Apple Pay(アップルペイ)を1年間リアル店舗、アプリ(ネット決済)、Suicaに使ってみて、良い点・悪い点が見えてきました。
おサイフケータイ搭載のAndroidも購入して、Apple Payとおサイフケータイの二刀流で過ごしました。
Apple Payのおサイフケータイとの比較の観点も取り入れつつ、アップルペイを使ってみて見えたメリット・デメリットについて、個人的口コミをまとめます。
前提として、Apple Payの内容、仕組み、使い方については以下にまとめています。
7以降のiPhoneにフェリカの読み取り機と信号をやり取りする機能が搭載されて、フェリカ対応の読み取り機があるコンビニ、自販機、改札などで、iPhoneでの決済が可能となりました。
Apple Payの設定でエラーが出たり、上手く使えない場合は、以下をご参照してください。改善する対策についてまとめています。
意外!アプリやウェブでのお買い物が超便利
Apple Payの注目機能は、やはりSuicaとリアル店舗でのお買い物です。ここにフォーカスが当たっていました。
アプリケーションやSafariのウェブサイト上での支払いにも使えましたが、これは刺身のツマ、ステーキの付け野菜的な存在でおまけにすぎないイメージがありました。
アプリ・ウェブでの支払いは、iPhone 7 / 7 Plus、Apple Watch Series 2だけではなく、iPhone6 / 6sでもiOS10.1にアップデートしたら利用可能です。
支払い手段の選択時にApple Payを選ぶと決済できます。iPhone、iPad、Mac上で利用できます。Android、Windows、Linux等では利用できません。
Mac上でショッピングをしている時は、iPhoneまたはApple Watchで支払いを完了させるように求めるメッセージが自動的に表示されます。ローンチ直後の対応店舗の一例は以下のとおりです。
- ギフティ(giftee)
- じゃらん
- 出前館
- TOHOシネマズ
- 日本交通(全国タクシー)
- ベース
- ミンネ(minne)
- SBI損保の自動車保険
- 軒先パーキング
率直に申しますと、これは微妙なサービスだと思っていました。しかし、実際に使ってみると極めて利便性が高く、意外な戦闘力がありました。
全国タクシー
万人向けなのは全国タクシーです。スマホアプリ上でタクシーを配車できます。降車場所も事前に指定できます。
現在地をGPSで指定できるので、電話して場所を説明してといった手間が不要でサクッとタクシーを呼ぶことができます。降車場所を運転手さんがピンと認識できずに説明に手間取るといった面倒さもありません。
もちろん、現在地以外の場所を指定することもできます。地図から直感的に送迎場所を選択することが可能です。
会員登録やクレジットカードの入力の手間がありません。Apple Payの設定で氏名・連絡先を登録しておけば、アプリでちょちょっと操作してスムーズに呼び出せます。
iPhoneの設定の「WalletとApple Pay」で、配送先住所・メール・電話の設定は変更できます。一度設定したら、あらゆるアプリで共通して使えます。
アプリ「全国タクシー」を起動して、マップ上にあるGPSボタンを押して現在地を呼び出したら、後は画面下部の「Apple Pay」のボタンをタップして、Touch ID(指紋認証)で決済するだけです。
迎車料金も明示されているので安心です。複数のタクシー会社のエリア内の場合は、配車するタクシー会社を選ぶこともできます。ユーザーの評価も表示されます。
面倒な会員登録、クレジットカードの登録が不要なのが絶大なメリットです。タクシーを呼ぶのが極めて便利です。
東京都内では初乗りが410円に下がるということで、2~4人だと近距離での移動がローコストになります。Apple Payでサクッと決済できることもあり、今後はタクシー移動が大変にはかどります。
giftee
gifteeでは、Apple Payボタンをタップするだけで支払いができるようになっています。
タップしてホームボタンに親指を乗せるだけでOKです。Touch IDの認証が通れば決済が完了します。
私はメインカードは三井住友カード プラチナを登録していました。アプリ内決済にはVISAは使えないので、自動的に次に登録した三井住友Mastercardプラチナが選択されました。
メインカード以外は登録した順に表示されます。Walletアプリ内で順番を変えても、アプリでの表示順には影響しません。最もよく使いたいクレジットカードから順に登録しましょう。
カード欄をタップして、自分で好きなカードを選択することもできます。VISAとSuicaはアプリでは使えません。
gifteeではApple Pay開始キャンペーンが行われていました。Apple Pay決済でギフトを買うと、先着2万名に自分にも同じものが貰えます。最初の1つがキャンペーン対象です。
キャンペーン特典のギフトはすぐに送られてきます。「もらったギフト」から確認可能です。
minne
ショッピングサイトのminneでは、買いたいアイテムの画面かショッピングカートで、「Apple Pay」のマークをタップすると、登録してあるクレジットカード・配送先・連絡先・料金等が表示されます。
