モバイルSuica、Apple PayのSuica(以下、両方を合わせて「モバイルSuica」)は、エクスプレス予約のICカード代わりとなります。
スマホ1台でスイスイと東海道・山陽新幹線の改札を通過できます。ただし、エクスプレス予約のICカードと、モバイルSuicaを併用して通過することはできません。
在来線の乗り換えで新幹線に乗車する場合でスムーズに改札を通過するためには、モバイルSuicaにエクスプレス予約を登録する必要があります。
モバイルSuicaでエクスプレス予約を使う場合の留意事項について解説します。
目次
エクスプレス予約とモバイルSuica
エクスプレス予約は早期割引だとリーズナブルなのが特徴で、手間をかけずに大幅なディスカウントを享受できる点にエッジ・優位性があります。
21日(3週間)前までの予約で、早朝・日中の「のぞみ」に乗車可能な「EX早特21」の料金(過去一例)は下表のとおりです。
駅名 | 東京・品川 | 新横浜 |
---|---|---|
名古屋 | 8,800(-2,290) | 8,600(-1,850) |
京都 | 10,800(-3,110) | 10,700(-2,550) |
新大阪 | 11,000(-3,450) | 10,900(-3,220) |
新神戸 | 11,400(-3,700) | 11,300(-3,470) |
3日前までの予約で、早朝の「のぞみ」と終日の「ひかり」のグリーン車がお得になる「EXグリーン早特」は下表のとおりです。
駅名 | 東京・品川 | 新横浜 |
---|---|---|
名古屋 | 11,830(-2,850) | 11,180(-2,860) |
京都 | 13,860(-4,830) | 13,540(-4,490) |
新大阪 | 14,400(-4,830) | 14,070(-4,830) |
新神戸 | 14,710(-5,170) | 14,390(-5,160) |
私はエクスプレス予約で「EXグリーン早特」を愛用しています。普通席の料金と大差ない価格でグリーン車に乗れるのが嬉しいです。
一例として東京→京都は紙のきっぷだと通常13,910円で、エクスプレス予約のグリーン早特は13,860円でした。
ただし、期間が限定されており、繁忙期(正月・GW・お盆など)には早特の購入ができない期間があります。
早特が利用できる日はエクスプレス予約の方が多く、スマートEXが購入できない期間もあります。
東京→京都でグリーン早特を予約しようとしたところ、スマートEXではNGでエクスプレス予約だと可能だったことがあります。
以下はスマートEXの画面で「スマートEXグリーン早特」がありませんでした。
エクスプレス予約は年1,000円(税抜)のコストがかかりますけれども、個人的には年1回早特を利用すれば十分にペイできてお得だと考えています。

エクスプレス予約に入会すると、まずは「EX予約専用ICカード」が送られてきます。
EX予約専用ICカードを新幹線の改札にタッチすることで、スムーズに通過できます。
在来線と新幹線の乗り継ぎの場合、EX-ICカードと交通系ICカード(Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCA、Kitaca等)を重ね合わせてタッチすればOKです。
しかし、モバイルSuica(Apple PayのSuica)とカードタイプのエクスプレス予約専用ICカードを重ねても、エラーが発生して新幹線と在来線の乗り継ぎはできません。
自動改札機の脇にいるスタッフに声をかけて手続きするか、機械できっぷを受け取って通過する必要があります。
EX予約専用ICカードの代わりとしてモバイルSuicaをエクスプレス予約で登録すると、スマホ1つで東海道・山陽新幹線と在来線の乗り継ぎができるようになります。

以下はスマートEXを登録したモバイルSuicaで新幹線の改札を通過した写真ですが、エクスプレス予約でも同様に通過できます。
モバイルSuicaをエクスプレス予約で利用する手順
エクスプレス予約のICカードが届いてから手続きすることになります。できれば申し込んだらすぐに登録できるようになると便利ですね。
Android・ガラケーの場合、モバイルSuicaのアプリメニューまたは「Suicaアプリケーション」のチケット購入・Suica管理画面の「エクスプレス予約(JR東海)」を選択します。
Apple PayのSuicaの場合、「チケット購入・Suica管理画面」にある「エクスプレス予約(JR東海)」を選択します。
するとモバイルSuica用のエクスプレス予約の会員登録画面に遷移するので、画面の案内に沿って手続きすればOKです。
既にWebでエクスプレス予約の会員登録を行っていた場合でも、改めて「会員登録画面」の手続きが必要です。まずメールアドレスを入力して「OK メール送信」をタップします。
