ふるさと納税制度が一般に広がっています。2013年からアーリーアダプターに広がり始め、マネー雑誌やマスメディアでも大々的に特集されるようになり、一気に知名度が上がりました。
ふるさと納税の手順は、自治体に寄付し、自治体から「寄付金受領証明書」とお礼の品が届き、確定申告すると税金が控除され、実質2,000円の負担でお礼の品を得られることになります。
本エントリーでは2020年の最新のふるさと納税の仕組み、流れ、注意点についてまとめます。
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目次
ふるさと納税とは
ふるさと納税は、地方自治体を選んで寄付する制度です。ふるさと納税という名前ですが、自分の出身地ではなくても寄付できます。
所得に応じた一定額までは、自己負担の2,000円以外の全額の分、支払う税金が減ります。支払った寄付金とほぼ同額の金額の分、所得税・住民税が減ります。
つまり、一定金額までは自己負担は2,000円のコストでふるさと納税ができます。
所得税や住民税は、「(所得-所得控除)×税率-税額控除」で計算します。所得税についてはふるさと納税をした金額-2千円が所得控除されて、所得税が減ります。
また、ふるさと納税をした金額の一部が、住民税において「税額控除」されて税金が減ります。住宅ローン控除と同じ仕組みです。
所得税の所得控除、住民税の税額控除によって、ふるさと納税をした金額のうち、2,000円を超える分は税金が減ります。
ふるさと納税をすることによって、お米、お肉、海産物、野菜、フルーツ、地ビール、地酒、スイーツ、ポイント、マイル、ギフト券など多種多様な物品がお礼としてもらえる自治体があります。
こういう市町村にふるさと納税すると、2,000円の負担で多様な特産品・ポイント・金券類がいただけます。
ふるさと納税を行った経験がある方は約10%です。ただし、1度ふるさと納税を行った方は、ほとんどがリピーターとなっています。特に高所得者はふるさと納税への感度が高くなっています。
2014年度はふるさと納税は約390億円でしたが、2015年度は約1600億円と4.3倍に急成長し、年々規模が急成長しています。
返礼品を最初に始めたのは鳥取県の自治体です、そこから広がって一般的になりました。近隣の自治体が多額の寄付金額を集めると、触発されて積極的に取り組む自治体が増えています。
例えば、静岡県の焼津市がスタートして大成功して、磐田市も開始するということが全国的に発生しています。自治体間の競争の相乗効果で、ふるさと納税の返礼品が急拡大しています。
ふるさと納税が変更!新制度は2019年6月から
総務省は2019年6月からのふるさと納税の新制度で、静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の参加を認めませんでした(共同通信)。
4市町と参加を辞退した東京都以外の1,783自治体は、これまで通りふるさと納税で優遇を受けられます。
2019年5月31日までが寄付の最後のチャンスとなっています。税制優遇の対象外となる期間は今後検討する方針となっており、再復活の可能性はあります。
静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町にふるさと納税したい場合、2019年5月末までの寄付をおすすめします。
2019年1月~5月の4市町への寄付に対して、遡及的に税額控除の対象外とする懸念が一部で出ています。
しかし、新たに制定または改正された租税法規を、その施行前の事象に遡って適用することは原則として許されない「租税法規不遡及の原則」があります。
遡及適用は税制法規の大原則を揺るがす例外となるので、よほどの悪質な問題ならともかくとして、ふるさと納税には適用されないと個人的には予想します。
2019年5月31日までは、サーティワンアイスクリーム商品券、リンガーハットグループ共通商品券を返礼品として得ることが可能です。
静岡県小山町のふるさと納税返礼品(Amazonギフト券3%還元)
ふるさと納税ワンストップ特例制度で確定申告が不要
5つの自治体までなら確定申告なしで自動的に減税される仕組みがあります。「ふるさと納税ワンストップ特例制度」という名前です。
仕組み
2015年度(2015年4月)からは確定申告しない方法か、確定申告するかの選択肢が設けられています。
申告しない方法を選ぶと、寄付を受けた自治体から届く書類を寄付先の自治体に提出することで、居住地の住民税が自動的に減税されます。