iPhoneのホームボタンに親指を乗せてTouch IDで指紋認証するだけで、決済が終了します。
ユーザー登録する手間、カード番号・配送先などを入力する手間が不要なので便利です。スムーズな支払いが可能になるので、無駄な入力時間を削減できます。
今後の拡大に期待
アプリ・ネットでのApple Pay決済が便利なのは、新しいアプリ・サイトを使う際に氏名・住所・電話・メール・クレジットカード等の情報を打ち込む手間が不要になる点です。
新しいサービスを使おうかと思っても、これらは七面倒臭いので、使うのを断念するケースも多いですよね。
ショッピングですと新サイトへの打ち込みが面倒なので、同じ商品をAmazon・楽天・Yahoo!・ポンパレモールなど、普段使っているサイトで検索してみて、あったらそっちで買うという方も多いでしょう。
しかし、Apple Pay決済が可能ならば、情報入力が不要なので、新しいアプリ・サービス利用のハードルが格段に低下します。
中小事業者にとっては神威の決済手段です。見知らぬサイト・アプリで情報を入力するというのはハードルが非常に高いです。しかし、Apple Payで支払いができるのならサクサクで簡単です。
今後、Apple Pay払いの導入は着実に拡大していく可能性があります。ユーザーにとってはネット課金・決済がより一層便利になっていきます。
コンビニ等はレジに待つ間スマホを見る!そのまま支払いが可能
Apple Payは登録したクレジットカードに応じてiDかQUICPayが割り当てられて、加盟店にてお買い物が可能です。主要なコンビニ・スーパーは一通り決済が可能となっています。
Apple Payに登録できるクレジットカードについては、以下で徹底的に解説しています。
その中でおすすめ
Apple PayとSuica、国際ブランドの関係については、以下にまとめています。
9時前・お昼休みの時間帯のオフィス近くのコンビニ、夕方の繁華街のコンビニは混んでいて並ぶことが多いです。また、休日のスーパーも混みがち。
並ぶ必要が生じて列で待っている間は、スマートフォンを見ることが多いです。
Apple Payで支払う場合は、見ているスマホでそのままタッチしたら支払えるので、お財布を取り出してカードを出す手間がありません。
やはり着実に便利。カバンから財布を出して更にカードを出して、支払後は受け取ったカードを財布に収納して更にカバンに入れるという手間を削減できて快適です。
ただし、デメリットとしては、Apple Payでの支払いのみだと共通ポイントが貯まらないことです。
ローソンではポイントカード提示で、1%のPontaポイントかdポイントを貯められます。ファミリーマートではTカード提示で0.5%のTポイントが得られます。ファミマTカードの場合はポイントアップデーもあります。
これらの共通ポイントを貯めるためには、結局お財布からポイントカードを出す必要が生じます。
Apple Payにdカードを登録して決済した場合、ローソンでの3%割引は適用されます。しかし、共通ポイントとしての1%のdポイント付与はありません。
モバイルのdポイントカード機能を使うことは可能です。しかし、まずモバイルdポイントカードの画面を出して、次にApple Payで決済する必要があります。
やや冗長でスムーズさに欠けるので、そこまでするならdカード1枚を提示した方が楽と感じました。
ただし、2018年11月からはPontaポイントがApple Payに搭載できるので、ポンタに関してはデメリットが解消しました。
また、ファミリーマートの場合、JALカード特約店であり、ショッピングマイル・プレミアム加入だとJALマイルが2%貯まります。
JALカードは支払金額の端数分は四捨五入となるので、得する場合もあります。例えば150円の支払いの場合は、2マイルではなく4マイル得られます。この場合、マイル付与率は2.67%となります。
JALカード SuicaはApple Payに登録できますけれども、Apple Pay払いでは特約店扱いになりません。
こうしたケースではやはりクレジットカード払いの方がお得です。ちなみにdカードはApple Pay払いでもdカード特約店のポイントアップ対象になります。
ビックカメラSuicaカードを利用して、ビックカメラでお買い物する際はカード本体だと基本10%ポイント還元、Apple Pay(QUICPay)払いだと8%還元です。
最もお得なのはチャージしたSuicaでのお買い物です。1.5%のJRE POINTと10%のビックポイントが得られて合計11.5%が基本となります。
Apple Pay払いだと損をしてしまうので、ビックカメラでお買い物する場合は、Suica払い&ビックカメラSuicaカードかビックポイントカード提示がベストです。
クレジットカード界のレジェンドであり、キャッシュレス決済のカリスマ・菊地崇仁さんも、ビックカメラSuicaカードがSuicaチャージにおすすめとおっしゃっていました。

クレジットカードのレジェンドがプライベートでも保有するのがビックカメラSuicaカードです!
