三井住友カードのマイ・ペイすリボには、良い評判と悪い評判があります。設定するかどうか迷っている方もいらっしゃるでしょう。
上手く活用すると年会費割引&ポイントUPという特典を受けられますが、高額のリボ金利手数料が発生するリスクがあるので、注意が必要な制度です。
事前にデメリットについては正確に把握しておくことが重要となります。そこで三井住友カードのマイ・ペイすリボの短所・注意点について、注意点を網羅してわかりやすく徹底的に解説します。
目次
キャンセルの返金が生じた場合は100円の残高で手数料が発生しないケースあり
前提として「マイ・ペイすリボって何?」という方は以下をご参照ください。

マイ・ペイすリボでのポイントUPを狙う場合、必ず1円のリボ手数料が発生するように、マイ・ペイすリボの残高を調整する必要があります。
三井住友カードのリボ手数料は、「未決済残高(付利単位100円)」に対して100円単位で計算されて、99円以下は切り捨てられます。
例えばリボ残高が777円だとすると、700円に対してリボ手数料が発生します。
三井住友VISAカード・ANA VISAカードのリボ払いの金利は15%であり、僅かなリボ手数料を発生させるためには、初回は以下の残高が必要です。
ケース | 支払日 | 手数料 の日数 | 必要な残高 |
---|---|---|---|
多くの場合 | 10日 | 5日間 | 500円以上 |
10日が日曜日 | 11日 | 4日間 | 700円以上 |
10日が土曜日 | 12日 | 3日間 | 900円以上 |
・10日が土曜日 ・12日が祝日 | 13日 | 2日間 | 1,300円以上 |
・10日が土曜日 ・12~13日が祝 | 14日 | 1日間 | 2,500円以上 |
計算が面倒な場合、初回は2,500円以上の残高を残せば確実に金利手数料が発生します。
2回目以降のリボ払いにおいては、原則として100円以上の残高があればリボ手数料が発生します。そのように支払額を調整しましょう。
ただし、まれに100円以上の残高を残しているのに、マイ・ペイすリボの手数料が発生せず、ポイントUPを受けられないケースが存在しています。
私だけではなく、同様の現象が発生する方が多数いらっしゃいました。
なぜかリボ手数料が発生しない事例について多方面から分析したところ、どうもキャンセルが生じて返金があった際に、マイ・ペイすリボの手数料が0円になる事例が目立ちました。
カード利用明細に「返品」とマイナスの金額がある場合は要注意です。
キャンセルされた金額については、リボ払いの扱いになるので、翌月分のリボ払い残高から返品額が差し引かれます(残高より返品額が多ければリボ払い残高0に)。
返品があったらリボ払い分割デスクに電話して、返品分をリボ払いから1回払いへの変更を依頼すると、100円の残高を残しているのにリボ手数料が発生しない事態を回避できます。
実際にキャンセル分を1回払いに変更しなかった時は、リボ手数料が発生しませんでしたが、変更したらしっかりと手数料が発生しました。
キャンペーンのキャッシュバックが生じた場合はリボ残高の勘違いに注意
マイ・ペイすリボの毎月の支払金額(設定額)を少額にしておき、実際の利用金額に応じて繰り上げ返済する場合、臨時増額漏れのリスクに注意が必要です。
キャンペーンのキャッシュバック、数多くのキャンセル、通常利用がごちゃまぜになり、結果的に請求額が9,800円という月がありました。
キャンセルによる返金が多数あったので、「マイ・ペイすリボの残高が9,800円で、ゴールドカードの最低支払額の1万円に満たず、手続きは不要(ポイントUPはなし)」と勘違いしてしまいました。
支払額が9,800円という中途半端な数字だったのは、200円のキャッシュバックがあったからです。こうした場合に残高が9,800円と勘違いしてはなりません。
実際のマイ・ペイすリボ残高は24,060円だったので、無駄な手数料が発生しまう結果に。気がついたのは2ヶ月後であり、180円というリボ手数料が発生。痛恨のミスです。