要するに5つの自治体までなら確定申告しなくても自動的に税金が減る仕組みができました。
テクニカルな点としては、従来は所得税・住民税が減税されましたが、ワンストップ特例を使うと住民税減税に一本化されます。
ただし、ワンストップ制度を使って確定申告しなくても、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」という書類を住民税を支払う自治体へ提出する必要があります。
インターネット上で申し込む場合でワンストップ特例を使う際に、申込画面の一部でそれを要望する項目がある自治体もあります。

必要な書類
ワンストップ特例制度に必要な書類は、寄附金税額控除に係る申告特例申請書、マイナンバー確認書類&本人確認書類のコピーの2つです。
申告特例申請書は自治体から郵送してもらえますが、総務省のWebページにもUPされているので、それをプリントアウトしてもOKです。
これらの書類は寄付した年の翌年1月10日までに自治体に必着で郵送する必要があります。
申告特例申請書はあらゆる自治体で共通のフォーマットで、記入方法も同一です。整理番号以外の部分を記入するかチェックマークを入れればOKです。
- 記入日
- 自治体の首長 or 自治体名
- 納税者住所(住民票の住所)
- 氏名、電話番号、性別、生年月日
- 印鑑
- 個人番号(マイナンバー)
- 寄附年月日、寄付金額
- 確定申告は行わない旨の確認欄にチェック
- 5つの自治体以内の確認欄にチェック
寄附の時に自治体に申請書をリクエストすると、中には一定の項目を記入済みの状態で送ってくれる自治体もあります。
返信用封筒を同封してくれる自治体もあって便利です。ない場合はこちらで宛先の住所を調べて記入する必要があって面倒です。
ふるさと納税サイトで寄付した場合、さとふるでは記入済みの申請書のPDFが、マイページよりダウンロードできます。
印字して、日付、マイナンバー、生年月日、チェックマークするくらいで済みます。
さとふるでお得なクレジットカードには、三越伊勢丹グループのクレジットカードのエムアイカードがあります。
いつでもポイント5倍の特典があり、エムアイカードとエムアイカードプラスは2.5%還元、エムアイカードプラス ゴールドは3%還元でファンタスティックです。
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マイナンバーが必須
ワンストップ特例制度では、現在はマイナンバーの記入が必須となり、個人番号と本人確認書類の添付も必要です。
マイナンバーカードを持っている場合は、それの両面コピーでOKです。ない場合はペラペラの通知カード(紙)と身分証明書のコピー(両面)が必要となります。
ワンストップ特例制度の注意点
ワンストップ特例が適用された後も、引っ越しで住所が変更された場合は、翌年の1月10日までにふるさと納税をした自治体に変更届出書を提出する必要があります。
これをしなかった場合はワンストップ特例の対象外となり、確定申告をする必要があります。
ワンストップ特例制度の申請手続きが期限オーバー、郵送先の誤り、郵便事故などで完結しなかった場合、その自治体ではふるさと納税による減税が適用されなくなってしまいます。
例えば3つの自治体へ申請書を提出して1つがNGだった場合、その自治体では減税が行われなくなってしまいます。
そうした自治体でも減税しようとすると、他の自治体も含めて全て確定申告する必要があります。
ワンストップ特例制度未適用の自治体のみを確定申告した場合、ワンストップ特例制度が非適用となるため、他の2つが無効となり減税を受けられず寄附が自腹になってしまうので注意しましょう。
つまり、確定申告すると、ワンストップ特例の申請が無効になってしまうのです。確定申告をする際には、ワンストップ特例の分も含めるようにしましょう。
確定申告の場合は所得税分が控除されて減税が確定して、翌年度の住民税がマイナスされます。
ワンストップ特例制度の場合、所得税からのマイナスは行われず、翌年度の住民税から所得税分を含めた金額がマイナスされます。
自治体側の人為的なミス(処理忘れ・処理間違い)で、ワンストップ特例制度で申請した分がうまく反映されないリスクもゼロではありません。
念のために無事ワンストップ特例制度による寄附金控除が反映されているか確認するのが無難です。
特別徴収の場合は5月、普通徴収の場合は6月市民税・県民税の課税計算書が届きます。