するとメールが送られてくるので、メール内のリンクをタップして、クレジットカード番号・有効年月・生年月日を選択して「OK 次の画面へ」をタップします。
ただし、モバイルSuicaを既にスマートEXで登録していた場合は、エクスプレス予約も登録することはできません。
まずはスマートEXの会員サイトにログインして「お客様情報の変更・退会」からモバイルSuicaの情報を削除しましょう。
その後すぐにエクスプレス予約に登録しようとしたところ、一度は「入力された会員IDはご利用できません。」という謎のエラー画面が出ました。
ただし、もう一度トライしたらすんなり登録できたので、このようなエラーが出たら少し時間を置いて再チャレンジすればOKです。
なお、会員IDは既に登録していた場合は同じIDですので、そこが変わる心配はありません。
モバイルSuicaに登録してもICカードは利用可能
モバイルSuicaにエクスプレス予約を登録すると、ケータイやスマートウォッチだけで東海道新幹線に乗れるようになります。
元々の会員ICカードは無効にはならないので、そのまま利用することも可能です。
荷物は増えますが、ICカードも携帯すると、万が一の携帯電話の紛失などの際にも、新幹線には乗ることができます。
モバイルSuicaのエクスプレス予約の決済用クレジットカード変更
エクスプレス予約は複数のクレジットカード会社で利用できます。
主なメリット
モバイルSuicaでエクスプレス予約を使う場合、1枚のクレジットカードしか登録できません。
別のクレジットカードで決済したい場合、別のカード会社で改めてエクスプレス予約に申し込み、モバイルSuicaかSuicaアプリで新規登録手続きを行えばOKです。
なお、以下の予約がある場合、モバイルSuica電話機の登録変更はできません。
- 当日乗車予定のIC乗車サービスの予約
- 現在乗車中または出場処理がされていない予約
- 乗車日を経過しシステム処理中の予約
モバイルSuicaの登録を解除
やはりEX-IC予約専用カードで使う場合や、モバイルSuicaを使わなくなった場合、簡単に解除できます。
エクスプレス予約にログインして「お客様情報の変更・初期化」から「会員登録の初期化」を行うと、モバイルSuica電話機の登録が自動的に解除されます。
もしくはモバイルSuicaを退会するか、Apple PayのSuicaでSuicaカードを削除(サーバー退避)すると、エクスプレス予約の登録も解除となります。
スマホの機種変更時は再登録が必要
モバイルSuica、Apple PayのSuicaは、機種変更で新しい携帯電話・iPhone・Apple Watchに移した場合、Suica ID番号が変わります。
したがって、モバイルSuica/Apple PayのSuicaをエクスプレス予約に使っていた場合は、機種変更の登録手続きが必要になります。
以下の再設定操作で機種変更後の新しいiPhone等のSuicaとエクスプレス予約の会員情報が連携されます。
- Suicaアプリケーションを起動
- エクスプレス予約に利用するSuicaを選択
- 「チケット購入・Suica管理」をタップ
- 「エクスプレス予約(JR東海)」をタップ
- 接続確認画面で「同意する(接続)」をタップ
- エクスプレス予約パスワードを入力し「ログイン」をタップ
- 機種変更登録確認画面で「機種変更登録」をタップ
ただし、この操作を完了しても、既に予約済みの当日乗車分チケットは、新しい端末では乗車ができないので、券売機での発券が必要です。この点に注意しましょう。
機種変更登録操作後に予約を行った当日乗車分チケットは、機種変更後の新しいiPhoneやApple Watchで乗車できます。
スマートEX、エクスプレス予約を使っている場合は、新幹線に乗る当日はSuicaの移行作業を行わないのが無難です。
どうしても当日になる場合は、発券作業が必要なので余裕を持って駅に行きましょう。
スマホ等の紛失時はICカードかクレカがあればOK
モバイルSuicaでエクスプレス予約を利用していて、スマホやスマートウォッチが故障・紛失などで使えなくなった場合でも、新幹線に乗ることは可能です。
EX-IC専用カードがあれば、それをタッチすればOKです。ただし、カードを持ち歩くのが面倒でモバイルSuicaを使っている方も多いですよね。
その場合、2020年3月20日まではエクスプレス予約に登録してあるクレジットカード、2020年3月21日からは受取コードを入力すればOKです。
エクスプレス予約のきっぷ受け取り機で操作することで、紙のきっぷを発券できます。
エクスプレス予約のログインパスワード(4~8桁の英数記号)の入力が必要となるので、メモするかスマホ等で参照できるようにしておきましょう。
