共栄セキュリティーサービス(7058)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2019年2月28日(木)~3月6日(水)、上場日は3月18日(月)です。
新規上場する市場は東証JASDAQスタンダードで、想定価格は2,070円(1単元20.7万円)です。仮条件は2,040円~2,100円と上限が上振れました。
公開価格は仮条件の上限である2,100円となりました。予想PERは8.1倍、予想配当利回りは3.57%(1株配当 75)です。
初値予想は「公開価格近辺で若干のプラスリターン」です。以下のレンジを想定しています。
2,300〜2,800円(仮条件の上限比+9.5%~+35.3%)
直前初値予想は以下の通りです。
2,600円(公開価格比+23.8%)
共栄セキュリティーサービスは、警備事業を中心とした事業活動を展開しています。
監査法人は太陽有限責任監査法人で、本社所在地は東京都千代田区九段南1-6-17 千代田会館です。
共栄セキュリティーサービスとは
共栄セキュリティーサービスは、以下の事業を展開しています。
ジャンル | サービス | 業務内容 |
---|---|---|
施設・巡回警備分野 | 施設警備 | オフィスビル、商業施設等に警備員を配置し、出入管理、巡回、緊急対処等。共栄セキュリティーサービスでは主力の業務 |
レセプション・コンシェルジュ | 主に女性警備員による企業受付業務や商業施設のコンシェルジュ一般的な受付要員ではなく、警備員教育を受け警備員を兼ね備えているのが特長 | |
駐車場警備 | 商業施設等の駐車場に警備員を配置し、出入口等の車両誘導、料金収受など | |
空港消防業務 | 航空機事故等に備えて空港に警備員を配置し、万が一、航空機事故等が発生した場合には、消火活動と救難活動 | |
雑踏・交通誘導警備分野 | 交通誘導警備 | 路上工事現場や建築現場などに警備員を配置し、一般通行車両や歩行者などの誘導 |
イベント警備 | ラグビー、マラソン等のスポーツ競技大会やコンサートなどのイベント会場において、規制、誘導等の雑踏整理 | |
ハイウェイ・セキュリティー | 高速道路や自動車専用道路、サービスエリア・パーキングエリアにおける交通誘導警備、また停車中の故障車の後方警戒による安全確保 | |
その他 | ボディーガード | 国内外の要人の身辺警護。テコンドー元全日本優勝者や格闘技の現役選手など格闘技に精通しているスタッフが在籍。 これまで、企業役員をはじめ、ハリウッドスターやアーティスト等の身辺警護を多数実施 |
駐車場運営管理 | 商業施設・病院等の駐車場における管理業務(売上金回収や駐車案内・精算補助等の案内業務)。 また、コインパーキングにおける精算機・発券機・ロック板・ゲート等の機械トラブル発生時に、障害対応専門の機動隊員が現場に急行して、トラブルを解決するサービス(駐車場障害対応) | |
マンション代行管理 | マンション管理会社等の専任管理員の休日(傷病療養や長期欠員等)に、代行員を派遣してマンション管理業務の代行 | |
建物・設備管理 | 法定点検・巡回点検の実施及び常駐管理 |
従業員数は398名、平均年齢は43.8歳、平均勤続年数は7.7年、平均年間給与は335.6万円です。
共栄セキュリティーサービスのIPOの諸データ
新規発行による手取金の使途については、人材採用・人材育成等、新規エリア進出、社内基幹システム構築、事業生産性向上投資、その他運転資金に充当する予定です。
- 既存エリアの業績拡大を目的とした、各事業所(本社、営業所等)における人材採用活動強化のための投資、定着率上昇を企図した福利厚生充実のための投資、警備サービスの品質向上のための教育投資資金
- 新規エリアへの進出を目的とした、新規事業所や社員寮の設置資金、新規エリアで勤務する人材採用活動のための投資資金
- 業務効率向上を目的とした、社内基幹システム構築のための投資資金
- 事業生産性向上により警備サービスの付加価値を高め、持続的成長を実現することを目的とした、顔認証や指紋認証等のセキュリティーシステムの導入等による少人数で高品質かつ効果的な警備サービスを実現するための投資資金
- 事業規模拡大のための運転資金(企業の社会的認知度向上のためのPR等)
共栄セキュリティーサービスの業績推移
業績面では売上高は微増ながら美しい右肩上がりとなっています。経常利益・純利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
営業キャッシュフローは包括利益を上回っている年度と下回っている年度があります。
前期の自己資本利益率(ROE)は11.54%であり、自己資本比率は77.83%です。主要な連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第33期 | 第34期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 平成29年3月 | 平成30年3月 | |
売上高 | (千円) | 5,287,191 | 5,347,389 |
経常利益 | (千円) | 386,870 | 388,983 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 240,408 | 260,037 |
包括利益 | (千円) | 232,410 | 261,498 |