今後の期待としては、Tポイント、Pontaポイント、dポイント、楽天ポイントカード機能もApple Payで使えるようになり、Apple Pay払いすると自動的に共通ポイントも貯まるようになると最強に便利になります。
ローソンのように複数の共通ポイントが貯められる店舗もあるので、貯めるポイントの優先順位を設定できるようになったらベストです。
なかなか難しいとは思いますけれども、Appleの強靭な交渉力なら何とかなりそうな気もします。今後に期待します。
バスの待ち時間はスマホを見る!そのままスイスイ
Apple PayにはSuica機能も搭載されていますね。アップルペイのSuicaについては、以下であらゆる情報についてまとめています。オートチャージも簡単に設定できます。
Apple PayのSuicaチャージでポイントが貯まるクレジットカードについては、以下にまとめています。せっかく使うならポイントを獲得して得できた方がいいですね。
バスの待ち時間はスマートフォンを見る事が多いです。バスが来たら見ているスマホをそのままタッチできるので、非常に利便性が高いです。ユーザーフレンドリーです。
作業が減る、簡単、楽、そういったことに資するアイテムはやはり偉大です。Apple PayやおサイフケータイのモバイルSuicaは便利です。
また、バスを降りる時、電車の改札に向けて列ができている時はスマホを見ながらゆったりと進むことがあります。そのような際にもそのままタッチすればOKなのでスムーズです。
ポケットに常に入っているのが基本のiPhoneでそのままタッチして通過できるのは快適です。一度経験するとやみつきになります。
ビューカードだとオートチャージも設定可能です。オートチャージはVISAブランドでもOKです。
Suica残高が一定金額以下になった場合、JR東日本・PASMO圏内の改札にタッチしたら自動でチャージされるので利便性が極めて高いです。
デメリットとしては、iPhoneの紛失・故障、バッテリー切れの際に使えなくなるリスクが有ることです。
スマホを喪失した時はただでさえダメージがでかいのに、それに更なる打撃が増幅します。Apple PayでSuicaを使うと、iPhoneに対する依存度が増加するので、便利な半面リスクは高まります。
ハイリスク・ハイリターンになります。資産運用でいうと、カードタイプのSuicaとiPhoneを別々に使うのは投資信託、Apple Payは個別株式のようなイメージです。
新幹線もiPhoneで乗れる!
2017年10月23日からは、Apple PayのSuicaでJR東海のエクスプレス予約が利用できるようになりました。
着実な割引を享受でき、iPhoneでサクサクと新幹線に乗車できます。
2017年9月には、Suicaなどの交通系ICカードだけで、東海道・山陽新幹線(東京~博多間)に乗れる「スマートEX」が登場しました。Apple PayのSuicaでも利用可能です。
新幹線の費用はクレジットカードでの支払いとなります。VISA・Mastercard・JCB・アメックス・ダイナースクラブであればOKです。年会費は無料で簡単にスマホやPCで予約できます。
iPhoneやApple Watchで簡単に、新幹線にスムーズに乗車できるのがメリットです。
しかし、料金面での割引は小さいのがエクスプレス予約と比較したデメリットです。特定都区市内制度の適用もありません。
スマートEXをモバイルSuicaで使う手順、留意点については、以下にまとめています。
JR東日本の新幹線では、利用開始の登録をするだけで在来線のようにSuica・PASMOをタッチするだけでOKのサービスが開始しました。
2020年3月14日からはインターネットで予約するとJR東日本の新幹線にSuica・PASMO・Kitaca・ICOCA等の交通系ICカードで乗車できるサービスが開始しました。
iPhone XのFace IDでもSuicaは便利
iPhone Xではホームボタンの廃止に伴い、Face IDでの顔認証でApple Payの認証も行うことになりました。ただし、Suica払いの際はこれまで通り認証は不要でかざすだけでOKです。
Face IDの認識は高精度であり、スムーズに爆速で顔認証されることがほとんどなので、操作はより手軽になりました。
ただし、写真やマスク着用によるなりすまし予防技術があり、マスクをつけている場合は顔認証が失敗します。マスクを下にズラして唇を出す必要があります。
顔認証が必要なのはiDかQUICPay払いの時のみです。エクスプレス設定したSuica払いの際はこれまで通り認証は不要でかざすだけでOKです。
