松井証券が2018年10月20日より日本株の「貸株」を開始します。保有している株式を松井証券に貸し出すことで、貸株金利を受け取れるのがメリットです。
他の大手ネット証券では取扱があるサービスでした。この度松井証券で貸株サービスが導入されたことによって、同社での取引がますます便利になります。
松井証券の貸株のメリット、デメリットについてまとめます。
公式サイト松井証券 公式キャンペーン
メリット
松井証券の貸株サービスでは、最低で0.2%の金利を受け取れます。1.0%以上と貸株金利が高い「高金利銘柄」も存在しています。
SBI証券、楽天証券、三菱UFJ eスマート証券、マネックス証券、GMOクリック証券の貸株金利は最低0.1%というネット証券が多いので、松井証券はその2倍とファンタスティックです。
松井証券で取扱いがある株式はほぼすべてを貸し出すことができます。貸株金利は原則として毎週更新されます。
他社と同様に「株主優待・配当金の自動取得サービス」が提供されており、株主優待・配当金の受け取りが可能です。
- 貸株金利優先:貸株金利の取得を優先し、権利確定日も貸し出しを継続(配当金は貸株配当金相当額(配当金から所得税15.315%を除いた84.685%分)
- 株主優待優先:株主優待がある銘柄の場合のみ、権利確定日に全数量を一旦返却(株主優待がない銘柄の場合は貸し出しを継続)
- 権利取得優先:株主優待がない銘柄であっても、権利確定日に全数量を一旦返却
株主優待を受け取る設定にすると、権利確定日だけ一時的に返却されます。その期間は貸株金利を受け取れません。
貸株金利は銘柄ごとに日々計算を行い、翌月の第1営業日にまとめて入金されます。
金利計算は、受渡が完了している数量が対象となります。
具体的には「受渡ベースの貸出数量 × 当日の評価額 × 銘柄ごとの金利 ÷ 365」の計算式で貸株金利が日々計算されます(小数第3位を四捨五入)。
そして、月次で日々の計算結果を合計して、1円未満を切り捨てた金額が入金されます。
松井証券の場合、貸株中の株式はいつでも売却が可能です。面倒な貸株解除の手続きは必要ないため、売ろうと思ったら普通に売ればOKです。
ネットストック会員画面の「口座管理」→「各種口座開設状況」から貸株口座を開設すれば、貸株サービスを利用可能になります。
新規買付時の自動貸出設定、保有銘柄一括設定もできるようになると便利です。今後の動向に注目します。
デメリット
貸株のデメリットとしては、信用リスク、配当金相当額の税制、隠れ優待などが取得できない場合があること、長期保有の条件が充足できない場合があること、信用口座開設時は利用できないことです。
信用リスク
万が一、松井証券の破綻した時は貸し出した株式がパーになるリスクがあります。
また、松井証券が貸株で借りた株を貸し出した機関投資家等が破綻した場合、松井証券が株券を調達して返却できなかった場合など、貸し出した株券が戻って来ないリスクがあります。
貸株で貸し付けた株券等は、証券会社が自社の資産と区別して管理する分別保管の対象とはならず、投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
信用リスクに関しては、ネット証券No.1の格付け(A+)で三菱UFJフィナンシャルグループの三菱UFJ eスマート証券が最も低リスクだと考えます。
カブコムは貸出先から担保を確保しており、貸出先が破綻してしまい株式が返却されない場合には、三菱UFJ eスマート証券が担保で株式を調達して返却してくれます。
配当金相当額の税制
貸株に出している株式の権利確定日を通過した場合、もらえるのは配当ではなく、「配当金相当額」となります。
約20%の税金の源泉徴収分がマイナスされた金額となるにもかかわらず、更に配当金相当額全体に対して、雑所得又は事業所得として総合課税の対象となります。
会社員で雑所得が年20万円未満であれば確定申告は不要ですが、確定申告が必要な場合は二重課税になってしまいます。また、所得が大きい場合は税率も高くなります。
株主優待が取れなくなるリスク
松井証券には株主優待自動取得の設定が可能ですが、それでも結果的に取得できない陥穽に嵌まるリスクが有る点がデメリットです。
嬉しすぎる株主優待を取りそこねるのは切なくて辛いですね。
株主優待に関する情報、権利付最終売買日は、東洋経済など外部業者から提供を受けた情報を元に設定されるネット証券が大多数です。
東洋経済等が配信した株主優待に関する情報、権利付最終売買日等の情報の伝達遅延、誤謬又は欠陥により優待が取得できない場合があります。
また、例えばユニバーサルエンターテインメントなどの隠れ株主優待を実施している企業の場合は、貸株が返却されずに株主優待を取得できない場合があります。
また、貸株に出すと長期保有の条件を充足できない場合や、長期保有の株主優待が新設された場合、ずっと昔から持っているのに貸株に出していたことから長期保有から外れるリスクがあります。
信用取引口座を開設している場合は利用不可
信用取引口座を開設済みの場合、貸株サービスを利用することができません。
他のネット証券は信用取引を行っていても貸株を利用でき、単純に貸株を行った分は信用余力が低下するだけという会社もあります。
信用取引口座を使っていると貸株を使えないのはデメリットです。
まとめ
松井証券の貸株サービスの開始によって、松井証券で保有しているほとんど株式は、貸株を行うと最低0.2%の金利が得られます。1%以上の高金利銘柄もあります。
チャリンチャリンと貸株金利を獲得できて流麗。500万円なら最低で年10,000円、1000万円なら最低で年2万円となります。
ただし、デメリットもあるため、利用しないというのも有力な選択肢です。また、あらゆる銘柄を貸株に出すのではなく、ボーナス金利が付いている銘柄を貸し出すというストラテジーもあります。
また、貸株金利は投資のヒントにも役立ちます。貸株の金利が高い銘柄というのは、基本的には空売りしたい人が多い銘柄になります。
「なぜ高い貸株金利がついているのか」「なぜ空売りしたい人が多いのか」といったことを考察すると、トレードのヒントになる場合があります。
実はエッジが高い手法を見出すことにもつながるスケールが大きい話です。たかが貸株、されど貸株です。
松井証券は大正7年創業で100年以上の歴史を持つ老舗の証券会社であり、高い安心感を持つネット証券です。
1日50万円以下の国内株式取引が手数料無料なのが絶大なメリットです。貸株サービスもあり、0.2%以上の貸株金利を獲得できます。
指値注文、成行注文、逆指値注文といった一般的な注文方法に加えて、「追跡指値」「返済予約」という注文方法も使えます。
価格改善サービス(ベストマッチ)という先進的なサービスも導入しており、他のネット証券よりも有利に取引できる場合も多くなっています。