たまたま利用額が少なかったので、事なきを得ましたが、残高が10数万だった場合は、まとまったリボ手数料が発生していました。
このような勘違いを避けるためには、利用明細の雰囲気で判断せず、必ず毎月マイ・ペイすリボお支払い金額変更(増額を申し込む)の手続きを行うようにしましょう。
残高が一般カード5,000円・ゴールドカード以上10,000円以下の場合は増額できず無駄手間になりますが、増額の申請漏れという事態は避けられます。
支払額の増額を忘れてしまうと高コスト
マイ・ペイすリボの最大のデメリットは、利用残高に対して高額の金利手数料が発生してしまう点です。
年利15%なので、未払い残高に対して1ヶ月あたり約1.25%程度の金利手数料が発生します(初回のみ5日分前後)。
マイ・ペイすリボの残高 | 1ヶ月間のリボ手数料 |
---|---|
50,000円 | 625円 |
100,000円 | 1,250円 |
150,000円 | 1,875円 |
200,000円 | 2,500円 |
250,000円 | 3,125円 |
300,000円 | 3,750円 |
350,000円 | 4,375円 |
400,000円 | 5,000円 |
450,000円 | 5,625円 |
500,000円 | 6,250円 |
したがって、マイ・ペイすリボを使う場合は、できる限り毎月の請求額の少し下回る金額になるように、忘れずに繰り上げ返済の手続きを行いましょう。
こうすれば低いコストで年会費の割引、ポイント2倍のベネフィットを享受できます。
請求額が確定するとメールで通知されるように設定できるので、設定しておくとうっかり忘れるリスクが低下して無難です。
メールが届いたら、マイ・ペイすリボの金額を変更するようにすると、忘れることなくサクッと手続きできます。
マイ・ペイすリボの設定額を初期設定のままにしておき、7万円や15万円といった金額を使うと、リボ残高が雪だるま式に膨らんでいき、高額のリボ手数料が発生してしまいます。
このような事態には陥らないように注意しましょう。
- 残高を気にせず利用:リボ残高が膨らんで期間。最悪では自己破産や任意整理のリスクも
- お金に余裕がある時に最優先で繰り上げ返済しつつ利用:トラブルは回避できる傾向
- 最低限の手数料が発生するように毎月の支払額を調整:ベスト!1回払いよりお得に
なお、どうしても自動リボ払いを使う必要がある場合、おすすめのリボ専用カードである「三井住友カード RevoStyle」がおすすめです。リボ払いの金利手数料が低いので、低コストになります。

三井住友カードの入会キャンペーンはRevoStyleも対象となっています。
公式サイト三井住友カード RevoStyleカード 公式キャンペーン
支払額の減額を忘れるとポイントUP&年会費の割引なし
マイ・ペイすリボの活用方法には、以下2つの選択肢があります。
- マイ・ペイすリボの設定金額は低めに設定→毎月、支払額の一時増額
- マイ・ペイすリボの設定金額=利用限度額に設定→毎月、支払額の一時減額
マイ・ペイすリボの毎月の支払金額は初期設定のまま(5千円や1万円など)にしておき、毎月臨時増額するのが最も低コストとなります。
会員サイトで1,000円単位で増枠できるからです。マイ・ペイすリボの基本支払額を、毎月必ず利用する金額より少し低めに設定しておくのも選択肢です。
ただし、万が一、支払額の臨時増額を忘れてしまうと高額のリボ手数料が発生して大打撃となります。
したがって、逆に利用限度額=毎月の支払額と設定しておき、次回の支払い分を臨時減額して少額の手数料を発生させるのも有力な選択肢です。
- マイ・ペイすリボの基本支払額=利用限度額に設定
- 月1回、毎月の請求額を少し下回る金額に臨時減額
臨時減額の方は1万円単位となるので、1,000円単位の臨時増額より端数の残高が残るリスクが高まります。最大で9,999円の端数が発生。