なお、自治体によってはふるさと納税を行って返礼品で終わりではなく、その後も温浴施設の招待ハガキなどを送ってくれるケースもあります。
返礼品の還元率は30%以下が原則
拡大の一途を辿ってきたふるさと納税ですけれども、2017年に入って風向きが変わりました。
日本経済新聞などの大手新聞で、ふるさと納税に批判的な記事が目立ち始めており、かつ税収減と税収増のバランスが大きな水準になりつつあります
東京23区は税収減の影響が直撃しており、区長で構成される特別区長会は、制度の見直しを要求する要望書を総務省に提出しています。
総務省がふるさと納税の返礼品を寄付額の30%までに抑えるように、2017年4月1日付で全国の地方自治体に要請しました。
自治体が寄付金を集めるために高額な返礼品を提供するのが問題視されています。
総務省の調査によると、全国の自治体の平均では約40%の返礼品を提供しているようです。2017年4月以降は30%以下に抑制するように自粛を求められています。
また、家電製品、金券、宝飾品といった換金性の高い返礼品、自転車・家具・楽器などは全廃するように改めて要請されました。転売対策の有無・地元に対する経済効果にかかわらず一律です。
総務省の要請は強制ではありませんけれども、明白に返礼品の還元率が3割を超えている自治体に対しては、総務省が個別に見直しを求めるようです。
総務省の個別の要求は大きな圧力であり、それをはね退け続けるのは地方自治体にとって難易度が高い所業です。
千葉県勝浦市が提供する商品券が中止されており、iPad等のタブレットのふるさと納税が続々と終了しています。
還元率が高い返礼品、家電製品・アクセサリー・金券・マイル・ポイントバウチャー等については、早めのふるさと納税が無難でした。
2017年4月1日付の通知(総税市第28号)に総務省が自粛を求めている返礼品は下表のとおりです。
自粛を求める返礼品 | 要請内容 |
---|---|
高価すぎるアイテム | 返礼品の価格は30%までに抑制 30%以下でも価格が高額のものは禁止 |
金銭類似性の高いもの | 商品券、プリペイドカード、電子マネー・ポイント・マイ ル、通信料金等は禁止 |
資産性の高いもの | 電気・電子機器、家具、貴金属、宝飾品、時計、カメラ、ゴルフ用品、楽器、自転車等は禁止 |
同一自治体の住民への返戻 | 同じ自治体に住む人は返礼品を対象外 |
総務省の通知を受けて、長野県伊那市がいち早く今後の運用方針を発表しました。
法人税法施行令の規定で調達価格が10万円以上は備品(資産)、10万円未満は消耗品として区分されていることを根拠に、調達価格が10万円超の返礼品は中止しました。
10万円未満の家電は寄付金の30%以下の範囲で再開し、この基準が許容されるか否かに注目が集まりましたが、総務相が名指しで批判して終了に追い込まれました。
2017年8月3日に新就任した野田聖子総務相は、ふるさと納税の地域振興の効果を強調しており、以下の通りに述べています。
「極端な例だけを見て抑え込むのではなく、転売をどう止めるかを考えたい」
「行き過ぎた返礼があったというが、一罰百戒でこの流れを止めるのは非常に問題かなと思う」
しかし、逆風が吹き荒れていたふるさと納税の風向きに一時的に変化があったものの、再び厳格な対応が取られるようになりました。
2018年4月1日には再び総務大臣通知が出されており、返礼割合の徹底、地場産品以外の送付について良識のある対応が要請されています。
還元率50%の日本旅行ギフト旅行券のふるさと納税のようなお得な返礼品には逆風が吹き荒れています。
2018年9月11日には還元率が30%を超えたり、返礼品が地場産ではない自治体への寄付については、税の優遇措置を受けられなくなる仕組みを法制化する方針が示されました。
2019年6月からはふるさと納税に指定制が導入されました。「還元率3割以下の地場産品」という基準を満たす地方自治体を総務省が指定して、それ以外の自治体は税額控除の対象外となります。
総務相の交代以降、ふるさと納税の返礼品が徐々に充実してきており、安曇野市でVAIOやエプソンのパソコンの返礼品が復活しました。
山形県米沢市ではNEC・レノボ、兵庫県神戸市ではパナソニックのパソコンがもらえます。
ふるさと納税の限度額
2015年からの自己負担額が最小(2,000円)となる寄付限度額の目安は以下の通りです。社会保険料控除額は給与収入の15%と仮定しています。