ただし、エクスプレスカードに設定したSuicaでも、店舗や自動販売機によってはTouch ID/Face IDを求める場合があります。
その場合はWalletアプリを起動して、利用するSuicaを選択して決済することになります。
一例として、コカ・コーラのSuicaが使える自販機で支払おうとしたところ、決済端末に当てるだけではダメでした。
おそらく支払う方法(iDかQUICPayかSuica)が確定しないと、Walletアプリが起動しない仕様になっているんだと思います。
自販機の場合は電子マネーを選ばずにそのまま近づけるため、アップルペイが自動起動しないと推測しています。
iPhone XのApple Payで支払う際にはサイドボタンをダブルクリックする必要があります。顔認証は自然に終わって後は二重押しするというイメージです。
しかし、Suica払いの場合はサイドボタンのダブルクリックも不要なので、引き続きiD/QUICPayよりもスムーズに支払うことが可能になっています。
Face IDによる顔認証が導入されたApple Payの使い方、注意点、感想については以下にまとめています。
iPhoneの機種変更の際、Apple Payの設定を移行する方法については以下で解説しています。
おサイフケータイとの比較が重要
iPhone 7でApple Payを使ってみたところ、非常に壮快でライフハックでした。しかし、アプリ・Webでの決済以外(お買い物・Suica)はApple Payの専売特許ではありません。
Android・ガラケーには既におサイフケータイというサービスが何年も前から利用できました。Apple Payのニュースを見て、「今更」とお考えになった方も大勢いらっしゃるでしょう。
私はこれまで1~2年に1回スマホを新しくするという人生を歩んできましたので、機種変更の度に手続きをするのが面倒で、おサイフケータイは使ってきませんでした。
Apple Payを語る上では絶対にAndroidのおサイフケータイを体験しなければならないと思いましたので、富士通のSIMフリー・おサイフケータイAndroidスマホも買って使いました。
arrows M03が新発売して旧モデルのarrows M02の価格が下落していたので、買いました。サブ端末でスペックが低くてもよかったので値段重視にしました。
[amazonjs asin="B017H5631U" locale="JP" title="(SIMフリー)arrows M02 Black"]
やはり何事も比較検討が重要です。iPhone以外のスマホを使う選択肢がないという方も大勢いらっしゃると思いますが、AndroidでもiPhoneでもどちらでもOKという方も多いでしょう。
そのような場合は、Apple Payとおサイフケータイを比較検討して、その他の要素も加味してiPhone、Android、ガラケーのどれを使うのかを決めることになります。
Apple Payの方が優れている点
設定の簡単さ
Androidのおサイフケータイと比較してApple Payの方がいいのは、初期設定の容易さ・簡単さです。ユーザーフレンドリーなインターフェイスになっており、楽に登録できます。
クレジットカードをカメラで読み込んで、セキュリティコードを入力して、SMS等で認証するだけでOKなので楽です。
クレジットカード会社に携帯電話の番号を登録していない場合は、SMS認証ができずに、コールセンターでの電話確認が必要になる場合が多いです。
クレジットカード会社に携帯電話の番号を登録していると、SMSでスムーズな認証が可能です。
Suicaも新規登録は簡単ですし、既存のSuicaの移行も読み取るだけとスムーズです。
Androidの場合は、クレジットカード会社に申し込んでID・パスワードを受け取って入力するやり取りが必要になり、手間がかかります。
この「ご利用までの手順」を見ただけで「もういいや」となる方も多いでしょう。ここは改善してほしいところです。
iDはもう少しシンプルですが、2のクレジットカードを登録の作業はQUICPay同様のやり取りが必要になり、時間がかかります。場合によっては審査が必要になるケースがあり、利用開始まで時間がかかるケースもあります。
端末を機種変更したり交換する場合もApple Payの方がスムーズです。再度読み取るだけでOKです。おサイフケータイの場合、機種変更・再発行の手続きが必要になります。
1~2年に1回スマホを乗り換える方ですと、その度に手続きするのは面倒なので、iPhoneの方がストレス・フリーです。
Suica機能
Apple Payは既存のSuicaカードを簡単に取り込める点に大きなメリットがあります。クレジットカードと同様にスムーズに登録できます。
