ジュニアNISAのメリット・デメリット・比較・キャンペーンまとめ

更新日:   資産運用・マーケット・経済

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観覧車に乗る子供

2016年から「ジュニアNISA」という制度が開始しました。成人が対象にNISAに続く、少額投資の非課税制度です。2019年も存続しています。

親や祖父母が子供の代理で購入した株式や投信などの売却益・配当金・分配金が、5年間にわたって非課税となる制度です。

私は「NISA完全ガイド」という本に出たこともあります。

NISA完全ガイド

その経験も活かして、ジュニアNISAについて徹底的に分析した上で解説します。

このページを見れば、ジュニアNISAの制度内容、手数料、キャンペーン、NISAとの比較について把握できますよ!

ジュニアNISAとは

ジュニアNISAの口座開設が可能なのは、口座を開設しようとする年の1月1日時点で0~19歳である未成年者です。

ジュニアNISAの口座では年間に80万円まで投資でき、5年間にわたって非課税となります。100万円の資産運用でも活用できる制度です。

仕組み

口座開設を申し込むと「ジュニアNISA口座」と「課税ジュニアNISA口座」の2つの口座が自動的に開設されます。

課税ジュニアNISA口座は、非課税のジュニアNISA口座で投資していた株式・株式投信などを売却した際の売却代金や配当が入金される口座です。

課税ジュニアNISA口座において、普通の証券会社の口座のように投資することもできます。こちらは有税ですので、公社債・公社債投資信託・MRFへの投資も可能です。

いったん課税ジュニアNISA口座に入った資金を使って、再び非課税ジュニアNISA口座で株式・投信を購入することも可能です。

口座名税法上の規定内容
ジュニアNISA口座未成年者口座非課税対象となる上場株式・ETF・REIT・株式投資信託等を管理
課税ジュニアNISA口座課税未成年者口座・ジュニアNISA口座での売却代金や配当金・分配金(ジュニアNISA口座で再投資しないもの)、顧客から拠出された金銭(預り金)などを管理
・課税対象となる上場株式・ETF・REIT・株式投資信託等・公社債・公社債投資信託(MRF等を含む。)を管理

ジュニアNISA口座には年間80万円までの非課税投資枠があります。2016年~2023年の間が口座開設期間であり、5年間にかけて毎年80万円の枠が付与されて、総額400万円まで投資できます

その枠内で購入した元本80万円までの上場株式・ETF・REIT・株式投資信託等については、売却益や配当・分配金に対して20.315%の税金がかかりません。

ジュニアNISA口座で非課税対象となる商品は以下のとおりです。

  • 上場株式(上場新株予約権を含む)
  • ETF(上場投資信託)
  • 上場REIT(不動産投資信託)
  • 公募株式投資信託の受益権
  • 外国上場株式等日銀出資証券
  • 上場優先出資証券
  • 上場新株予約権付社債

預金や国債、社債、公社債投資信託は、非課税の対象とはなりません。

一度使った非課税枠は、売却した後に再び使うことはできません。

例えば、80万円を投資して2年で売却したら、売却代金は課税ジュニアNISA口座に入り、残っている3年間の非課税枠の期間は非課税となりません。

また、ジュニアNISA口座で一部(例えば50万円)しか使わなかった場合には、残りの未使用枠(例えば30万円)を翌年に繰り越すことはできません。

野村證券のジュニアNISAハンドブック

5年以内に必ず利益確定する必要はなく、子供が20歳になるまでは非課税のまま保有することも可能な仕組みがあります。

口座を開設できる金融機関は1人につき1社です。金融機関の変更はできませんので、慎重に選びましょう。

手続きにはマイナンバーを提示する必要があります。マイナンバーについては以下で徹底解説しています。

マイナンバーカードの最大のデメリット!金融資産課税の恐怖
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ジュニアNISA口座での取引は、2016年は4月からスタートしました。2017年以降は1月から取引可能です。

新しくジュニアNISA口座を開設しても、既に保有している株式や投信は非課税となりませんし、ジュニアNISA口座に移すこともできません。

最長20歳まで非課税となるロールオーバーが可能

三世代家族

ジュニアNISAの口座では、最長20歳まで非課税で運用できます。非課税期間が切れる5年後には、投資した株式・投信を移すことも可能です。

例えば、2017年のジュニアNISAの非課税枠は2021年末で非課税期間が終了します。

その時に子供・孫がまだ20歳未満なら、2022年に付与される非課税枠に、保有している株式・投信などを移すことができます。もちろん、売却して課税ジュニアNISA口座に代金を移すこともできます。

