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ソロスの警告。ユーロが世界経済を破壊する

投稿日: 資産運用の考え方

ジョージ・ソロス
(Wikipediaより)

数ヶ月に渡るギリシャ劇場は一旦のところはユーロ残留で決着しつつあります。ユーロ脱退&通貨切り下げによるハードランディング&V字回復よりも、ギリシャはソフトランディングを選ぶことになりました。

前回の欧州危機の真っ只中に出版された「ソロスの警告 ユーロが世界経済を破壊する」を今更ながら読みました。


欧州危機に関する結論としてはドイツが負担するしかないというもの。実際に2012年には実質的な債務減免が行われました。

今後も幾度と無く、返済期間の更なる繰り延べや金利面での考慮などの実質的な支援が行われることになりそうです。

本書ではジョージ・ソロスが提唱している「再帰性」の概念が面白いです。何度読んでも味がある概念です。トレンドがトレンドを生み、現実と市場価格の乖離が持続不可能になると急速に下落するという現象はよくあります。

本書の要約を以下にまとめます。

金融市場についての主流の理論、効率的市場仮説では、金融市場は均衡点に向かって収斂していき、未来についての入手可能なすべての情報を正確に反映するとされている。

効率的市場仮説は、現実の世界にはほとんど当てはまらない想定の上に築かれており、明白に誤っている。それにもかかわらず、大きな影響力を持つようになっている。

しかし、残念ながら、市場原理主義の基本的な教義は明らかに間違っている。金融市場は必ずしも均衡点に向かうわけではない。時としてバブルを発生させる性質がある。

バブルは不合理な現象ではない。しばらくは割に合う。金融市場がその誕生以来、何度も金融危機を生じさせてきたことは、歴史を振り替えってみればよく分かる。

金融市場は常に現実の歪んだ図を示す。そのうえ、金融資産の値付けの誤りは、それらの資産の価格が反映するとされている、いわゆるファンダメンタルズに影響を及ぼすことがある。これが再帰性の原理である。

ファンダメンタルズを反映するとされる市場価格が、逆にファンダメンタルズに影響を及ぼすこともある。

バイアスのかかった市場の認識とファンダメンタルズの間には再帰的な相互作用があり、その相互作用が時として市場を均衡点からかけ離れた地点に押しやる

バブルは、なんらかのファンダメンタルズの変化から始まり、そのへんかによって生じた価格の新しいトレンドについての誤った解釈がその後に続く。

その誤解は当初はトレンドとその誤解の両方を強化するが、やがて現実と市場の解釈の乖離が大きくなりすぎて持続不可能になる。

市場の解釈は誤解にすぎないことが次第に認識されるようになり、幻滅が始まる。すると、この誤解の変化がファンダメンタルズに逆方向の影響を及ぼし始め、市場価格のトレンドはやがて反転する。

価格が下落するに連れて、融資の担保とされている資産の価値も下がる。証券の保有者は、最低限の資金需要や自己資本規定を満たすために保有証券を投げ売り価格で売らざるを得なくなり、こうした売却によって市場は往々にしてこれまでとは逆の方向に行き過ぎる。

バブルは非対称な形をとる傾向があり、ゆっくり上昇して急激に下降し、暴落で終わる

効率的市場仮説は真実ではない。金融市場は現在の現実ではなく未来を扱うものであり、予測の問題であって知識の問題ではないのである。

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