また、クレジットカードと合わせて8~12枚でApple Payには登録できるので、複数枚のSuicaを登録できます。プライベートとビジネスで使い分けたい場合は便利です。
Apple Watch Series 3、iPhone X / 8 /8 Plusでは12枚、それ以前のモデルでは8枚が上限です。実際にiPhone Xで12枚登録できました。
iOS11にアップデートしたiPhone7では、依然として8枚でした。
Suica残高にチャージして電車・バスに乗ったりお買い物するだけなら、会員登録が不要なのもApple Payのメリットです。
Suicaアプリ内ではVISAでもチャージ可能です。Walletアプリ内でチャージしたい場合は、JCBかMastercardが必要です。
既にVISAブランドのビューカードを保有している場合でも、新しくJCBかMasterCardを発行することが可能です。
WalletアプリでSuicaカードを削除したら、自動的にiCloudのサーバーにSuicaの情報が保存され、他のiPhoneで簡単に再ダウンロードできるのも便利です。
機種変更・交換の場合が便利です。おサイフケータイの場合は機種変更の手続きが必要になります。
デメリットとしては、iPhone→おサイフケータイの機種変更は不可能である点です。おサイフケータイの場合、おサイフケータイ→おサイフケータイはもちろん、おサイフケータイ→Apple Payも可能です。
Suica定期券・Suicaグリーン券・JR東海のエクスプレス予約の機能は、Apple Payもおサイフケータイも使えて引き分けとなっています。
年会費
Suica機能を使う場合、Apple Payはどのクレジットカードを登録した場合でも、年会費が無料です。
他方、Android・フューチャーフォンのおサイフケータイですと、ビューカード以外のクレジットカードを登録した場合は、953円(税抜)の年会費が発生します。
iD・QUICPayに関しては、どちらも年会費が無料ですね。Suicaの年会費については、Apple Payにエッジ・優位性があります。
セキュリティ
Apple PayでiDまたはQUICPayで支払うためには、Touch IDで指紋認証する必要があります。
Walletアプリを起動して支払うカードを選択する必要はありません。メインカード以外のカードで支払う場合は、Walletアプリを起動する必要があります。
1枚しかカードを登録していない場合は、カードを選ぶ必要はありません。複数のカードを登録していて、メイナード以外もよく使う場合は工夫が必要です。
iPhoneの設定の「WalletとApple Pay」で、「ロック中にアクセスを許可」の「ホームボタンをダブルクリック」をONにすると、スリープ中でもスムーズな支払いが可能になります。
ダブルクリックでApple Pay起動の設定を行えば、それ以降はスリープ状態の場合、ホームボタンをダブルクリックして指を置いておけばOKです。
Walletアプリを起動していても、指紋認証せずにタッチしても無反応になってしまいます。
iPhone Xの場合はFace IDによる顔認証となり、ダブルクリックして顔認証する必要があり、やや時間がかかります。
これはデメリットである反面、紛失・故障時の不正利用がミッション・インポッシブルとなるので、セキュリティ面では優れています。
他方、おサイフケータイはかざすだけで決済できるので、他者がお買い物できてしまいます。「おサイフケータイロック(iCカードロック)」機能はありますが、使う時に設定解除する手間が生じます。
https://www.youtube.com/watch?v=2dDufsxWhr0
ただし、Suica利用に関しては、Apple Payもエクスプレス設定したSuicaは指紋認証なしに使えるので不正利用のリスクが残ります。
おサイフケータイの方が優れている点
身近なコンビニでは、ローソンでは、どの電子マネーで決済するか自分で選ぶ必要があり、Apple Payだと二度手間になるのが面倒で、おサイフケータイの方が優れている点でした。
これはローソンの決済端末の変更で解決しました。その他、以下の点が残っているおサイフケータイの優位性です。
使える電子マネー・ポイント等の種類
Apple Payで利用可能なのは、当初はiDかQUICPay、おサイフケータイ、ANA SKiPサービス、SPG・マリオットの会員証などです。
おサイフケータイの方が利用できるサービス数は圧倒的に多いです。対応している電子マネー・ポイント・チケット等のサービスは以下のとおりです。
ジャンル | サービス名 |
---|---|
電子マネー | 楽天Edy、WAON、nanaco、モバイルSuica、モバイル スターバックス カード、iD、QUICPay |