ただし、手続きを忘れた場合にリボ金利手数料が発生するリスクはなくなります。
最大9,999円の残高が残り、毎月のコストは高まっても、リスクをゼロにしたい方におすすめです。
なお、ネットではなく、コールセンターに電話した場合は細かい金額に臨時減額できます。ただし、毎月、電話する手間が発生する点に注意が必要です。
「マイ・ペイすリボの基本支払額=利用限度額」に設定した場合、月1回の臨時減額を忘れると、ポイントUPの特典を受けられないのが短所です。
一部の三井住友カードは年会費割引・ポイントUPの対象外
マイ・ペイすリボの2大メリットである年会費割引・ポイント+1倍は、それぞれ対象外のクレジットカードが存在しています。
対象外のカードで一生懸命マイ・ペイすリボを使っても、何も意味がないので注意しましょう。
代表的な対象外のクレジットカードは下表のとおりです。
カード名 | 年会費割引 | ポイントUP |
---|---|---|
三井住友カード デビュープラス | × (年1回利用で無料) | ◯ |
三井住友カード プラチナプリファード | × | ◯ |
三井住友カード プラチナ | × | ◯ |
ANA VISA プラチナ プレミアムカード | × | ◯ |
ANA VISA プラチナ プレミアム SFC | × | ◯ |
支払い方法を選べない
常にリボ払いではなく、「必要な時だけリボ払いにしたい」という方には、マイ・ペイすリボは不向きです。
「この支払いは1回払い、高額の支払いはリボ払い」といった使い分けが不可能になるからです。
- 通常:1回払い、リボ払い、分割払い、ボーナス払いから自由に選択可能
- マイ・ペイすリボ設定時:どこの店舗で利用しても自動的にすべてリボ払いに転換
したがって、その都度支払い方法を選びたいという方の場合、マイ・ペイすリボは使わずに、利用したい時だけリボ払いにするのがおすすめです。
デメリットがあるので使わない方がいいの?
インターネットには、年会費優遇やポイントが2倍につられてマイ・ペイすリボを利用するのはNGという評判・口コミもあります。
絶対にリボ手数料を発生させないという安全第一でいくならば、確かに利用しないのが無難です。
しかし、ゴールドカードの場合は5,000円という大きな金額の割引を受けられますし、ポイント2倍(Vポイント0.5%もしくはANAマイル0.3%)は大きなメリットです。
ANAスーパーフライヤーズ加入のためのSFCは年会費が高額ですが、ANA VISAカード、ANA Mastercardなら低コストで維持できます。
年会費割引のためには年1回、ポイントUPのためには月1回の手続きを行って、マイ・ペイすリボの残高を少なくできる管理が可能なら、むしろ利用しないのは機会損失でもったいないです。
- 年1回もしくは月1回の作業OK→マイ・ペイすリボの利用がおすすめ
- 年1回もしくは月1回の作業NG→マイ・ペイすリボは使わない方がベター
なお、ANAカードではなく、シグネチャーの三井住友カードシリーズの場合、ポイント2倍になってもポイント還元率は1%にとどまります。
年会費無料カードで1.2%のリクルートカードの方がより高還元です。

まとめ
三井住友カードのマイ・ペイすリボには、年会費の割引・ポイントUPなどのメリットがある反面、自動リボ払い特有のデメリットが存在しています。
主なデメリット
- キャンセルの返金が生じた場合は100円の残高で手数料が発生しないケースあり
- キャンセル・キャンペーンのキャッシュバックが生じた場合はリボ残高の勘違いに注意
- 支払額の増額を忘れてしまうと高コスト(年率15%)
- 支払額の減額を忘れるとポイントUP&年会費の割引なし
- 支払い方法を選べなくなる
上手く活用すると年会費割引&ポイントUPという特典を受けられますが、高額のリボ金利手数料が発生するリスクがあります。
おすすめの戦略
- どうしてもリボ払いを利用する必要があり→三井住友カード RevoStyleを利用し、できる限り繰り上げ返済