給与収入 | 独身 or 共働き夫婦 | 夫婦 (1人無収入) | 共働き・子1人 (高校生) | 共働き・子1人 (大学生) | 夫婦 (1人無収入)・子1人 (高校) | 共働き・子2人 (高 / 大) | 夫婦 (1人無)・子2人 (高 / 大) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
300万 | 28,000 | 19,000 | 19,000 | 15,000 | 11,000 | 7,000 | - |
325万 | 31,000 | 23,000 | 23,000 | 18,000 | 14,000 | 10,000 | 3,000 |
350万 | 34,000 | 26,000 | 26,000 | 22,000 | 18,000 | 13,000 | 5,000 |
375万 | 38,000 | 29,000 | 29,000 | 25,000 | 21,000 | 17,000 | 8,000 |
400万 | 42,000 | 33,000 | 33,000 | 29,000 | 25,000 | 21,000 | 12,000 |
425万 | 45,000 | 37,000 | 37,000 | 33,000 | 29,000 | 24,000 | 16,000 |
450万 | 52,000 | 41,000 | 41,000 | 37,000 | 33,000 | 28,000 | 20,000 |
475万 | 56,000 | 45,000 | 45,000 | 40,000 | 36,000 | 32,000 | 24,000 |
500万 | 61,000 | 49,000 | 49,000 | 44,000 | 40,000 | 36,000 | 28,000 |
525万 | 65,000 | 56,000 | 56,000 | 49,000 | 44,000 | 40,000 | 31,000 |
550万 | 69,000 | 60,000 | 60,000 | 57,000 | 48,000 | 44,000 | 35,000 |
575万 | 73,000 | 64,000 | 64,000 | 61,000 | 56,000 | 48,000 | 39,000 |
600万 | 77,000 | 69,000 | 69,000 | 66,000 | 60,000 | 57,000 | 43,000 |
625万 | 81,000 | 73,000 | 73,000 | 70,000 | 64,000 | 61,000 | 48,000 |
650万 | 97,000 | 77,000 | 77,000 | 74,000 | 68,000 | 65,000 | 53,000 |
675万 | 102,000 | 81,000 | 81,000 | 78,000 | 73,000 | 70,000 | 62,000 |
700万 | 108,000 | 86,000 | 86,000 | 83,000 | 78,000 | 75,000 | 66,000 |
725万 | 113,000 | 104,000 | 104,000 | 88,000 | 82,000 | 79,000 | 71,000 |
750万 | 118,000 | 109,000 | 109,000 | 106,000 | 87,000 | 84,000 | 76,000 |
775万 | 124,000 | 114,000 | 114,000 | 111,000 | 105,000 | 89,000 | 80,000 |
800万 | 129,000 | 120,000 | 120,000 | 116,000 | 110,000 | 107,000 | 85,000 |
825万 | 135,000 | 125,000 | 125,000 | 122,000 | 116,000 | 112,000 | 90,000 |
850万 | 140,000 | 131,000 | 131,000 | 127,000 | 121,000 | 118,000 | 108,000 |
875万 | 145,000 | 136,000 | 136,000 | 132,000 | 126,000 | 123,000 | 113,000 |
900万 | 151,000 | 141,000 | 141,000 | 138,000 | 132,000 | 128,000 | 119,000 |
