東証に上場!iシェアーズ米国ハイイールド債券ETF(iBoxxドル建てLHYC)まとめ

更新日: 投資信託・ETF

ボストンのビルのアメリカ国旗

iシェアーズ米国ハイイールド債券ETF(iBoxxドル建てLHYC)が東証に上場しました。国内では貴重な社債ETFに、ハイイールド債という新たなアセットクラスの商品が加わりました。

東証に上場したiシェアーズ米国ハイイールド債券ETF(iBoxxドル建てLHYC)の特徴、メリット、リスク、JDRの海外源泉課税徴収・二重課税問題、ハイイールド債の動向についてまとめます。

iシェアーズ米国ハイイールド債券ETF(iBoxxドル建てLHYC)とは

コードは1361で、「Markit iBoxx 米ドル建てリキッド・ハイイールド・キャップト指数」への連動を目指すETFです。

管理会社はブラックロック、管理報酬は年0.50%です。分配金は毎月分配型です。できれば年1回の方がいいですね。予想されるトラッキング・エラーは0.500%迄です。

Markit iBoxx 米ドル建てリキッド・ハイイールド指数は、米国内での販売を目的とした米ドル建て高利回り社債のうち、流動性が高い銘柄をバランス良く代表するように構築されているインデックスです。組み入れ銘柄数の上限はありません。

ポートフォリオ特性

iシェアーズ米国ハイイールド債券ETFの特性は以下の通りです。データはブラックロックが公表している最新の数字です。

項目
ベータ値0.37
標準偏差(%、3年)5.54%
過去12ヶ月分配金利回り5.69%
直近分配金利回り5.17%
加重平均残存期間4.71年
実効デュレーション4.12年
平均最終利回り5.57%

国債や投資適格社債と比較すると高い利回りでリスクも高めです。ここ3年は比較的平穏な時期だっったので標準偏差は低めに出ています。金利動向、投資先企業の信用動向、為替動向などによって価格が変動します。

業種・組み入れ上位銘柄

ETFのポートフォリオの業種構成は以下の通りです。石油・ガスの比率が高いことから、石油価格の下落はハイイールド債ETFの信用力に影響を与えます。

業種保有比率(%)
石油・ガス14.66%
消費者サービス14.38%
電気通信13.22%
金融11.63%
資本財・サービス10.24%
ヘルスケア8.78%
消費財6.91%
素材6.43%
テクノロジー5.96%
公益事業4.51%
その他3.16%
耐久財生産者0.13%

組入れ銘柄の上位には、ソフトバンクの子会社のスプリントの名前があります。

銘柄名業種保有比率(%)リスク対象国
SPRINT CORP電気通信0.5米国
NUMERICABLE GROUP SA電気通信0.46フランス
FIRST DATA CORPORATION資本財・サービス0.43米国
BLK CSH FND TREASURY SL AGENCY-0.41米国
CHRYSLER GROUP LLC消費財0.39米国
REYNOLDS GROUP ISSUER LLC資本財・サービス0.39米国
SPRINT NEXTEL CORPORATION電気通信0.39米国
HCA INCヘルスケア0.38米国
CHS/COMMUNITY HEALTH SYSTEMS INCヘルスケア0.37米国
TENET HEALTHCARE CORPORATIONヘルスケア0.37米国

格付け

格付けの構成比率は以下の通りです。

格付けS&PMoody's
BBB+/Baa10.03%-
BBB/Baa2-0.23%
BBB-/Baa34.92%1.25%
BB+/Ba114.29%9.89%
BB/Ba218.60%12.67%
BB-/Ba314.44%17.12%
B+/B111.09%17.74%
B/B210.32%7.72%
B-/B39.34%10.17%
CCC+/Caa16.49%5.64%
CCC/Caa20.31%2.89%
CCC-/Caa30.99%0.14%
CC/Ca0.05%0.02%
C0.07%-

トータルリターン

過去のトータルリターンは以下の通りです。リーマン・ショック後はハイイールド債は戦慄的に大暴落して阿鼻叫喚地獄に陥り、一時は利回りが20%という数字になりました。

危機が落ち着いてからは目覚ましい右肩上がりの上昇を見せました。この5年間のトータルリターンは素晴らしい数字です。インデックスと比較しても上々です。ETFはコストがかかるので、どうしてもインデックスよりは下回りますが、許容範囲の数字です。

項目1年3年5年10年設定来
トータル・リターン4.84%8.10%9.14%-6.47%
ベンチマーク4.99%8.23%9.39%-6.86%

iシェアーズ米国ハイイールド債券ETFのメリット

分散投資可能

社債投資、特にハイイールド債(ジャンクボンド)の投資においては、分散投資は極めて重要です。しかし、生の外国の社債そのものに対して、個人が分散投資するのは、信用リスクの判断や資金面でのハードルが高いです。

iシェアーズ米国ハイイールド債券ETFは約1,000銘柄に分散投資されているのが魅力です。投信・ETFを利用すると手軽に社債に分散投資ができる点が大きなメリットです。

信用リスクの判断の必要性に乏しい米国債等については、コストが保有している限り発生するETFではなく、直接債券を買ってもいいと思います。

金利を読むのが面倒という場合は、米国債でラダー型ポートフォリオを構築すると管理が楽です。毎年1回米国10年債を購入していき、10年後に1番最初に買ったものが償還したら、以後は償還された金額で米国10年債に再投資していくことになります。