投資した株式・投信が順調に値上がりして、2021年末時点の株価や基準価格が80万円を超えていた場合、移せるのは80万円までとなります。超えた部分は、課税ジュニアNISA口座に移す必要があります。

非課税のジュニアNISA口座から課税ジュニアNISA口座に移した場合の含み益には課税されません。

課税ジュニアNISA口座に移した時点の価格が取得価格となり、それ以降に値上がりした分の売却益やインカムゲインには課税されます。

例えば、課税ジュニアNISA口座に移す際には110万円となっていて、売却時に150万円になったら、40万円に対して20.315%の税金が発生します。

課税ジュニアNISA口座に移った後に売却した金額も、原則として18歳になるまでは現金や有価証券を引き出せません。引き出した場合は、遡及課税されます。

子供が20歳になる前にジュニアNISA制度が終了する場合のイメージは以下のとおりです。

ジュニアNISAのイメージ(20歳になる前にジュニアNISA制度が終了してしまう場合)
SMBC日興証券より)

ジュニアNISA制度期間内に20歳になる場合のイメージは以下のとおりです。

ジュニアNISAのイメージ(ジュニアNISA制度期間内に20歳になる場合)
SMBC日興証券より)

現在のジュニアNISA制度では、新規の非課税枠が付与されるのは2023年までとなります。

2019年に投資した分の非課税期間は2023年末に終了しますが、2024年以降も最大80万円までは、「継続管理勘定」に移行でき、子供が満20歳になるまでは非課税で継続保有できます。

継続管理勘定とは、ロールオーバー専用の非課税枠です。2025年以降も、それまで投資した年80万円の非課税期間が終了するごとに年間で最大80万円分まで継続管理勘定に移せます。

2020年以降は新規投資ができませんけれども、20歳までは非課税で継続保有が可能です。幼い子供・孫だと長期間にわたっての運用が可能となります。

例えば、2016年に1歳の子供・孫がジュニアNISA口座を開き、2023年(8歳)に継続管理勘定に移した株式・投信など(最大80万円)は、子供・孫が20歳となる2035年まで非課税での運用が可能です。

子供・孫が18歳に達したら出金することもできますし、満20歳に達した後は成人用のNISA口座を開設して、年120万円の非課税枠に運用資産を引き継ぐことも可能です。

ジュニアNISAとNISAの違いの比較

スマホカメラの比較

成人が開設できるNISAと、19歳以下が開設できるジュニアNISAは、非課税という点では同じですけれども、制度の細部は異なる点が多いです。違いの比較は下表のとおりです。

事項NISA(成人)ジュニアNISA
利用できる年齢20歳以上0歳~19歳
年間非課税投資枠120万円(2016年より)80万円
非課税投資総額600万円(120万×5年)400万円(80万×5年)
投資対象上場株式等(ETF・REIT含む)、公募株式投資信託上場株式等(ETF・REIT含む)、公募株式投資信託
投資可能期間2014年1月1日~2023年12月末まで2016年4月~2023年12月末まで
※2023年以降も口座開設者が20歳に到達するまでは非課税保有を継続可能
非課税運用期間投資した年から最長5年間(ロールオーバー可能)投資した年から最長5年間(ロールオーバー可能)
払出制限なし18歳まで途中払出に制限(災害等やむを得ない場合は非課税での払出が可能)
口座名義人本人
運用口座の管理本人親権者等が代理
金融機関変更可能不可

NISA、つみたてNISA、個人型確定拠出年金の違いについては、以下で比較しています。

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ジュニアNISAのデメリット

口座への入金は贈与の一部

ジュニアNISAの口座に入金するお金は、親や祖父母らから子供への贈与に該当します。

贈与は年間110万円までなら非課税なので、ジュニアNISAの投資枠である80万円を入金しても贈与税は発生しません。

18歳まで口座から出金すると課税されてしまう

口座開設者である子や孫が18歳(3月末時点で18歳となる年の前年の年末)までは、原則としてジュニアNISA口座から資金を出金できません。

「災害等のやむを得ない事由」という例外事項以外で、18歳未満の時に出金したり、口座を廃止すると、非課税だった売却益・配当などに対して、遡及して課税されます。

ジュニアNISAの払い出し制限のイメージ
(※日本証券業協会より)

損益通算が不可能

ジュニアNISAで損失が生じても、他の口座で得た売却益・配当・分配金などとは、損益通算ができません。

特定口座の損益が+100万円、ジュニアNISA口座が-100万円だと、約20万円の税金が取られてしまいます。

このデメリットは成人NISAと同様です。

配当・分配金が課税される場合あり

ジュニアNISA口座で購入した上場株式の配当金や、ETF、REITの分配金を非課税とするためには、証券会社で配当金や分配金を受領する「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。通常のNISAと同じです。

