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利益があっても危ない銘柄がある!営業キャッシュフローは重要

投稿日: 資産運用の考え方

札束

ジーフットの株主優待拡充&分割で「純利益の伸びに対して営業キャッシュ・フローが悪化している点が気になるところですが、許容範囲かな」と述べたところ、具体的にどういうことか、また、そもそも営業キャッシュフローは大事なのかというご質問がありました。

営業キャッシュフローの重要性についてまとめます。


企業の業績と言えば、まず第一は損益計算書に記されている売上や、営業利益・経常利益・純利益・包括利益といった利益です。売上や利益が伸びている企業は良い業績の企業と言われます。

しかし、売上や利益は無理やり捻り出すことも不可能ではありません。会計というのは一定程度は操作可能な側面があります。これに対してキャッシュの出入りを操作することは極めて難しいです。

業績をよく見せるために無理やり売上・利益を出しているような企業は、それが限界に達したところで突如として業績の大幅な下方修正があったりします。また、粉飾している企業はキャッシュフローの値動きが怪しくなることがあります。

利益は意見、キャッシュは事実」という言葉があります。売上や利益の質をチェックするのにキャッシュフローは役立ちます。

例えば、掛け売りで販売した場合、キャッシュが入っていないのに売上や利益には参入されます。年度末に駆け込みで掛け売りによる販売を膨らませていてる場合は、売上や利益に比べて営業キャッシュフローが弱い傾向となります。

あの江守商事は、売上・利益は成長を続けていましたが、営業キャッシュフローは赤字が続いていました。法人税等もマイナスの傾向が続いており、法人税を取りたくて舌なめずりしている税務当局でさえ、税務上の利益を認定できないという状況でした。

純利益に比べて営業キャッシュフローが明白に弱い場合は、その理由を確認するのが無難です。営業キャッシュフローの方が小さい場合でも、問題ないケースも有ります。

高成長を続けていて、仕入が大幅に伸びている一方で、売上の回収がそれに追いつかずに売掛金が伸びており、営業キャッシュフローが小さくなることがあります。

ジーフットのケースでは、積極的な出店で期首に比べ商品在庫が増加したことで、近年は営業キャッシュフローが悪化していました。

店舗数は2012年度(673店)→2013年度(735店)→2014 年度(810店)とハイペースで拡大しています。

ジーフットは靴屋ですので、大量出店する場合は、靴を大量に仕入れる必要があり、棚卸資産は2013年度は81億円、2014年度は22億円増加しました。これが営業キャッシュフローを圧迫してきました。

また、2014年度は期末の2月28日が土曜日のため翌営業日の入金となり、売上預け金が20億円増加したことで、営業キャッシュフローが20億円悪化しました。

こうした正当な事情があることから、「純利益の伸びに対して営業キャッシュ・フローが悪化している点は許容範囲」と述べていました。

もちろん全く無問題というわけではありません。大量出店を続けていますが、新規店舗が盛大にずっこけて、仕入れた商品が不良在庫の山となった場合は、危機的な状況に陥るリスクは有ります。

2014年度末の流動資産431億円のうち341億円が商品です。この341億円は将来的な費用となりますので、売れなかった場合はヤバいです。

ただし、ジーフットはイオンの子会社であり、イオングループのショッピングモールへの出店が多いです。地方ではイオンは社会インフラ同然で急速に客足が遠のくリスクは低いですし、リーズナブルな靴のニーズは高いことから、ズルっと滑るリスクは大きくないでしょう。

キャッシュフロー計算書をチェックすると財務的な安全性を捕捉できます。営業キャッシュフローと支払利息等の金融費用を比べたら、事業活動から得た現金で借金を返済する力を確認できます。

「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」という指標があります。その時点の営業キャッシュフローが何年分あれば、有利子負債を返済できるのかという指標です。一般論としては、銀行等の融資時には10年以下が望ましいと言われています。

会社四季報には営業キャッシュフローと有利子負債の金額が載っているので、ネット証券に口座を持っていれば簡単に計算できます。こうした指標をチェックすると、株式投資や社債投資において安全性を確認できます。

トレンドをチェックすることも重要です。絶対値としては問題なくても、年々悪化しているようなら注意が必要です。

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