純資産額 | (千円) | 2,123,132 | 2,384,631 |
総資産額 | (千円) | 2,897,403 | 3,063,859 |
1株当たり純資産額 | (円) | 2,037.56 | 2,288.51 |
1株当たり当期純利益 | (円) | 230.72 | 249.56 |
自己資本比率 | (%) | 73.28 | 77.83 |
自己資本利益率 | (%) | 11.32 | 11.54 |
株価収益率 | (倍) | ― | ― |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 401,590 | 153,359 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △73,859 | △24,359 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △89,679 | △19,962 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 515,511 | 624,548 |
従業員数 | (名) | 408 | 430 |
提出会社の経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第30期 | 第31期 | 第32期 | 第33期 | 第34期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 平成26年3月 | 平成27年3月 | 平成28年3月 | 平成29年3月 | 平成30年3月 | |
売上高 | (千円) | 4,078,058 | 4,160,669 | 4,416,240 | 4,895,482 | 4,973,192 |
経常利益 | (千円) | 169,598 | 198,650 | 165,945 | 395,878 | 376,103 |
当期純利益 | (千円) | 100,376 | 90,692 | 104,520 | 233,936 | 243,805 |
資本金 | (千円) | 50,000 | 50,000 | 50,000 | 50,000 | 50,000 |
発行済株式総数 | (株) | 1,000 | 1,000 | 1,042 | 1,042 | 1,042 |
純資産額 | (千円) | 1,649,224 | 1,731,701 | 1,907,217 | 2,117,526 | 2,362,792 |
総資産額 | (千円) | 2,222,093 | 2,395,952 | 2,506,184 | 2,845,943 | 2,996,387 |
BPS | (円) | 1,649,224 | 1,731,702 | 1,830,344 | 2,032.17 | 2,267.55 |
1株配当 | (円) | 15,000 | 15,000 | 15,000 | ― | ― |
EPS | (円) | 100,376 | 90,692 | 102,021 | 224.51 | 233.98 |
自己資本比率 | (%) | 74.2 | 72.3 | 76.1 | 74.4 | 78.9 |
自己資本利益率 | (%) | 6.2 | 5.4 | 5.7 | 11.6 | 10.9 |
配当性向 | (%) | 14.9 | 16.5 | 14.7 | ― | ― |
従業員数 | (名) | 231 | 216 | 403 | 376 | 417 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
日経JASDAQは2016年2月以降は長らく上昇トレンドが続き、2006年の高値を目指して爆進中となっていましたが、6月中旬以降は調整局面となっています。
しかし、足元では10月の急落から反発しつつあります。反発して再度堅調な相場に回帰すれば、IPOにおいて追い風となります。逆に下降トレンドが継続したら向かい風です。
(※マネックス証券より)
上場規模
共栄セキュリティーサービスのIPOの規模は最大で約10.2億円であり、東証JASDAQスタンダードとしても小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は400,000株、売出株式数は30,000株、オーバーアロットメント(OA)は64,500株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約34%とやや高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は7%です。
売出人である我妻文男、貸株人である合同会社あっとプラニング、並びに株主であるマックスコーポレーション株式会社、株式会社ケイ・エス・エス、我妻紀子、合同会社K-mac、阿部克巳には、原則として180日間のロックアップがかかっています。株価上昇による解除条項はありません。
上記のほか、共栄セキュリティーサービスは、取引所の定める「有価証券上場規程施行規則」の規定に基づき、上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。