この方式以外で配当金・分配金を受け取った場合は、配当が非課税にならない点がデメリットです。

例えば、上場株式が12月決算銘柄である場合には、配当基準日(12月31日)までに証券会社を通じて証券保管振替機構に取り次ぐ必要があります。余裕をもって証券会社で手続きするのが無難です。

ジュニアNISA口座の金融機関を切り替えると課税が発生

ジュニアNISA口座は同時に1人につき1つのみ保有できます。とある金融機関でジュニアNISA口座を開設した後に、他の金融機関でジュニアNISA口座を開設したい場合は、既存の口座を廃止する必要があります。

単純な変更はできず、廃止→開設という面倒な手続きが必要になります。口座を開設する金融機関の選択は慎重に行いましょう。

複数の金融機関に申し込んだ場合

ジュニアNISA口座の開設を複数の金融機関で申し込んだ場合、税務署では、この交付申請手続の受付時順に処理が行われ、最初に交付申請の手続を受付けた金融機関に対して「未成年者非課税適用確認書」が送付されます。

最も希望する金融機関でジュニアNISA口座の開設ができなくなるリスクがあります。

したがって、ジュニアNISA口座の開設・取引を希望しない金融機関に対して、ジュニアNISA口座の開設申込の取消しの連絡をするのが無難です。

金融機関から税務署への申請手続、税務署での処理が行われ、いったん、金融機関でジュニアNISA口座が開設されると、ジュニアNISA口座の開設を取り消すことができません。

リスクを取らない運用は不可

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは異なり、ジュニアNISAでは定期預金は利用できません。

元本確保型の商品はない点がリスクを取った運用を行いたくない方にとってはデメリットです。

リスクを取りたくない場合は、高金利の普通預金、個人向け国債、学資保険などが選択肢となります。

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ジュニアNISA口座に適した商品

赤ちゃんの指

ジュニアNISA口座は一度入金した商品は満18歳になる年の前年の年末までは引き出せません。基本的には、子供が18歳になるまで持ちっぱなしにできるコアの部分の投資に使うのが無難です。

投資信託や株主優待株への分散投資などが万人向けです。投資信託を持ちっぱなしにする場合は、信託報酬が低いインデックス投信が無難です。1%のコストの違いが15年とか20年積み重なると、かなりの違いとなります。

アクティブ投信を選ぶ場合は、ひふみ投信など長期的にインデックスを凌駕する運用成績を残しており、運用の手法・実績にエッジ・優位性があると判断できる投信を購入しましょう。

ただし、投信や分散投資は大勝が難しい傾向があるので、節税メリットも乏しくなります。銘柄選択に自信のある方は、個別株式で大きく利益を出すのがベストですので、個別株式も候補です。

大きく利益が出れば出るほど、享受できる非課税のメリットが大きくなります。例えば、薬王堂(3385)は、2008年の安値77.7円(分割後)から、2016年には2,496.7円まで上昇しました(+3113%)。

なんとテンバガーを通り越してトリプル・テンバガー(30倍)となっています。サッカーで喩えると、トリデンテ(三又の槍)のような破壊力があります。

薬王堂のチャート
楽天証券より)

安値で77.7万円分買って高値で売却した場合、税率20.315%で計算するとなんと約491万円もの税金がかかりますが、ジュニアNISAで1度ロールオーバーを行なった末に売った場合はこれが0円になります。

利益を大きく出せば出す程に非課税の効果も大きくなるので、腕に自身のある方は個別株で勝負するというのも選択肢の一つです。

もう一つの候補はIPOです。未成年口座もIPOに申し込むことができます。家族口座を総動員してIPOに申し込むのが、手間を許容できるならば実施を検討し得ます。

数十万円というリターンが期待できるIPOに当選した場合は、税金が大きくなりますし、損する可能性がほとんどないので、損益通算のデメリットも回避できるので、ジュニアNISA口座に入れることを検討し得ます。

売却したお金は課税ジュニアNISA口座において、株式・投信を売買することもできますし、翌年の非課税枠に充当することもできます。

長期投資のジュニアNISAのイメージとは異なりますけれども、IPOもジュニアNISA口座での投資において有力候補です。

毎年9~11月頃はマーケットが軟調になる傾向にあり、押し目買いの好機となる年が多いので、9~11月頃になって枠が残っていたら、その枠を株式・投資信託に投資するというストラテジーは有力だと考えます。