- 不足のリボ手数料発生のリスクをゼロにしたい→利用限度額=マイ・ペイすリボの基本利用額と設定し、適宜、臨時減額を実施
- リボ手数料を最小限にして得したい→マイ・ペイすリボの基本利用額を抑えて、適宜、臨時増額を実施
ローリスクで運用したい場合、三井住友カードが届いたら、まず会員サイト「Vpass」において、マイ・ペイすリボの毎月支払い額を限度額と同額に設定しましょう。
そして月1回もしくは年1回、利用金額を確認して臨時減額の手続きを行えば、ローコストで年会割引&ポイント2倍を受け取れます。
コストを極小化する場合は、マイ・ペイすリボの毎月支払額は低めに設定しておき、臨時増額申請しましょう。
具体的な手続きの手順については、以下で詳細に解説しています。

マイ・ペイすリボは毒にも薬にもなる制度であり、上手く活用していくとライフハックに直結します。
ただし、うっかりミスってしまうと、高額のリボ手数料が発生する点に大いなる注意が必要です。
三井住友カードは1967年12月から50年以上の歴史があり、日本のクレジットカードのパイオニア的存在です。
アイコンである「三井住友カードシリーズ」は、ユーザーニーズに応じて多種多様なラインナップが発行されており、好みに応じて選択できます。
ANAマイルを貯めている方ですと、ANA VISAカード、ANA Mastercardが選択肢です。
幾多の航空系カードの中でも、マイルが貯まりやすいクレジットカードの一角で、コストパフォーマンスは優れています。
カード名 | 年会費 ※割引適用後 |
---|---|
OLIVE | 永年無料~3.3万円(税込) |
三井住友カード(NL) | 永年無料 |
三井住友カード RevoStyle | 永年無料 |
三井住友カード ゴールド(NL) | 年100万利用で永年無料 (※) |
三井住友カード ゴールド | 4,400円(税込)で維持可 |
三井住友カード プラチナプリファード | 33,000円(税込) |
三井住友カード プラチナ | 55,000円(税込) |
三井住友ビジネスカード for Owners | 無料~55,000円(税込) |
ANA VISA/マスター一般カード | 1,025円(税抜)で維持可 |
ANA VISA Suicaカード | 751円(税抜)で維持可 |
ANA 東急カード | 751円(税抜)で維持可 |
ANA VISA nimocaカード | 751円(税抜)で維持可 |
ANA VISA/マスターワイドカード | 6,750円(税抜)で維持可 |
ANA VISA/マスターワイドゴールドカード | 9,500円(税抜)で維持可 |
ANA VISA プラチナ プレミアムカード | 80,000円(税抜) |
※年間100万円利用の対象取引や算定期間等の実際の適用条件などの詳細は、三井住友カードのホームページを必ずご確認ください。
※おすすめは、年会費無料カードの三井住友カード(NL)。Visaのタッチ決済・Mastercardコンタクトレスのスマホタッチ決済なら、セブンイレブン・ローソン・マクドナルド等で最大7%還元
その他、多種多様な提携カードが発行されています。
代表例
- Amazonカード
- Visa LINE Pay クレジットカード
- ピーチカード
- ソラシドエアカード
- AIR DOカード
- ベトナムエアラインズカード
- 大丸松坂屋お得意様ゴールドカード
- One Harmony VISAカード
- 阪急阪神第一ホテルグループSTACIA PiTaPa VISAカード
- ザ・リッツ・カールトン大阪VISAカード
- アリタリアVISAカード
- クリスフライヤーVISAカード
- ハワイアンエアラインズVISAカード
- フライング・ブルーVISAカード
- ロイヤルオーキッドプラスVISAカード
- BLUE ROSE CARD
- PRESTIA Visa GOLD CARD、PRESTIA Visa PLATINUM CARD