925万 | 157,000 | 148,000 | 148,000 | 144,000 | 138,000 | 135,000 | 125,000 |
950万 | 163,000 | 154,000 | 154,000 | 150,000 | 144,000 | 141,000 | 131,000 |
975万 | 170,000 | 160,000 | 160,000 | 157,000 | 151,000 | 147,000 | 138,000 |
1000万 | 176,000 | 166,000 | 166,000 | 163,000 | 157,000 | 153,000 | 144,000 |
1,100万 | 212,000 | 193,000 | 193,000 | 189,000 | 183,000 | 180,000 | 170,000 |
1,200万 | 239,000 | 229,000 | 229,000 | 226,000 | 219,000 | 206,000 | 197,000 |
1,300万 | 268,000 | 258,000 | 258,000 | 255,000 | 249,000 | 245,000 | 235,000 |
1,400万 | 351,000 | 339,000 | 339,000 | 335,000 | 328,000 | 274,000 | 264,000 |
1,500万 | 386,000 | 374,000 | 374,000 | 370,000 | 362,000 | 358,000 | 346,000 |
1,600万 | 420,000 | 408,000 | 408,000 | 404,000 | 397,000 | 392,000 | 381,000 |
1,700万 | 455,000 | 443,000 | 443,000 | 439,000 | 431,000 | 427,000 | 415,000 |
1,800万 | 489,000 | 477,000 | 477,000 | 473,000 | 466,000 | 461,000 | 450,000 |
1,900万 | 525,000 | 513,000 | 513,000 | 509,000 | 501,000 | 497,000 | 485,000 |
2,000万 | 560,000 | 548,000 | 548,000 | 544,000 | 537,000 | 532,000 | 521,000 |
2,100万 | 596,000 | 584,000 | 584,000 | 580,000 | 572,000 | 568,000 | 556,000 |
2,200万 | 631,000 | 619,000 | 619,000 | 615,000 | 608,000 | 603,000 | 592,000 |
2,300万 | 763,000 | 750,000 | 750,000 | 745,000 | 643,000 | 639,000 | 627,000 |
2,400万 | 804,000 | 791,000 | 791,000 | 786,000 | 777,000 | 772,000 | 759,000 |
2,500万 | 845,000 | 831,000 | 831,000 | 826,000 | 818,000 | 813,000 | 800,000 |
株式投資・FX・先物・オプションの収益とふるさと納税については、以下にまとめています。
ふるさと納税制度の最大のデメリットは確定申告が必要になることでした。ふるさと納税だけのために確定申告をするのは若干ハードルが高いでしょう。
これがなくなったことで、ふるさと納税が保険料控除と同じように、全国民的に一気に広がりました。知らない人はほとんどいないメジャーな制度に昇華しました。
ふるさと納税での自己負担額が最小になる限度額の目安は、以下のふるさと納税ポータルサイトでも試算できます。
株式譲渡益を考慮したふるさと納税可能額は、ふるさとチョイスのシミュレーションで計算するのが簡便です。
人気が高い自治体の返礼品は品切れになる傾向
ふるさと納税の注意点は、プレゼントがお得な自治体にはイナゴのように申し込みが殺到し、爆速でふるさと納税が打ち切られる傾向があることです。
昨今はイナゴ・トレーダーが賑わっており日本経済新聞の紙面も飾りましたが、ふるさと納税においても、寄付の勢いとスピードはもはやイナゴ級となっています。