手数料が低い

管理報酬はたったの年0.50%であり、ハイイールド債に投資するファンドとしては非常に低い水準です。

アクティブ投資信託ですと1%とか2%は当たり前であり、インデックス投信でも、i-mizuhoハイイールド債券インデックスが年率0.932%程度(税込)です。

iシェアーズ米国ハイイールド債券ETFは保有コストが非常に低いのが魅力です。また、売買コストは普通の日本株と同じであり、海外ETFよりも低いです。

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JDRの海外源泉課税徴収・二重課税問題

iシェアーズ米国ハイイールド債券ETFは売買円滑化のためにJDR形式で上場しています。JDR(Japanese Depositary Receipt)とは、日本型の預託証券のことであり、外国有価証券を受託有価証券として受益証券を発行することにより、内国有価証券にできる手法です。

JDRの権利の内容は、信託財産として対応する外国ETFと同一です。アメリカのADRと同様に、外国の株式や債券、ETFなどを日本国内で円滑に流通させるために整備された枠組みです。

海外に投資する投信やETFは、海外投資国での配当金・分配金に対しては、租税条約に基づいて投資国で源泉課税徴収されるのが一般ルールとなっています。

外国株・REITに投資する国内投信・国内ETFは、配当金等が外国と日本の両方で課税されて二重課税となります。

米国籍の海外ETFは、米国株・REITは二重課税となり、米国以外の国(米国から見た外国)の株式・REITは、現地で源泉徴収され、米国でも源泉徴収され、日本でも課税されるため三重課税となるようです。

一般口座・特定口座だと確定申告したら外国税額控除額で一部を取り戻せます。NISA口座だと国内での課税分は無税になります。

JDRの場合は、信託財産である外国ETFの分配金には、米国において30%の現地源泉税率が適用され、更に国内で約20%が課税されています。NISA口座だと国内の約20%の課税がゼロになりますが、海外の30%という強烈な源泉課税は取り戻せません。

  • 1581iシェアーズ 先進国株ETF(MSCIコクサイ)
  • 1582 iシェアーズ・エマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)
  • 1583 iシェアーズ・フロンティア株ETF(MSCIフロンティア100)
  • 1587 iシェアーズ米国超大型株ETF(S&P100)
  • 1588 iシェアーズ米国小型株ETF(ラッセル2000)
  • 1589 iシェアーズ米国高配当株ETF(モーニングスター配当フォーカス)
  • 1590 iシェアーズ米国リート・不動産株ETF(ダウ・ジョーンズ米国不動産)

iシェアーズ米国ハイイールド債券ETFは高利回りが特徴であるため、二重課税があるか否かは大きな差となります。

この点、株式・REITとは異なり、国債・社債・CB・優先証券などは、現時点ではアメリカ・イギリス・カナダ・ドイツ・フランスは、海外源泉徴収率は0%です。

したがって、iシェアーズ米国ハイイールド債券ETFはJDRであるけれども、他の株式・REITのJDRとは異なり、海外源泉徴収率が0%で国内分の課税のみとなるかもしれません。とりあえず1単元だけ買って、分配金の税制がどうなるのか確かめます。

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ハイイールド債の動向

ハイイールド債は過去最低水準まで金利が低下しています。イエレンFRB議長は「バンクローンやハイイールド債券に過熱感があり、バブルの兆候がみられる」と警告しました。

ハイイールド債を買う前には、米国10年債利回りとハイイールド債利回りの差(スプレッド)を必ずチェックした方がいいです。ハイイールド債利回り-米国10年債利回りは、過去15年間は概ね2~8%程度で推移してきました。

2%に近づけば近づくほどハイイールド債が高値圏(金利が低いゾーン)で投資妙味が薄れます。逆に8%に近づく程にハイイールド債が安値圏(金利が高いゾーン)で投資妙味が増します。

金融緩和期や経済が順調でリスクテイクが盛んな時は、ハイイールド債価格は上昇(利回りは低下)します。経済が低調で信用リスクが増加する時期は価格が低下します。金融危機の状況だと暴落します。

あのリーマン・ショック後の金融市場崩壊期は、なんとハイイールド債利回り-米国10年債利回りが20%を超えました。

現在はスプレッドは2%に近づいており、過去15年で最低水準です。スプレッドが6%を超えたら、買いタイミングとしてはわるくないと思います。

J-REITと同じでハイイールド債の相場はよいところまで成熟しており、もうしばらくは堅調かもしれませんけれども、これ以上の値上がりは崩れ始めたら迅速にexitする体制で値動きをウォッチするのが無難です。

個人的には現時点ではハイイールド債よりは株式の方がいいと思います。ただ、いずれ何らかのショックが発生した場合は、ハイイールド債は大きく崩れることが予想されます。

その時は当ETFの購入を検討します。今後も定期的にチェックし、買いタイミングが近づいてきたと判断した場合はこのブログにもアップします。

  • この記事を書いた人

まつのすけ

14年に渡ってクレカ・電子マネー等のキャッシュレス決済を探求。日本のキャッシュレス化に貢献することが目標です。55枚のクレジットカードを保有し、支払年会費の総額は113万円。実生活において徹底的に活用した経験を活かして、記事を執筆しております。

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