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日本クラウド証券(クラウドバンク)と匿名組合契約について

更新日: 証券会社 投資信託・ETF

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日本クラウド証券の販売しているクラウドバンクについてメールでご質問を頂きました。日本クラウド証券(クラウドバンク)とは、ソーシャル型のクラウドレンディングサービス(ソーシャルレンディング)を提供している企業です。

近年話題になっているマイクロファイナンスの商品である新興国マイクロファイナンスファンドを提供しています。目新しい商品で評判・口コミが気になるところですね。

日本クラウド証券のクラウドバンクの特徴と留意点について述べます。


日本クラウド証券(クラウドバンク)の商品

日本クラウド証券のクラウドバンクには、中小企業支援型ローンファンド、不動産担保型ローンファンド、新興国マイクロファイナンスファンド、再生可能エネルギーファンドなどがあります。

税引前予想利回りは5~6.5%前後の商品が多いです。高利回りが魅力となっています。

マイクロファイナンス(小規模金融) とは、貧しい人々に小口の融資を提供することで、彼らが自立し、貧困から脱出することを目指す金融サービスです。

ミニ社会貢献的な観点で投資しており、利益も出たという評判・口コミもあります。

日本クラウド証券のクラウドバンクは法令上は匿名組合です。

匿名組合

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匿名組合とは

匿名組合とは、投資家(匿名組合員)が契約の相手方(営業者)に出資して、契約の相手の営業から生じる利益の分配を受けることを約束する契約です。

投資元本の保証はありません。損失額が出資額を超えた場合でも、匿名組合員が出資額を超えて損失の負担を分担することはありません。

匿名組合は登記が不要で事業の制約もありません。比較的簡単に組成できるので、アイドルファンド、映画ファンド、某ホテルファンド、新エネルギーファンド、日本酒ファンド、特産品ファンドなどの新種の商品に非常に多く利用されています

匿名組合の注意点

匿名組合に投資した匿名組合員が、営業者(日本クラウド証券の子会社)に対して有する利益分配請求権や出資返還請求権は普通の債権です。

営業者(日本クラウド証券の子会社)が破産したときに他の債権者に優先して弁済を受けることはできません。日本クラウド証券が倒産した場合、預けたお金が返ってこないリスクが有ります。

日本クラウド証券の証券取引口座にある資産は、同社の資産とは分別管理していると公表しています。

しかし、信託金額の差替えは、法令上は1週間に1回以上と決められているので、最大1週間分の計算上のタイムラグが生じ得ますし、悪意で信託していなかったという事態もあり得ます。

その場合、日本クラウド証券は日本投資者保護基金の会員になっています。しかし、信託受益権、組合契約などの第二種金融商品取引業に係る取引やFX取引については、日本投資者保護基金の補償対象ではありません。

また、日本クラウド証券の100%子会社であるクラウドバンク・インキュラボが営業者となっている匿名組合の資産(貸付債権)は信託保全の対象外です。

つまり、日本クラウド証券の証券口座から営業者にお金が移った時点で、そのお金は信託保全の対象外となります。


日本クラウド証券に投資する前に

日本クラウド証券のクラウドバンクは匿名組合契約であることから、貸出し先のデフォルトリスクと、日本クラウド証券の信用リスクを二重に背負う形になります。これが普通の投資信託と違う点です。

法令上の有価証券に該当する商品(株・投資信託・ETF・REITなど)であれば、鬼のように厳しくガチガチで安全になっており、運用会社・販売会社・信託会社などの関連している会社の一部が倒産しても資産は保全される仕組みになっています。

したがって、仕組みについてほとんど考えずに投資しても問題ありません。投資対象や投資先については熟慮する必要があります。

例えば、外国モノの投資信託で、投資するのが株式なのかリンク債なのか等はチェックする必要があります。

匿名組合はそうではありません。

関係者が持ち逃げできない仕組みになっているのか、資産価値はどの程度の頻度で発表されるのか、毎年監査を受けるのか、クラウドバンクのスキームに絡んでいる会社のうち、一部の会社が破産した場合にどうなるのか等について調べるのが無難です。

インターネット上の資料を見た限りは、そこまで詳細は載っていませんでした。

もしクラウドバンクに投資するなら、なくなっても平気な範囲での投資が無難だと思います。また、徹底的な分散投資(一つの商品にズドンではなく、薄く広く)がいいです。

(追記)

平成27年6月26日付けで、証券取引等監視委員会からクラドバンクに行政処分の勧告が出され、関東財務局より行政処分が発表されました。

平成27年7月10日から平成27年10月9日までの間、匿名組合の出資持分の募集の取扱い業務のうち、新規の勧誘を伴う業務を停止する処分が出されました。

また、2017年6月2日に証券取引等監視委員会から行政処分を求める勧告が行われて、6月9日に関東財務局長から下記の業務改善命令を受けました。

  • 顧客に対し、行政処分の内容を速やかに説明するとともに、説明を踏まえて出される顧客からの意向について、顧客の公平に配慮しつつ、適切かつ速やかに対応すること。
  • 広告審査態勢を構築するとともに、金融商品取引業務を適切に行うための経営管理態勢、業務運営態勢及び内部管理態勢を整備するなど、本件に係る再発防止策を策定し、着実に実施すること。
  • 本件に係る責任の所在の明確化を図ること。
  • 上記の対応・実施状況について平成29年7月10日までに書面で報告するとともに、以降、そのすべてが完了するまでの間、随時書面で報告すること。

クラウドバンクのファンドの種類

クラウドバンクのファンドには、具体的には以下のものがあります。目標利回りは高めなのが魅力的です。

担保ありのファンドは主として担保設定された案件が融資対象です。ただし、貸付先の分散と、募集金額に対する効率的な運用を目的として、一部資金を上記以外の案件へ貸し付る場合があります。

その場合でも、クラウドバンクの貸付基準と保全面への配慮に基づき、優良な貸付先に限定して貸付を行うとされています。一例は下表のとおりです。

ファンドの号数 募集金額 目標利回り 開始日 終了日
中小企業支援型ローンファンド第105号 100,000,000 6.50% 2015/7/9 2016/1/31
中小企業支援型ローンファンド第105号 100,000,000 6.50% 2015/7/9 2016/1/31
不動産担保型ローンファンド第100号 100,000,000 6.00% 2015/7/2 2016/1/31
中小企業支援型ローンファンド第104号 10,000,000 5.80% 2015/7/2 2016/1/31
不動産担保型ローンファンド第97号 20,000,000 5.00% 2015/7/2 2016/1/31
不動産担保型ローンファンド第98号 20,000,000 5.20% 2015/7/2 2016/1/31
不動産担保型ローンファンド第99号 10,000,000 5.50% 2015/7/2 2016/1/31
代替エネルギー特化型ローンファンド 2号 20,000,000 5.10% 2015/7/1 2016/1/31
代替エネルギー特化型ローンファンド 3号 10,000,000 5.30% 2015/7/1 2016/1/31
中小企業支援型ローンファンド第102号 10,000,000 5.50% 2015/6/30 2016/1/31

最新の募集ファンドについては、以下の公式サイトをご参照ください。

クラウドバンク 公式サイト

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