ふるさと納税ポータルサイトのふるなびでは、長野県安曇野市へのふるさと納税ではなんとVAIOがいただけます。所得が多い場合は、こうした返礼品もお得です。
2022年7月現在の状況では、プレゼントがお得な自治体には申し込みが殺到し、電光石火で締め切られる場合もあります。
例えば、長野県阿南町は3万円の寄付でお米60kgです。2014年は1月から受付を開始していましたが、4月25日午後5時をもって、寄付金受付けを終了しました。
神奈川県南足柄市の「相州牛」も受付中止となり、石川県輪島市では地元のブランド蟹「加能ガニ」を用意したところ、あっという間に一時停止となりました。
三重県 玉城町に1万円ふるさと納税すると、松阪肉すき焼き「玉城(たまき)」が戴けます。質の側面では圧巻のクオリティであり、満足度は高く大人気となっています。
在庫が入荷したら瞬間蒸発となっており、ほしくても貰えない時期も多いです。量は少ないですけれども、おすすめの牛肉No.1と評価できます。
長野県安曇野市で用意されているVAIOのふるさと納税は、台数限定となっていて品切れとなることも多々あります。
人気がある自治体は終了しがちです。プレゼントがほしい自治体があっても、寄付ができないという状況はもどかしいですよね。
届かない恋のように切ないです。少女漫画の主人公のような陥穽に嵌ってしまいます。
ふるさと納税関連のWebサイトや自治体のページ等で情報収集しておき、ある程度寄付先を選定しておき、2017年は迅速に動けるようにしておくのが望ましいと思います。
確定申告の対象期間は1月~12月であり、12月に駆け込みで寄付する人が多い状況です。
年末は寄付が急増して人気返礼品が品切れとなる傾向があります。早い段階で寄付をしておきましょう。
ふるさと納税が人気の自治体
ふるさと納税で得するためには、還元率が高くて品質も良い返礼品を提供している自治体に寄付することが重要です。
ただし、膨大な数の返礼品の中から選ぶのは手間がかかってタイヘンですよね。
手っ取り早いのは還元率が高くて返礼品の内容もよく、寄付金額が多く集まっている自治体にふるさと納税を行うことです。
人気が高い自治体というのはお得な返礼品で高還元となっている傾向にあります。
全1788という膨大な数の自治体の中から、ふるさと納税の受け入れ額(2017年度)の上位20位をランキングにしました。
順位 | 自治体名 | 寄付金額 | 還元率 |
---|---|---|---|
1 | 大阪府泉佐野市 | 135億円 | 45% |
2 | 宮崎県都農町 | 79億円 | 37% |
3 | 宮崎県都城市 | 75億円 | 43% |
4 | 佐賀県みやき町 | 72億円 | 37% |
5 | 佐賀県上峰町 | 67億円 | 60% |
6 | 和歌山県湯浅町 | 50億円 | 37% |
7 | 佐賀県唐津市 | 44億円 | 50% |
8 | 北海道根室市 | 40億円 | 27% |
9 | 高知県奈半利町 | 39億円 | 52% |
10 | 静岡県藤枝市 | 37億円 | 46% |
11 | 大分県国東市 | 32億円 | 44% |
12 | 鹿児島県志布志市 | 39億円 | 39% |
13 | 北海道森町 | 30億円 | 50% |
14 | 山形県天童市 (ふるさとチョイス) | 29億円 | 46% |
15 | 静岡県小山町 | 27億円 | 42% |
16 | 静岡県焼津市 | 27億円 | 50% |
17 | 佐賀県嬉野市 | 27億円 | 59% |
18 | 宮崎県高鍋町 | 26億円 | 46% |
19 | 岐阜県池田町 | 26億円 | 34% |
20 | 長野県小谷村 | 24億円 | 47% |
おすすめのふるさと納税の返礼品
ふるさと納税のお礼品の内容は千差万別であり、例えば同じ1万円を寄付した場合でも、受け取れる品質・量には大きなバラつきがあるのが実情です。
牛肉だと松阪牛や佐賀牛などのブランド牛から、ふるさと納税なのになぜかオーストラリア産のものまで、クオリティは多種多様です。
ただし、膨大な数の返礼品からお得でコスパ良好の自治体を選定するのは大変です。
そこで2012年からふるさと納税を行った通算10年間の経験を活かして、ふるさと納税の返礼品について徹底的に分析しました。
私はふるさと納税の書籍に3名の識者のうちの1名として出たこともあります。