株主名 | 所有株式数 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|---|
(同)あっとプラニング | 650,000 | 59.77% | ○ |
マックスコーポレーション(株) | 100,000 | 9.20% | ○ |
(株)ケイ・エス・エス | 80,000 | 7.36% | ○ |
我妻文男 | 62,000 | 5.70% | ○ |
(株)サン総合メンテナンス | 50,000 | 4.60% | |
我妻紀子 | 43,000 | 3.95% | ○ |
(同)K-mac | 34,000 | 3.13% | ○ |
阿部克巳 | 33,000 | 3.03% | ○ |
我妻和文 | 15,000 | 1.38% | 制度 |
芹澤成美 | 4,000 | 0.37% | 制度 |
大亀北斗 | 4,000 | 0.37% | 制度 |
佐藤貞治 | 4,000 | 0.37% | 制度 |
初値予想
共栄セキュリティーサービスの事業は警備事業を中心ということで、IPOにおける業種の人気度は高くありません。
予想PERは8.1倍、予想配当利回りは3.57%であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
2331 | 綜合警備保障 | 22.90 | 2.19 | 1.27% |
4342 | セコム上信越 | 15.10 | 0.96 | 2.60% |
4664 | アール・エス・シー | 33.34 | 2.39 | 0.44% |
4754 | トスネット | 11.08 | 1.07 | 2.13% |
9686 | 東洋テック | 20.03 | 0.57 | 2.26% |
9735 | セコム | 24.44 | 2.08 | 1.77% |
9740 | セントラル警備保障 | 31.07 | 2.47 | 0.88% |
約10.2億円という上場規模はJASDAQスタンダードとしても小型です。上位株主にVCはなく、カバー率は高めです。
JASDAQスタンダードの10億~20億円のやや小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
- プリントネット:+45.8%
- イボキン:+19.7%
- ABホテル:+104.0%
- ヴィスコ・テクノロジーズ:+204.9%
- 幸和製作所:+126.7%
- 大阪油化工業:+66.7%
- 壽屋:+32.5%
- クロスフォー:+44.0%
- ネットマーケティング:+36.1%
- ズーム:+49.9%
- ほぼ日:+128.1%
- グッドコムアセット:+32.4%
- ウイルプラスホールディングス:-8.0%
- ヒロセ通商:±0%
- 平山:+29.5%
- ヨシックス:+29.4%
- 鳥貴族:+120.7%
- ホットマン:+67.5%
- イーグランド:+27.3%
- 日本コンセプト:-8.0%
- マックスバリュ九州:+4.0%
ここ最近は一部の証券会社で短期売却する客には配分を控えるような動きが出ていることから、初値がやたらと高くてその後に急落するケースが目立っています。
私有財産制の侵害で歪んだ状況となっていますけれども、その是非はさておき足元の情勢下では共栄セキュリティーサービスも初値はプラスとなるでしょう。
以上を総合考慮して、初値予想は「公開価格近辺で若干のプラスリターン」です。
主幹事はみずほ証券です。その他は、SBI証券、岡三証券、いちよし証券、あかつき証券、岩井コスモ証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
みずほ証券 | 387,000 | 90.00% |
SBI証券 | 12,900 | 3.00% |
岡三証券 | 8,600 | 2.00% |
いちよし証券 | 8,600 | 2.00% |
あかつき証券 | 8,600 | 2.00% |
岩井コスモ証券 | 4,300 | 1.00% |
共栄セキュリティーサービスのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
SBI証券は当サイト限定でお得なタイアップ・プログラムを実施しています。なんと口座開設だけで3,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされます。口座開設・維持は無料です。
↓
今回は幹事団に入っていませんが、マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
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<投資スタンス>
中立
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券で申込、対面証券では原則申込(回数制限やS級狙いで回避することも)
- 中立:ネット証券、S級銘柄の当落に影響がない対面証券では申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:SBI証券以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも)
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)