確定拠出年金(401k)という制度があります。愛称は「iDeCo」(イデコ)です。絶大な節税メリットがあり、所得税・住民税を大きく減税することが可能です。
イオングループのイオン銀行も、みずほ銀行と提携して確定拠出年金(個人型)を導入しています。
屈指の低コスト、超低コストのインデックス投信が魅力的で、長期的な積立・資産形成に資する取扱商品となっています。
イオン銀行の個人型確定拠出年金(iDeCo)のラインナップ、メリット、デメリットについて気になる方もいらっしゃるでしょう。
そこで株式投資に関する書籍を上梓した専門家が、株式投資で億り人になった経験を活かし、イオン銀行のiDeCoについて多様な角度で徹底的に解説します。
確定拠出年金の概要
確定拠出年金は公的年金とは異なり、賦課方式ではなく積立方式となっています。自分で積み立てたお金を運用した結果を、老後に受け取る方式です。
確定拠出年金(iDeCo)は所得税・住民税の節税メリットが大きい制度です。最近話題のNISAはあくまで出た利益が無税になるのであり、不確実性は存在します。
しかし、確定拠出年金は確実に所得税・住民税が減税されます。リスク・ゼロには大きなメリットがあります。
定期預金などの低リスク資産での運用も可能なので、控除できる所得がある場合は大きな利点があります。詳細は以下で徹底解説しています。
同じく節税制度であるNISAは利益が出て初めてメリットがありますが、確定拠出年金は利益が出なくても絶大なメリットがある制度です。
個人型確定拠出年金、NISA、つみたてNISAの違いについては、以下で比較しています。いずれも100万円の資産運用でも活用できる制度です。
企業型の確定拠出年金は金融機関の選択の余地がありません。個人型のiDeCoは多数の金融機関から選ぶ必要があります。
なお、万が一iDeCoの口座を開設した金融機関(運営管理機関)が破綻したとしても、iDeCoの資産が削減されることはありません。
個人型確定拠出年金の運用資産は信託財産として信託銀行で管理されているので保全されます。ただし、新しい運営管理機関へ変更するための手続きが必要です。
おすすめの銀行・証券会社については、以下にまとめています。
個人型確定拠出年金の選択において重要なのが、手数料と商品ラインナップです。その点についてイオン銀行のiDeCoの内容を徹底的に解説します。
手数料
iDeCoの利用にあたって支払う手数料は、加入時にかかる手数料と毎月発生する手数料の2種類があります。
初回手数料は、国民年金基金連合会に支払う2,829円(税込)は、どの金融機関でも同じです。
金融機関に支払う手数料としては、個人型確定拠出年金への新規加入時は「加入時・移換時手数料」、iDeCo金融機関を変更した時は「運営管理機関変更時手数料」がかかります。
イオン銀行はなんと申込時の手数料が無料でバリューが高いです。期間限定のキャンペーンではなく、恒常的な制度として無料としており高く評価できます。
区分 | 初期手数料(イオン銀行) |
---|---|
金融機関 | 無料 |
国民年金基金連合会 | 2,829円 |
初期手数料合計 | 2,829円 |
毎月のランニングコストは、国民年金基金連合会に支払う105円・信託銀行に支払う66円(合計171円)はどの金融機関でも同じです。
金融機関に支払う「口座管理手数料」は、イオン銀行は無条件で無料です。これはネット証券No.1のSBI証券、No.2の楽天証券と同じでバリューが高いです。
資産残高50万円以上だと無料といった条件はありません。運営管理手数料が0円となり、イオン銀行のiDeCoは口座管理手数料をパーフェクト・フリーで利用できます。
手数料区分 | イオン銀行 | SBI証券、楽天証券 マネックス証券、松井証券 |
---|---|---|
証券会社 | 無料 | 無料 |
国民年金基金連合会 ・信託銀行(月) | 171円 | 171円 |
維持コスト合計(年) | 2,052円 | 2,052円 |
イオン銀行のiDeCoは運営管理手数料・口座維持手数料が無料であり、日本の確定拠出年金(個人型)の中で文字通り最安値です。
「最安値水準」ではなくて文字通りの「最安値」です。