航空券 | ANA SKiPサービス、JALタッチ&ゴーサービス |
クーポン | マクドナルド、コスメキッチン |
会員証・ポイント | dポイントカード、ゴールドポイントカード、ローソンモバイルPonta、東京ドーム TDモバイル2、モバイルTカード、スマホサイフ、ビックポイントケータイ |
チケット | ticket board、札幌ドームチケットレスサービス らくスルー |
モバイル スターバックスカード、ANA SKiPサービス、JALタッチ&ゴーサービス、dポイントカード、マクドナルド、Ponta・Tポイント等のモバイルポイントカード機能は、iPhoneのアプリでも代替できるので必要性はさほど高くありません。
しかし、楽天Edy、WAON、nanacoという利用頻度が高い電子マネーが使えるのはおサイフケータイの大きなメリットです。
楽天Edy
楽天Edyは利用できる店舗が日本最大級のプリペイド型の電子マネーです。全国各地の多様なお店で使えますし、ポイントも貯まって便利です。使える主な店舗は下表の通りです。
ジャンル | 店名 |
---|---|
コンビニ | セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマート、スリーエフ、ポプラ、生活彩家、ローソンストア100、ローソンマート |
スーパー | イトーヨーカドー、サミット、マルエツ、ドン・キホーテ、やまや、アピタ、ピアゴ、平和堂、阪急オアシス、サンエー、オークワ、キューピット、鎌倉屋、近商ストア |
ドラックストア | マツモトキヨシ、ウエルシア、ツルハドラッグ、ココカラファイン、セイジョー、スギ薬局、薬王堂、ドラッグセガミ、クスリのアオキ、くすりの福太郎 |
カフェ | プロント、銀座ルノアール、コメダ珈琲店、ミスタードーナツ、上島珈琲店、楽天カフェ |
食事 | マクドナルド、吉野家、モスバーガー、ガスト・バーミヤン・ジョナサン等のすかいらーくグループ、リンガーハット、すき家、壱番屋、ロイヤルホスト、La Pausa等のコロワイドグループ、肉の万世、安楽亭、はなの舞、かっぱ寿司、ドミノ・ピザ |
本・CD/DVD | 紀伊國屋書店、ブックオフ(直営店)、TSUTAYA、八重洲ブックセンター、タワーレコード渋谷店 |
家電 | ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ケーズデンキ、エディオン、コジマ、ソフマップ、PC DEPOT、上新電機 |
カフェ | タリーズコーヒー、ルノアール、サンマルクカフェ、上島珈琲店、椿屋珈琲店、楽天カフェ |
百貨店・雑貨・モール | 高島屋、ロフト、阪急百貨店、阪神百貨店、コレド日本橋、コレド室町、東京駅一番街、アクアシティお台場、ららぽーと、プレミアム・アウトレット、仙台三越、名鉄百貨店(本店) |
ホテル | ANAホテル、ルートインホテルズ、リッチモンドホテル、東急ホテルズ、ダイワロイネットホテルズ |
交通・空港 | ANA FESTA、全国の主要空港、タイムズ、NEXCO中日本、NEXCO西日本、ニッポンレンタカー、マツダレンタカー |
ファッション | はるやま、ライトオン、PSFA、コナカ、GAP、フタタ、SUIT SELECT、メガネスーパー |
その他 | ヤマト運輸、ビッグエコー、SHIDAX、歌広場、自遊空間、てもみん、acure、ホワイト急便、QBハウス、サンリオピューロランド |
チャージ時のポイントと利用時のポイントで、ポイント二重取りができる点もメリットです。
楽天Edy(カードタイプ)は、利用金額200円(税込)ごとに、楽天ポイント1ポイントが貯まるのが原則です。還元率0.5%です。
おサイフケータイで使う場合は、貯まるポイントを多様なポイントやANAマイルから選べます。還元率はいずれも0.5%です。
楽天ポイント以外のポイント(Pontaポイント・Tポイント等)やANAマイルを貯めたい場合は、おサイフケータイがベストです(※貯めるポイントの登録手順はこちら)。
また、楽天Edyと楽天ポイントは、1対1で相互に交換することができます。
おサイフケータイ搭載のスマホ・ガラケーがある場合は、さくっとチャージできるのでおサイフケータイでの利用が便利です。
カードタイプのEdyは店頭やカードリーダーでチャージする手続きが必要となります。ファミリーマートではオートチャージの機能もあります。
楽天Edyで貯めた楽天ポイントはEdyへの交換、PontaポイントはLoppiお試し引換券、Tポイントはウエルシア関東で20日に使うと還元率が上がります。
その他、楽天Edyの詳細については、以下で徹底解説しています。
