則として燃油サーチャージが必要となり、路線によって料金が異なります。
JALは自社便が必要であり、一部の提携航空会社便はサーチャージがありません。
空港での待ち時間はラウンジが便利
国際線のフライトは、飛行機に乗るまでに諸々の手続きが必要で時間がかかります。
したがって、万が一にも乗り遅れることがないように、登場日は空港に早めに行くのが鉄則です。
空港ターミナルが広くて、チェックインカウンターから搭乗ゲートまでの距離が長く、飛行機に辿り着くまで時間がかかる成田空港・関西空港では、出発の2時間くらい前に着くのが無難です。
チェックインから飛行機までの距離が短い空港では、出発の1時間半前くらいに着けば十分に間に合います。
ただし、出発便が集中する深夜0時前後で繁忙期には、保安検査で長蛇の列ができる場合もあります。
車の場合は事故等による渋滞、電車の場合も遅延リスクがあるので、2時間前くらいに着くように出るのが無難であることは確かです。
また、座席指定が不可能な格安航空券の場合は、早めにチェックインをすることで希望の座席を確保できる可能性が高くなります。このような場合は早めに行くストラテジーが有効です。
空港での待ち時間を便利で快適なものにするのが空港ラウンジです。
軽食やアルコール類を含むドリンクを楽しみながら、居心地の良い空間で搭乗までの時間をゆったりと過ごすことが可能になります。
搭乗までの時間に余裕がある場合は、ラウンジに併設されたスパにて身も心もリフレッシュすることも可能です。
一例として中部国際空港セントレアでは、レストラン、温浴施設もプライオリティパスにて無料で楽しめます。
オプショナルのサービスや施設利用料は有料となる場合があり、これらはラウンジ運営者の自由裁量にて提供されています。このような場合は直接ラウンジで代金を支払う形式となります。
クレジットカードのゴールドカードでは国内の空港ラウンジは利用可能ですけれども、海外はハワイや韓国などごく一部のみしか利用できないカードが大多数です。
そこで便利なのが「プライオリティ・パス」です。世界中の148ヶ国、600を超える都市で1,400ヵ所以上の空港VIPラウンジが使い放題となります。
利用の航空会社や搭乗クラスに関わらず、いつでもVIPラウンジを利用できるのがメリットです。
LCCや格安航空券利用時でも、世界中の空港ラウンジを使い放題で流麗。1日に2回以上ラウンジを利用することも可能です。
利用の際にはラウンジの受付でプライオリティ・パスの会員カードと、当日の搭乗券または航空券を提示すればOKです。
軽食やアルコール類を含むドリンクを楽しみながら、居心地の良い空間で搭乗までの時間をゆったりと過ごすことが可能になります。
食事が充実しているラウンジもあり、朝食・昼食・夕食を済ませることも可能なところもあります。
搭乗までの時間に余裕がある場合は、ラウンジに併設されたスパにて身も心もリフレッシュすることも可能です。
一例として中部国際空港セントレアでは、レストラン、温浴施設もプライオリティパスにて無料で楽しめます。
オプショナルのサービスや施設利用料は有料となる場合があり、これらはラウンジ運営者の自由裁量にて提供されています。このような場合は直接ラウンジで代金を支払う形式となります。
多くのラウンジでは無料Wi-Fiインターネット接続が用意されています。情報収集がはかどります。
安心してサービスを利用できるように、プライオリティ・パスでは、会員サービスチームのベテラン多言語スタッフが24時間・年中無休で顧客をサポートしています。
もちろん、日本語もサポートされており、スタッフとのやり取りは日本語で行うことができます。
ラウンジを利用する際には、受付で会員証を提示するだけでOKです。事前予約の必要はありません。
カードタイプの他、スマホの普及に伴って、「デジタル会員カード」が使える新しいアプリがリリースされました。
プライオリティ・パスが提供しているラウンジはほぼ全てがデジタル会員証に対応しています。
申し込み直後からラウンジを利用できます。会員証の原本が届くまでの期間は、スマホアプリまたはウェブサイトの「マイ・アカウント」にあるデジタル会員証(QRコード)を利用すればOKです。
iPhoneならWalletアプリに追加することも可能です。
プライオリティ・パスの利用には年会費が発生します。初年度は10%OFFとなります。
公式サイトプライオリティ・パス 公式キャンペーン
なお、プライオリティ・パスのプレステージ会員を無料で使えるクレジットカードが存在しています。
通常は年会費469米ドルであるプレステージ会員が0円です。1ドル156.59円(2024/7/18時点)換算だと年会費73,440円が無料になります。
年会費10,000円(税抜)の楽天プレミアムカード、年200万円以上利用で年会費1万円+税のセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスなど、低コストのクレジットカードもあります。
日本においては有料で加入するよりも、クレジットカードの特典を使った方が低コストとなります。