エブレン(6599)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2020年6月11日(木)~6月17日(水)、上場日は2020年6月29日(月)です。
新規上場する市場は東証JASDAQスタンダードで、想定価格は1,050円(1単元10.5万円)です。公募価格は2020年6月18日(木)に決定。
仮条件は1,200円~1,350円と窓を開けて上振れました。予想PERは8.5~9.6倍です。
初値予想は大幅なプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
2,400〜3,100円(仮条件の上限比+77.8%~+129.6%)
エブレンは、産業用電子機器や工業用コンピュータに使用されるバックプレーン、システムラック、コンピュータシャーシ、ボードコンピュータを含むその他周辺機器等の開発・設計・製造・販売を展開しています。
監査法人は太陽有限責任監査法人で、本社所在地は東京都八王子市石川町2970-6です。
エブレンとは
エブレンは、インフラシステムに使用される組込型コンピュータ(産業用コンピュータ)及びその周辺製品を事業の対象領域として捉えています。
保有する技術力と生産力を全分野横断的に提供することを営業の基本として、これらに特化した製品の設計と製造を一筋に40有余年継続してきました。
この間において、コンピュータの世界は半導体集積回路の技術革新と相まってコストパフォーマンスが向上し、その活用領域が飛躍的に拡大しました。
また、エブレン製品の納入先である大手システムメーカー(産業用電子機器メーカーや機械装置メーカー等)の多くが、「選択と集中」を標榜した得意分野へのリソース重点配分政策を推進してきました。
その結果、専門メーカーが果たす役割も重要視されるようになり、エブレンは事業のチャンスも拡大の一途にあると考えております。
エブレンが設計・製造する製品は、従来から通信・医療・交通・半導体製造装置・FA機器・計測装置・セキュリティー等のシステムに組込まれるコンピュータが中心です。
これらの分野に加えて、最近ではIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、HPC(スーパーコンピュータ)、及びエッジコンピューティング(注2)分野のコンピュータハードウェアの開発案件も増加しております。
エブレンの主力製品であるバックプレーンとは、CPUボードやI/Oボード等の各種回路基板(ボードコンピュータ)を相互に接続して信号伝送を行う回路及びこれら基板に電力を供給する回路を備え、これら基板の着脱をコネクタを介して自在に接続できるようにしたユニットのことを言います。
バックプレーンはこれら回路基板間の全ての信号を統合し、コンピュータとしての基本機能を実現するためのハードウェアであり、人体に例えるなら、全身の神経を統合している脊髄のような役割を果たしています。
従業員数は96名、平均年齢は43.3歳、平均勤続年数は11.2年、平均年間給与は443.0万円です。
エブレンのIPOの諸データ
エブレンの業績推移
業績面では売上高は減収、経常利益・純利益は減益の年度があるものの、右肩上がりの傾向となっています。
主要な連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第45期 | 第46期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 | |
売上高 | (千円) | 3,603,989 | 3,309,196 |
経常利益 | (千円) | 361,556 | 388,176 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 255,262 | 261,243 |
包括利益 | (千円) | 260,254 | 250,151 |
純資産額 | (千円) | 2,732,204 | 2,905,520 |
総資産額 | (千円) | 4,185,620 | 4,101,457 |
1株当たり純資産額 | (円) | 1,936.36 | 2,126.87 |
1株当たり当期純利益金額 | (円) | 180.91 | 185.75 |
自己資本比率 | (%) | 65.3 | 70.8 |
自己資本利益率 | (%) | 9.8 | 9.3 |
株価収益率 | (倍) | ― | ― |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △8,380 | 86,338 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 22,742 | △120,485 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 105,237 | △127,415 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 1,078,408 | 911,935 |
従業員数 | (名) | 110 | 117 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
日経JASDAQは2020年3月下旬をボトムとして右肩上がりとなっています。
このまま堅調な推移が続くとIPOにおいて追い風となり、反落して再び軟調な相場に回帰すれば向かい風となります。
上場規模
エブレンのIPOの規模は最大で約3.3億円であり、東証JASDAQスタンダードとしても超小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は142,900株、売出株式数は127,000株、オーバーアロットメント(OA)は40,400株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約20%と標準的です。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は47%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
上村正人 | 46.93% | ◯ |
カーム(有) | 18.30% | ◯ |
熊谷尚登 | 5.64% | ◯ |
小林寛子 | 4.39% | ◯ |
髙橋武志 | 3.66% | ◯ |
藤野正美 | 3.29% | ◯ |
エブレン社員持株会 | 2.94% | ◯ |
菊水電子工業(株) | 2.20% | ◯ |
上村和人 | 1.72% | ◯ |
上村宏子 上村愛 | 1.72% | ◯ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
エブレンの事業は産業用電子機器や工業用コンピュータに使用されるバックプレーン、システムラック、コンピュータシャーシ、ボードコンピュータを含むその他周辺機器等の開発・設計・製造・販売ということで、IPOにおける業種の人気度は標準的です。
想PERは8.5~9.6倍であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
6430 | ダイコク電機 | 61.67 | 0.60 | 3.19% |
6597 | HPCシステムズ | 30.40 | 7.22 | 0.00% |
6639 | コンテック | 9.62 | 0.84 | 2.71% |
6912 | 菊水電子工業 | 16.80 | 0.61 | 3.23% |
約3.3億円という上場規模はJASDAQスタンダードとしてもかなりの小型です。上位株主にVCはなく、カバー率は高めです。
JASDAQスタンダードの5億円未満の超小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- 極東産機:+71.9%
- ポエック:+337.3%
- 日宣:+87.5%
- ティビィシィ・スキヤツト:+221.4%
- セグエグループ:+223.5%
- キャピタル・アセット・プランニング:+130.0%
- チエル:+165.6%
- アグレ都市デザイン:+102.6%
- 昭栄薬品:+48.2%
- ミズホメディー:+156.5%
- クレステック:+82.4%
- シンデン・ハイテックス:+12.2%
- エスエルディー:+15.3%
- エスクロー・エージェント・ジャパン:+199.6%
- 横田製作所:+136.4%
- 買取王国:+122.2%
- IBJ:+80.0%
- ありがとうサービス:+11.3%
- 日本エマージェンシーアシスタンス:+27.3%
- ベルグアース:+5.4%
- 日本管理センター:±0%
- イーピーミント:+13.3%
- ハウスコム:-3.3%
以上を総合考慮して、初値予想は大幅なプラスリターンです。
主幹事は野村證券です。その他は、いちよし証券、マネックス証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
野村証券 | 264,900 | 98.15% |
いちよし証券 | 2,500 | 0.93% |
マネックス証券 | 2,500 | 0.93% |
エブレンのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。

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<投資スタンス>
強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券で申込、対面証券では原則申込(回数制限やS級狙いで回避することも)
- 中立:ネット証券、回数制限・S級銘柄の当落に影響がない対面証券(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)