なお、2018年から拠出単位が年単位となり、年1回以上拠出すればOKとなりました。月々の支出は厳しいご家庭の場合は、ボーナス月のみ拠出することも可能です。
月々の拠出額をゼロにして、12月に限度額全部を一度に支払うと、国民年金基金連合会に支払う手数料は1年で103円で済みます。月103円の手数料は拠出月しか発生しません。
拠出限度額は経過済みの月数分で、同一年のまだ到来していない期間の分は拠出できないので、1年分をまとめて一括で支払えるのは12月のみです。
取扱商品
イオン銀行の確定拠出年金(個人型)の商品一覧は下表のとおりとなっています。
投資対象 | 商品名 |
---|---|
預金 | イオン銀行iDeCo定期預金 5年(元本確保) |
国内株式型 | DIAM DC 国内株式 インデックスファンド |
ひふみ年金 | |
フィデリティ・日本成長株・ファンド | |
国内債券型 | たわらノーロード 国内債券 |
国際株式型 | たわらノーロード 先進国株式 |
DIAM新興国株式インデックスファンド <DC年金> | |
ピクテ・グローバル・インカム 株式ファンドDC(愛称:グロインDC) | |
国際債券型 | たわらノーロード 先進国債券 |
たわらノーロード 先進国債券 <為替ヘッジあり> | |
三菱UFJ DC新興国債券 インデックスファンド | |
国内REIT | たわらノーロード 国内リート |
海外REIT | たわらノーロード 先進国リート |
バランス | マイバランス30(確定拠出年金向け) |
マイバランス50(確定拠出年金向け) | |
マイバランス70(確定拠出年金向け) | |
イオン・バランス戦略ファンド (愛称:みらいパレット) |
元本確保はイオン銀行iDeCo定期預金(5年)のみで、他は元本割れのリスクがある投信です。運用をお任せしたい方向けのバランス型ファンドもあります。
投資信託は基本的には低コストのインデックス投信が無難です。この点、イオン銀行の確定拠出年金(個人型)は、買ってもいいと言える低インデックス投信が多数揃っています。
国内・海外の株式・債券・REITを自由自在に組合せることができるラインアップとなっています。
iDeCo以外では、投資信託、NISAを提供しているイオン銀行が、既存のノウハウを存分に発揮しており、ハイ・クオリティーの構成です。
「商品数が多すぎて選べない」という初心者の声に配慮しつつ、特徴ある新興国の株式ファンドや低信託報酬のインデックスファンドもあり、投資経験者のニーズにも応えられる商品構成となっています。
国内・海外の株式・債券に加えて、REITに投資する投信もあります。初心者から投資経験者まで、幅広いニーズを充足する商品ラインアップとなっています。
その他、手数料、信託報酬が安いiDeCoとしては、SBI証券、楽天証券があります。詳細は以下にまとめています。
SBI証券のiDeCoには新しくセレクトプランが登場して、従来のプランが「オリジナルプラン」となってどちらか好きな方を選べるようになりました。
楽天証券とSBI証券のiDeCoの比較については、以下で徹底的に分析しています。
以前に楽天証券を訪問して、iDeCoについて取材しました。管理画面のインターフェイスの工夫、シングル・サインオンの仕組みが独自のメリットです。
その他サービス内容・手数料
イオン銀行の口座がなくても、イオン銀行の確定拠出年金(個人型)には申し込めます。
他社からの移管は可能です。企業型確定拠出年金の積立金が、6か月以内に手続きをしなかったため特定運営管理機関に自動移管されてしまった場合でもOKです。
Web(インターネット)サービス及びコールセンター(電話)サービスを通して、サポートを受けられます。
会員サイトでは、現在の資産状況・資産配分状況の照会やスイッチング(預替え)・掛金の配分指定の割合変更、メッセージボード(問い合せ)などを利用できます。
運用商品内容の確認、手続書類の請求、規約や、確定拠出年金制度・資産運用の基礎知識、各種手続きも確認できます。
手数料なしで運用指図ができます。会員サイトやコールセンターで、毎月の購入商品・購入割合の指定(掛金の配分割合)、保有商品の売却と他の商品の購入(スイッチング/預替)が可能です。