WAON / JMB WAON
WAONはイオングループの電子マネーですね。お得なベネフィットが満載であり、おすすめの電子マネーの一角に挙げられます。
イオングループだけではなく、多種多様な店舗(WAON加盟店)で利用可能。WAONが使える主なお店の一覧は下表のとおりです。
ジャンル | 店名 |
---|---|
ショッピングセンター/スーパー等 | イオン、イオンスーパーセンター、イオンタウン、イオンモール、ダイエー、ダイエーグルメシティ、マックスバリュ、マックスバリュエクスプレス、ウェルマート、キミサワ、コーヨー、ザ・ビッグ、サンデー、ホームセンタージョイ、東急プラザ、ピーコックストア、ビブレ、フォーラス、ホームワイド、まいばすけっと、マルナカ、ジャパン、フジ、ディスカウントマーケット アコレ、千歳アウトレットモール・レラ、JRタワー |
コンビニ | ファミリーマート、ローソン、ナチュラルローソン、ローソンストア100、ポプラ、生活彩家、ミニストップ、スリーエイト、セイコーマート |
薬局・ドラッグストア | イオンボディ、ウェルシア、ドラッグストアウェルネス、くすりの福太郎、ダックス、ツルハドラッグ、スギ薬局、ジャパン、ハックドラッグ、レディ薬局、キリン堂、セイムス、サツドラ |
家電 | ビックカメラ、エディオン、コジマ、ソフマップ、Joshin |
その他ショッピング | BLUE SKY(空港店舗)、acure、イオンバイク、イオンリカー、グリーンボックス、酒ゃビッグ、スポーツオーソリティ、武田メガネ、未来屋書店、メガネのヨネザワ、R.O.U、イオンペット |
カーライフ | ヤマト運輸、コスモ石油、大和自動車タクシー、NEXCO西日本 |
飲食店 | マクドナルド、吉野家、コメダ珈琲店、オリジン弁当、上島珈琲店、CoCo壱番屋、かっぱ寿司、小僧寿し、ステーキのどん、安楽亭、七輪焼肉 安安、中華東秀、ドミノ・ピザ |
レジャー・旅行 | USJ、JALホテルズ、ニッコー・ホテルズ、イオンシネマ、藤田観光(ワシントンホテル・グレイスリー・椿山荘等)、ルートインホテルズ |
WAONは発行手数料がかかるタイプのカードもありますが、無料で手に入れることも可能です。
Edyと同様に200円あたり1ポイントが得られます。還元率0.5%です。イオンカードセレクトからのチャージだと、チャージにもポイントが得られてポイント二重取りが可能です。
イオンカードセレクトはイオン銀行Myステージでの優遇もあり、銀行がお得になるクレジットカードの筆頭に挙げられるハイ・クオリティー・カードです。
クレジットカードの専門家・岩田昭男さんも、おすすめの「スーパーでお得なカード」としてイオンカードセレクトを挙げられていました。
イオンカードはショッピング保険でスマホが対象なのも大きなメリット。他社カードのショッピング保険はスマートフォンが対象外のことが多いです。
しかも期間は180日間とたっぷりで、年間50万円まで補償されます。年会費無料のクレジットカードとしては秀逸なクオリティです。
クレジットカードのレジェンド・菊地崇仁さんは、保険が充実しているカードとしてイオンカードセレクトを挙げていらっしゃいました。
その他、WAONの使い方、使えるお店などの詳細については以下で徹底解説しています。
WAONには新しくWAON POINT機能も追加され、利用時の200円あたり1ポイントとは別に、イオングループでは月間利用合計額が500円ごとに1ポイント(最大0.2%)が得られるようになりました。
WAONには200円あたり1 JALマイルが貯まる「JMB WAON」もあります。マイル付与率0.5%です。
マイルを特典航空券で利用する場合は、1マイルの価値が1.5円以上になるので、
JMB WAONへはJALカードでチャージすると、チャージ時と利用時にマイルを二重取りできます。マイラーですとかなりお得となります。
一部のJALカードはWAONチャージがポイント付与対象外なので注意しましょう。JALカードの種類・スペック・特徴などの比較については、以下で徹底的に解説しています。
2016年2月からは、ミニストップで切手・はがき・収入印紙・ゆうパック・ギフトカードの購入時にWAONで決済できるようになりました。
WAON/JMB WAONでこれらを支払う際にはマイルは付与されませんが、チャージした時のポイントかマイル付与はあります。
nanaco
セブン-イレブン・イトーヨーカドー等のセブン&アイグループの電子マネーです。nanacoは支払いで100円あたり1nanacoポイントが得られます。還元率1.0%です。