時間はほとんどかかりません。画面をタッチして紙で受け取る予約を選択して、パスワードを入力するだけです。領収書も同時に出ます。
万が一の紛失・故障などに備えるためには、エクスプレス予約に登録している決済用クレジットカードは持ち歩くのが安全です。
まとめ
モバイルSuica、Apple PayのSuicaは事前に手続きすると、エクスプレス予約のICカード代わりとなります。
スマホ1台でスイスイと東海道・山陽新幹線の改札を通過できます。
ただし、エクスプレス予約のICカードと、モバイルSuicaのSuicaを併用して通過することはできません。
在来線の乗り換えで新幹線に乗車する場合でスムーズに改札を通過するためには、モバイルSuicaにエクスプレス予約を登録する必要があります。
スマホの機種変更などの際には、新幹線に乗車する当日に手続きができないケースがあるので、モバイルSuicaの登録・変更作業は前日までに行うのが無難です。
エクスプレス予約を活用すると、早特割引が特にお得です。多種多様なクレジットカード会社で利用できます。
その中で新幹線の乗車でポイントがたまり、グリーン車に普通車の価格で乗れるグリーンプログラムが適用されるのはJRカードのみです。
- ビューカードを登録したモバイルSuica:還元率0.5%(ビックカメラSuicaカードのみ1%)
- JR東海エクスプレスカード:還元率0.5%
- JR西日本のJ-WEST カード(エクスプレス):還元率0.5%(※ボーナス有)
グリーンプログラムが不要であれば、幅広いクレジットカードでエクスプレス予約を利用可能です。代表的なカードは下表の通りです。
会社 | カード名 | 還元率 | 年会費(税抜) |
---|---|---|---|
JCB | リクルートカード | 1.20% | 無料 |
JCB EIT | 1.00% | 無料 | |
ANA To Me CARD PASMO JCB | 0.50% | 2,000円 | |
To Me Prime PASMO | 0.50% | 50万円以上利用で無料 | |
JCBオリジナルシリーズ | 0.5%-0.85% | 無料~5万円 | |
JCB LINDA | 0.50% | 無料で維持可能 | |
三菱UFJニコス | DCカード Jizile | 1.50% | 無料 |
三菱UFJカード VIASOカード | 0.50% | 無料 | |
三菱UFJカード | 交換先による | 年1回利用で無料 | |
三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード | 20,000円 | ||
イオン銀行 | イオンカードセレクト | 0.50% | 無料 |
ベネッセ・イオンカード | 0.50% | 無料 | |
アメックス | アメックス・グリーン | 0.3-1.0% | 12,000円 |
アメックス・ゴールド | 0.3-1.0% | 29,000円 | |
マリオットボンヴォイアメックスプレミアム | 1.0-1.25% | 31,000円 | |
ダイナース | ダイナースクラブカード | 0.3-1.0% | 22,000円 |
銀座ダイナースクラブカード | 0.3-1.0% | 25,000円 | |
ANAダイナースカード | 1.0% | 27,000円 | |
三井住友カード (※) | 三井住友カード デビュープラス | 1.0-1.5% | 無料で維持可 |
三井住友カード | 0.5-1.0% | 無料で維持可 | |
三井住友カード(NL) | 0.5-5.0% | 無料 | |
三井住友カード RevoStyle | 0.5-1.0% | 無料 | |
三井住友カード ゴールド(NL) | 0.5-5.0% | 年100万利用で 永年無料 | |
三井住友カード プライムゴールド | 0.5-1.0% | 1,500円で維持可 | |
三井住友カード ゴールド | 0.5-1.0% | 4,000円で維持可 | |
三井住友カード プラチナ | 0.5-1.0% | 49,000円で維持可 | |
ANA VISAカード | 最大1.5% | 751~80,000円 | |
ANA Mastercard | 1.0% | 751~14,000円 |
※別途月間利用金額に応じたボーナスポイント、プラチナはVJAギフトカードプレゼント
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なお、JR東日本の新幹線(東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線)にリーズナブルに乗るには、新幹線eチケットサービスが便利です。
モバイルPASMOも導入されており、Androidスマホで利用可能です。