高勝率の立会外分売、IPOに申し込めるのも大きなメリットです。着実なリターン嵩上げが可能になります。

制度信用取引に加えて、無期限信用取引が可能です。一般信用買いだけではなく、一般信用売りも行うことができます。一般信用売りは逆日歩が発生しないのが最大のメリットです。
手数料無料の一日信用取引、プレミアム空売り、豊富な取引ツール、充実の投資情報、100円からの投信積立、米ドル建てMMFも魅力的です。
投資信託の購入と保有、クレジットカード「MATSUI SECURITIES CARD」の利用で松井証券ポイントを貯められて、貯めたポイントを投信積立てや商品交換に利用できます。
売買手数料無料のNISA、つみたてNISAも提供しており、非課税制度を活用した資産形成が可能です。
日本株取引をする際には口座開設しておきたい証券会社の一つです。100万円の資産運用でも大活躍します。
松井証券は50万円以下の売買手数料が無料なので、このゾーンの取引をする機会がある方は、松井証券に口座を持っていないと損です。

2018年3月からは秀逸な内容の個人型確定拠出年金も開始しました。

以前に松井証券を訪問して、サービス内容から役立つ情報ツールまで徹底的に取材しました。
「あったらいいな」という仕組みを他社に先駆けて導入する先進性が素晴らしいと感じました。

松井証券はお得なキャンペーンも魅力的です。当サイト限定で、書籍「世界一やさしい株入門」が抽選でプレゼントされます。

信用取引口座開設後は半年間、1日30万円まで現物取引も含めて売買手数料が無料となります。
まだ口座を持っていない方はこの機会にぜひ開設してみてはいかがでしょうか。以下からの口座開設で限定キャンペーンが適用されます。