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中国・韓国・香港・シンガポールの人口ボーナスは、2015年前後に終わる

更新日: マーケット・経済の分析

やがて消えるろうそく

幾多の有名な株価指数を算出しているMSCIが、株価指数の分類見直しで中国A株をMSCI新興市場指数に組み入れないことを明らかにしました。また、韓国と台湾については、先進国市場に格上げする検討対象から外しました。

理由としては、現地通貨との限定的な兌換性や市場アクセスといった側面をあげています。

2000年代は破竹の快進撃を見せ、ほんの数年前までは2010年代はアジアの時代(除く日本)になると言われていました。

しかし、国連の「World Population Prospects The 2004 Revision」に掲載されていた人口動態は、アジア諸国(除く日本)の将来にも楽観視できない側面があります。


人口ボーナスの終焉

前述の資料には、アジア諸国の人口ボーナスの終了時期が載っていました。人口ボーナスとは、生産年齢人口が多く、豊富な労働力が供給され、活発な消費が行われることから、経済発展が後押しされる時期です。

中国、韓国、香港、シンガポールなどは2015年頃に人口ボーナスが終了するそうです。ベトナム、マレーシアは2020年頃、インドネシアは2030年頃、インドは2035年頃のようです。

国の経済成長は、一般的には、労働投入や資本投入や全要素生産性で決まると言われています。

労働投入に着目すると、農業国家が工業国家に発展していく過程で、農村部の労働力が都市部に流入し、経済が成長します。しかし、労働供給に制約が出始めると、賃金の上昇が発生し、工業化のコストを押し上げ、生産能力拡張に限界が出てきます。

この労働供給の制約が発生し始めた時期は「ルイスの転換点」と呼ばれており、イノベーションで全要素生産性を高めないと、成長率が低下することになると言われています。

生産年齢人口のピークの前後に波乱

日本の生産年齢人口のピークは1992年ごろであり、株価・不動産価格のピークとほぼ一致しています。

米国の生産年齢人口のシェアは2007年にピークアウトしており、直近の株価・不動産のピークとほぼ一致しています。米国の生産年齢人口のシェアは、米国商務省の推計によると、2022年頃まで低下すると予測されています。

中国は2015年頃までに生産年齢人口の比率がピークアウトすることが予想されています。中国では不動産バブルの崩壊について盛んに言及されており、住宅販売・新規着工・住宅価格が減速していると報道されています。

一時期は、不動産価格は北京では収入の20倍に達し、北京の住宅空室率は平均30%近くまで上昇し、都市部住民の約10%が2軒目の不動産を購入したという報道もありました。

日本人の感覚からはバブル的状況と感じます。不動産バブルが本格的に崩壊した時の悪影響は、日本、米国での経験からは・・・ですね。

株価については、上海総合指数のPERは最近は8~10倍前後、配当利回りは3%前後で推移しており、割安な水準です。日本のバブル期の予想PERは最大で60倍前後まで上昇しました。

株価に関しては懸念をかなり織り込まれている水準と言えそうです。中国に関しては「まだまだ都市化されていなく、伸びる余地はある」という解釈もあるでしょう。

止まらない進撃はない

過去30年間を振り返ると、1980年代は日本の時代、1990年代は米国の時代、2000年代はBRICsブームでした。

2010年代はアジアの時代だと言われていましたが、主要国の人口ボーナスは2015年前後で終焉します。沈まぬ太陽がないように、止まらない進撃はありません。

アジア新興国は、これまで人口の増加と労働量の上昇によって潜在成長率が高まっていました。しかし、出生率は年々低下し、人口ボーナスの終焉で労働力率も低下する可能性があります。

したがって、一般論としては、対外直接投資の促進などを通じた適度な資本蓄積と技術の発展に取り組み、成長率を向上させる必要があると言えるでしょう。

個人的な結論としては、韓国・台湾に関してはMSCI Emerging指数の一部、香港・シンガポール等に関してはMSCI KOKUSAI指数連動の投信・ETFで組み入れる程度でOKであり、今後ともオーバーウエイトにはしません。

中国に関しては現時点では株価指数の範囲にとどめ、もし派手にバブル崩壊的な下落があった場合は拾いたいと思います。

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