私はNISA口座において、この方針で臨んでいます。基本的にはIPO、9~12月に枠が残っていたら、マーケットの動向に応じて株式・投信を購入します。

ジュニアNISAからの移管は80万円超でもOKに

家族・親子 (1)

ジュニアNISAの限度額は年80万円となり、80万円を超える投資はできません。

しかし、ジュニアNISA口座開設から5年を経過した年に、新たに設定される非課税管理勘定(非課税枠)に移管する上場株式等については、嬉しい例外措置が2018年から設けられます。

非課税期間が終了したジュニアNISA口座から新しい年のジュニアNISA口座への移管については、移管額の上限が撤廃されて、80万円を超える株式等の移管が可能になりました。

つまり、例えば2017年に80万円で買った株式が、2022年には150万円に株価が上昇していた場合、これまでの法制度では移管は120万円までしかできませんでした。

しかし、2018年からは、このような場合150万円分をまるまると移管することができます。

その年の新規投資額の上限は、80万円から移管額をマイナスした残額となるので、80万円以上を移管した場合は、ジュニアNISA口座での新規投資可能額は0円となります。

各証券のジュニアNISAの特典・キャンペーンの比較

夕陽の海辺と家族

多様な証券会社(ネット証券・対面証券)がジュニアNISAに対応しています。主要ネット証券5社はジュニアNISA限定の特典を用意しています。

証券会社名ジュニアNISAの特典
SBI証券国内株式(売・買)、海外ETF(買)の取引手数料が無料
マネックス証券国内株式(売・買)の取引手数料が無料
楽天証券国内株式(売・買)の取引手数料が無料
auカブコム証券ジュニアNISA口座での株式買付手数料無料
特定/一般口座の現物株式売買手数料が割引になる「NISA割」適用
松井証券blank株式手数料は恒久的に無料

SBI証券・マネックス証券・楽天証券・松井証券は、国内株式は購入も売却も無料です。

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まとめ

3世代家族のイラスト

ジュニアNISAの口座では年間に80万円まで非課税で株式・投信などに投資でき、5年間にわたって非課税となります。5年間にかけて総額400万円まで投資できます。

非課税期間が切れる5年後には、投資した株式・投信を移すことも可能です。「継続管理勘定」に移行すると、最長で子供が20歳まで非課税で運用できます。

最大の留意点は、子や孫が18歳までは、原則としてジュニアNISA口座から資金を出金できない点です。

ジュニアNISAで損失が生じても、他の口座で得た売却益・配当・分配金などとは、損益通算ができない点、金融機関を変更する際は課税されてしまう点も留意が必要です。

ジュニアNISAは原則として18歳以降しか非課税で出金できません。大学や専門学校への進学に係わる教育資金の形成にちょうどよい構造となっています。

親子

ジュニアNISAの事前申し込みの受け付けを行っていた大和証券では、申込書類の請求は30~40歳代と60~70歳代が半々となっています。孫の口座開設を検討している方も多くなっています。

祖父母からの計画的贈与を行う場合は、贈与した資金をジュニアNISAに入れるという使い道もあります。

文部科学省の調査によると、大学4年分の学費は国立大学が約243万円、私立理系は約520万円となります。遠方の大学に進学したことによる一人暮らし費用、大学院進学や留学があった場合は、更に費用が膨らみます。

ジュニアNISAで形成した資産を学費に充当すると収まりが良い構図となっています。もちろんリスクはあるので、18歳に到達した時点では損失が発生しているリスクがある点に留意は必要です。

笑顔の大学生

定期預金・個人向け国債・学資保険など万人向けの金融商品は、空前の低金利で美味しさが著しく減退しています。腐臭を放っています。

リスクを許容できるのであれば、ジュニアNISAの利用を検討し得ます。ただし、ジュニアNISAは通常の成年用のNISAと比較して、諸々の制約があり、資産の管理が煩雑になるデメリットがあります。

2016年からは成人のNISAの枠が年120万円に拡大します。夫婦で合計240万円まで非課税で投資可能です。

かなり多くの方々は、投資する金額は年240万円(月20万円)の範囲に収まると思います。

まずは成人のNISAの利用を検討し、成人のNISAで足りない場合は、ジュニアNISAを利用しましょう。

岡三オンラインでもジュニアNISA口座があります。

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SBIネオトレード証券でもジュニアNISA口座の取扱いがあります。

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SBI証券5090105250250487921921
楽天証券5090105250250487921921
岡三オンライン99992003503506001,5002,100
SMBC日興証券1251251802504008002,0003,000
auカブコム証券90901802502509902,7903,690
マネックス証券1001001802504501,0003,0005,000

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