nanacoは税金や公共料金の支払いで得することができて、人気が高い電子マネーです。おすすめの電子マネーであるnanacoについては以下で徹底解説しています。
nanacoチャージでポイントが貯まるクレジットカード、チャージの利用限度額、金券類の利用限度額を高くできるカードについては以下で徹底解説しています。
nanacoカードは300円の発行手数料がありますが、イトーヨーカドーで8日・18日・28日は無料で作れます。
イトーヨーカドー以外でも、発行手数料を実質的に無料にできるキャンペーンが定期的に開催されています。
nanacoも一部のクレジットカードからのチャージではポイント二重取りが可能です。最も還元率が高いのはリクルートカードの1.2%です。
ポンタは普通に使うと1ポイント1円ですが、ローソンの「Loppiお試し引換券」を使うと、10~330ポイントで多種多様な商品と代えられます。
ポン活でPontaを使うと、1ポイント1.5~3円のお得なレートでお菓子・飲み物・酒類などに交換できます。詳しくは以下のエントリーにまとめました。
PontaポイントはJALマイルと2ポイント単位で細かく交換できる点もメリットです。リクルートカードについては以下にまとめています。
専門家がおすすめのJCBカードでもあり、実際に発行して使い倒したところ、日々のお買い物や電子マネーチャージでザクザクとポイントを得られました。
楽天ポイントが貯まる楽天カードからのnanacoチャージも便利でお得です。年会費無料で還元率1.0%で楽天ポイントが貯まります。
楽天ポイントカードを使うと、リアルの加盟店で楽天ポイントを使えます。期間限定ポイントの小口消化も便利になりました。
楽天ポイントは数多くのお店で使える楽天Edyにも交換できます。楽天カードと楽天ポイントは本当に便利になりました。
まとめ
Apple Payはアプリ・Webでの決済が凄まじく便利です。意外な盲点でした。使ってみないと分からないメリットでした。
アプリ「全国タクシー」を使うと、スマホで瞬時にタクシーを爆速で呼び出せて、降車位置も事前に指定できます。家の場所の説明が面倒といった手間もありません。
新しいアプリ・サイトの会員登録・クレジットカードの入力といった手間がないので、劇的にオンラインショッピングがはかどります。
この機能はFeliCaが搭載されていないiPhone6 / 6sでもiOS10.1にアップデートしたら利用可能です。特に全国タクシーはおすすめです。今後は対応アプリが拡大していくことが見込まれます。
コンビニ等での支払いは、レジに並ぶ場合はスマホを見ることが多いので、iPhoneをそのままかざせばいいのでスムーズです。バス乗車時、降車時、列に並んでゆっくりと改札に向かう時も同様です。
ただし、ローソン・ファミマ等共通ポイントが貯まるお店だと、結局ポイントカードを出す必要が生じるので、ポイントを使う場合はメリットは減退します。
今後、Apple Payに共通ポイントが搭載されて、Apple Pay払いすると自動的に共通ポイントも貯まるようになると身震いする程に便利になります。激しく期待します。
おサイフケータイと比較した時のメリットは、設定の簡単さ、ビューカード以外のクレカ利用時のモバイルSuica年会費無料、セキュリティ面です。
他方、見劣っている側面は、エクスプレス予約で東海道・山陽新幹線に乗れない点、楽天Edy・nanaco・WAONが使えない点です。
これらのメリット・デメリット、iPhoneとAndroid・ヒューチャーフォンの他の要素の比較を総合考慮した上で、Apple Payとおサイフケータイのどちらを使うかを決めることになります。
Apple Payを使ってみた感想としては、ポケットに常に入っているのが基本のiPhoneでそのままタッチして通過できるのは快適です。一度経験するとやみつきになります。
作業が減る、簡単、楽、そういったことに資するアイテムはやはり偉大です。Apple Payやおサイフケータイの利便性は圧巻です。
デメリットとしては、iPhoneの紛失・故障、バッテリー切れの際に使えなくなるリスクがあることです。
また、Apple Payに慣れると、iPhoneから他の端末に乗り換える心理的ハードルが上がる点もあえて挙げるならデメリットと言えるかもしれません。一生iPhoneという方にとっては無関係の話です。
逆にアップルの立場からは、まさにそれを狙っていると思います。決済サービスは、顧客の囲い込みに資する側面があります。
スマホを喪失した時はただでさえダメージがでかいのに、それに更なる打撃が増幅します。
Apple Payをフル活用していくと、iPhoneに対する依存度が増加するので、便利な半面リスクは高まります。紛失・盗難にはより一層気をつける必要があるでしょう。