質、量、還元率の側面で優れていて、おすすめの返礼品を提供しており、ふるさと納税の寄付先として有力の自治体を徹底的に調査してランキングにしました。
ふるさと納税で以下のような返礼品をゲットすると家計が着実に助かります。
- パソコンが返礼品のふるさと納税
- タブレットのふるさと納税(長野県飯山市等)
- ふるさと納税でサーティワン・リンガーハットの商品券
- 商品券のふるさと納税、旅行券のふるさと納税、ポイントのふるさと納税
- ティッシュペーパー、トイレットペーパー
- 炊飯器が返礼品のふるさと納税
- ソニー製品、プリンター、電子レンジ、液晶ディスプレイ、カメラ、空気清浄機、ブルーレイ、ドライヤー、楽器、コーヒーメーカー
- 掃除機がもらえるふるさと納税
- ハーゲンダッツ、ビールのふるさと納税、ノンアルビールのふるさと納税
- 炊飯器・電子レンジ・掃除機など日立の白物家電のふるさと納税
- JTB・宿泊券・旅行券・飛行機などの旅行関連のふるさと納税
- 鎌倉シャツ
- 1万円でおすすめのふるさと納税、3万円や5万円、10万円、20万円、100万円など高額
品物を選ぶのが面倒という方は以下をご参照ください。
年末のふるさと納税は返礼品の選定に注意が必要
評価や業績によって大きく給与・ボーナスが変動する企業に勤務していたり、自営業者や専業投資家の方ですと、年間の収入は年末近くにならないと確定しません。
ふるさと納税の区切りは1~12月です。したがって、年間所得がほぼ確定する12月に駆け込みでふるさと納税をする場合が多いでしょう。
12月に入ると、年間の所得が見えてきます。ふるさと納税が可能な金額が確定します。
年末ギリギリに駆け込みでふるさと納税を行う際におすすめの自治体については、以下で徹底解説しています。
大量取得の場合は税金が発生する可能性
ふるさと納税の謝礼として受ける特産品は一時所得に該当します。一時所得の税率計算は以下の通りです。
一時所得
総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
ふるさと納税は税法上は寄附金であるため、この計算式の左から2番目の「収入を得るために支出した金額」には当てはまらず、特産品の金額はもろに所得に参入されます。
普通の人であれば、一時所得が課税されるまでふるさと納税をすることがない方が大多数です。
しかし、たまたま他のまとまった一時所得がある場合などは、特産品の上乗せで理論的には税金がかかる可能性が生じます。
もちろん多くの多額のお中元・お歳暮をもらう人で、正直に申告して税金を支払っている人がどれだけいるかという問題はあります。
しかし、一応は一時所得となりますので、この点についての留意が必要です。
お中元・お歳暮については、常識の範囲内では非課税であり、ふるさと納税でも準じた形で運用されると思われます。
クレジットカードでの寄付がおすすめ!ポイントも利用可能
クレジットカードで寄付できる自治体が増えています。クレジットカードでふるさと納税すると、ポイントをゲットできます。
大別すると、VISA、Mastercard、JCB、Amex、Diners Clubの5大国際ブランドのカードは全て利用可能な自治体と、VISA・Mastercardのみという自治体が多いです。
おすすめは実質還元率が1.8~3.6%になるリクルートカード、年会費無料で還元率1%のJCB CARD W、その他高還元のクレジットカードです。
飛行機に乗る機会がある方なら、マイルが貯まるクレジットカード、航空系クレジットカードがお得です。
JALマイルが貯まるクレジットカード、ANAマイルが貯まるクレジットカードの他、ダークホースとしてはマイレージプラスカードもバリューが高いです。
ポイントやマイルに興味がない方は、キャッシュバックのクレジットカードがお値打ち。ポイントを貯めて交換という作業も省きたい場合、自動キャッシュバックのクレジットカードだと手間フリーです。
その他、ふるさと納税でもお得なクレカについては以下で徹底解説しています。
日本有数のクレジットカードの専門家でいらっしゃる岩田昭男さんのおすすめクレカについては、以下で徹底的に解説しています。
クレジットカード界のレジェンドであり、キャッシュレス決済のカリスマ・菊地崇仁さんのおすすめカード、ゴールドカードには、珠玉のクレジットカードが集結しています。
多様な項目での最強のクレジットカードについては、以下で論述しています。