イオン銀行 iDeCo 確定拠出年金コールセンターの電話番号は「0120-081-600」です。フリーダイヤルを利用できない場合、03-6161-0660にかければOKです。
オペレーターの対応時間帯は、月曜日~金曜日は9:00~21:00、土・日曜日・祝日・振替休日は9:00~17:00(12月31日~1月3日、GWの一部・メンテナンスの日を除く)です。
受取方法は、「全額一時金」、「年金」の2種類があります。年金は年金保険のように残高を分割して徐々に受け取っていく方式です。
年金開始後5年を経過した場合、その時点での資産残高を一括で一時金として受け取ることも可能です。年金と一時金の併用も可能です。
老齢給付金(または障害給付金)を年金で受け取る場合の支給期間は、5年以上20年以下の年単位で指定できます。
5年か10年からしか選べない金融機関も多いので、選択可能な年数が多いのはイオン銀行のエッジ・優位性です。年間支給回数は年1回・2回・4回・6回からの選択制です。
都度手数料は老齢給付金等の受取の際、支払ごとに400円(税抜)が発生します。一時金で受け取る場合は1回のみでOKです。
掛金の還付(加入資格が無かった場合等)を受ける際の手数料は1,461円(税込)です。これは通常は発生しません。
拠出した掛金の所得控除(税金の還付)は確定申告しなくても、年末調整でOKです。
SMART FOLIOで資産配分をレコメンド
イオン銀行のiDeCoでは「SMART FOLIO」(スマートフォリオ)というツールを利用できます。スマートとポートフォリオを組み合わせた造語です。
みずほ銀行の確定拠出年金(個人型)で提供されているものと同じ仕組みとなっています。
いくつかの質問で「リスク許容度診断」が行われて、安定的な資産形成をサポートするため、賢く(スマートに)、リスク分散した資産構成(ポートフォリオ)を提案してくれます。
具体的には以下の質問が表示されるので、数字を入力するか、該当する項目を選択します。
質問 | 回答 |
---|---|
現在の年齢は? | 最大99歳 |
現在の年収は? | 最高9億9999万円 |
項目のうち、幾つ当てはまりますか? | ・金融商品のリスクとリターンの関係について理解している ・中央銀行の政策が家計・企業に与える影響を理解している ・諸外国の代表的な金融・経済指標などに基づいて、世界経済の動向を理解している ・金融商品(預貯金、投資信託、保険等)の基本的な内容および性質について理解している |
経済情勢の変化によって、運用資産に1ヶ月で20%の損失が生じた場合、どうしますか? | すべての運用資産を売却する 一部の運用資産を売却する 投資方針は変えない(保有し続ける) 追加投資を行う はじめから元本確保型商品にしか投資しない |
100万円を1年間投資した場合の想定運用結果(上振れケース/下振れケース)を見て、 投資するとしたら、どのポートフォリオに魅力を感じますか? | 100万円 97万円~105万円 93万円~111万円 88万円~118万円 83万円~125万円 78万円~133万円 |
診断結果が表示されて、リスク許容度、自分のリスク許容度から算出した資産配分、過去の実績、将来想定される投資結果、国別構成比をチェックできます。
イオン銀行のiDeCoまとめ
イオン銀行の確定拠出年金の新プランでは、手数料が業界屈指の低水準となり、幅広いアセットクラスにおいて優良な低コスト投信が揃っています。
ポートフォリオを好みに応じて組み立てることが可能です。初心者から投資経験者まで幅広く活用できます。
これまではSBI証券、楽天証券、野村證券、日本生命、みずほ銀行などが確定拠出年金(個人型)の選択肢として有力でしたが、今後はイオン銀行も有力な選択肢です。
イオン銀行の個人型確定拠出年金はリーズナブルな手数料、優良な低コストインデックス投信にエッジ・優位性があります。iDeCoの口座を開設する有力候補の一つです。
iDeCo以外でも、イオン銀行はお得なキャンペーンが満載となっています。上手く活用すると家計の手助けになります。
イオン銀行ではつみたてNISAも利用することが可能です。