クレジットカード決済に対応してなくて、銀行振込みで寄付する必要がある自治体に対しては、住信SBIネット銀行、ソニー銀行、新生銀行などの振込手数料が無料の銀行から振り込みましょう。
Tポイントで寄付することも可能
「Yahoo!公金支払い」というヤフー・ジャパンのサービスを利用してふるさと納税ができる自治体があります。
Yahoo!公金支払いでは、クレジットカードで決済できますし、Tポイントで支払うこともできます。
余っているTポイントがある場合はお得であり、期間固定Tポイントも利用可能なので便利です。
Tポイントを現金化することはできませんが、ふるさと納税を使うと、間接的に税金をTポイントで支払っているような結果となり、更に多種多様な特産品がプレゼントされます。
1ポイントからふるさと納税に使えます。差額はクレジットカードで決済できます。
例えば、1万円ふるさと納税する場合で、Tポイントを700ポイント使う場合は、9,300円の支払いと700ポイントで決済できます。
実際に6,100Tポイントを利用したところ、5万円の寄付のうち6,100円分をTポイントで賄えて、43,900円の支払いで済みました。
寄付はふるさと納税ポータルサイトが便利
自治体のWebサイトや窓口で寄付することも可能ですが、便利なのは多数の自治体の返礼品が掲載されており、比較検討できるふるさと納税ポータルサイトでの寄付です。
ふるさと納税ポータルサイトには多数の種類があります。その中でとりわけ御礼品が充実しているのは、最大手の「ふるさとチョイス」です。
全国のあらゆる自治体を網羅しています。1,788自治体がフルに掲載されています。
30万点以上という膨大な返礼品が掲載されており、全国津々浦々どこでも好きな自治体から寄附先を選べます。
全日本空輸のふるさと納税ポータルサイト「ANAのふるさと納税」では、利用額に応じて1%のANAマイルがプレゼントされます。
楽天ふるさと納税では、1%の楽天ポイントが得られるのがメリットです。
楽天の買い回りセールの対象であり、楽天カードのSPUと組み合わせると13%以上の還元となります。
平常時にもポイント10倍(10%)のキャンペーンを行っていることもあり、驚異的にお得です。ポイント還元については楽天ふるさと納税にエッジ・優位性があります。
Yahoo!公金支払いでのTポイントと同様に、楽天ポイントをふるさと納税に使うこともできます。
ふるなびというサイトでもふるさと納税が可能です。わずか3分と時間がかからず、Amazonギフト券プレゼントのキャンペーンを行っているのがメリットです。
ふるなびトラベル・ふるなびクラウドファンディングというユニークな仕組みもあります。詳細については以下で徹底解説しています。
ふるさとプレミアムはAmazonギフト券還元があり、ソフトバンクグループのさとふるはキャンペーンを定期的に開催している点が魅力的。JTBグループのふるぽは旅行関連が充実しているのが特徴です。
各ふるさと納税ポータルサイトの特徴については、以下で精緻に比較しています。
品物を選ぶのが面倒という方は以下をご参照ください。
ふるなびには多種多様な家電製品、商品券、自転車などが集結しており、利便性が極めて高いです(家電のふるさと納税一覧)。
ふるさと納税の仕組みと流れまとめ
ふるさと納税は所得に応じた一定額までは、自己負担の2,000円以外の全額の分、支払う税金が減ります。
一定金額までは自己負担は2,000円のコストでふるさと納税が可能であり、お礼として返礼品を戴けるのが魅力的な制度です。
自分の出身地ではなくても寄付でき、人気が高い返礼品は品切れとなることも多々あります。
2019年6月からはふるさと納税に指定制が導入されました。「還元率30%以下の地場産品」という基準を満たす地方自治体を総務省が指定して、それ以外の自治体は税額控除の対象外となります。
静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4市町、参加を辞退した東京都に寄付しても、ふるさと納税の優遇を受けることはできない方向である点に注意が必要です。
その他、ふるさと納税の詳細は「総務省のポータルサイト」が参考になります。
総合的なおすすめのふるさと納税返礼品は以下で丹念に分析しています。
なお、企業版のふるさと納税も存在しています。現行の損金算入措置(寄附金額の約30%)に加えて、合計で30%の法人事業税・法人住民税および法人税が控除されるようになります。
つまり、寄附金額の約60%は実質的に税金を収めたことになり、企業側の負担は約40%となります。