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日銀の追加緩和を予想!

更新日: マーケット・経済の分析

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10月30日に日銀の金融政策決定会合が行われます。追加緩和があるか否かについて注目が集まっています。

ここ最近の政府や日銀の動向からは追加緩和がない気配が漂っていますが、バズーカ2におけるサプライズが記憶に新しく、サプライズ緩和の可能性も否定できない状況となっています。

日銀の追加緩和について予想します。


政府と日銀の動向

2015年9月24日に表明された「新三本の矢」は「強い経済」「子育て支援」「社会保障」であり、 社民的な色彩が漂っています。

政府からは賃上げが重要である旨の発言も度々出ており、議論はあるでしょうが、前・三本の矢の時代よりは、企業よりも家計寄りのスタンスが出ています。中道色が強まりました。

3つのいちご

安倍首相は「TPPは私たちの生活を豊かにしてくれる。世界のバラエティーあふれる商品を安く手にできるだけでなく偽物の商品を買わされて後悔することはなくなっていく」と述べており、物価の下落をメリットとしています。

10月7日の日銀の金融政策決定会合では、経済動向に対する見解は概ねこれまで通りであり、黒田総裁は景気や物価の基調に強気の見解を表明しています。

また、TPPが妥結したものの、米国の議会承認はこれからであり、その前に円安誘導という批判に燃料投下となりかねない追加緩和は難しいという説もあります。

ボストンのビルのアメリカ国旗

以上からは追加緩和がなさそうな気配が漂っています。しかし、黒田総裁は何をするかわかりませんね。

名目GDPを600兆円にすることも目標とされており、これの実現のためにはインフレ率の上昇が重要となります。

TPPの締結によってより一層、インフレ率の上昇のための追加緩和が必要になったと解釈することも可能です。

また、鉱工業生産指数が7月・8月とマイナスにが続いており、GDP成長率(7~9月)もマイナスになるという観測も浮上しています。日銀の追加緩和に対する期待も根強いです。


追加緩和の候補

現在、エコノミスト・アナリスト・ストラテジストなどから取り沙汰されている追加緩和の候補は以下の通りです。

  • 日銀の当座預金の超過準備に対する付利の引き下げ
  • 長期国債の買い入れの増加
  • ETF・REIT購入額の引き上げ
  • 購入国債の平均年限の引き上げ

一つひとつその可能性を見ていきましょう。

当座預金付利の引き下げ

一部の識者から根強い支持があるのが、当座預金の超過準備に対する付利の引き下げです。

確かにゼロに近い金利はインパクトがあり、ECBがマイナス金利を採用している情勢下、金融政策手段の1つとしてはあるかもしれません。

しかし、日銀の金融政策の目標は、当座預金やマネタリーベースという量がメインとなっています。

ECBの場合は、目標はあくまで金利であり、日銀のように量がターゲットではないという日銀との違いがあります。

付利を0ないしマイナスにすれば、金融機関は超過準備に置いておくメリットは皆無となりむしろデメリットが出るため、マネタリーベースの拡大に黄信号が点灯します。

付利の撤廃については、短期金融市場の機能を毀損したり、地方の金融機関の経営に悪影響が及ぶというデメリットもあります。

もちろん付利を例えば0.05%とか0.025%引き下げることは可能かもしれませんが、それだと戦力の逐次投入感が出てしまい、異次元緩和というインパクトは薄れます。

黒田総裁自身も、10月8日の金融政策決定会合後の会見で、「付利の引き下げについては検討しておりませんし、おっしゃるように近い将来考えが変わる可能性もないと思っています」と述べています。

長期国債の買い入れの増加

日銀は現在でもかなりのペースで長期国債を購入しており、現在のペースを維持するだけでも、どこまで買い入れを続けられるのかは不透明です。

このまま行くと2017年頃には日銀が計画通りに買えない事態が訪れるという意見もあります。

どこかで必ず限界は訪れます。継続するには財政赤字の拡大という「禁断の果実」を飲む必要がありますけれども、ルビコン川を渡る気配は今のところはありません。

増やすにしてもそれ程インパクトが出ない数字しか無理ではないかという意見が、債券市場からは多いです。

ただし、限界が前倒しになるのを覚悟して、短期決戦で最後の突撃に乗り出す可能性はあります。

ピースサインの女性

ETF・REIT購入額の引き上げ

株安がこのまま進んだ場合はテコ入れで可能性が高いのが、ETFやREITの買い入れ額の増加です。

バズーカ1においてはETFが年1兆円、J-REITが年300億円でした。バズーカ2では「3」という数字を打ち出したことから、ETFが3倍の年3兆円、J-REITが900億円に拡大しました。

追加緩和で更に拡大することも考えられます。国債とは異なり、株式を買い入れている中銀は世界的にも稀有であり、更なる拡大は異次元感を増幅させます。

ただし、やはり債券とは異なり、満期という概念がないETF・REITを買い続けるのはどうかという観念は根強いです。

株安が深刻化して資産デフレの懸念が出た場合は可能性が一気に高くなるでしょう。

日経平均で17,000円~18,000円をキープしている状況では日銀によるリスク資産の購入拡大は大きな緊急性はありません。

ETF・REIT以外では、社債・財投債・地方債などの追加も可能性はありそうです。

ただし、信用状況は過去最大級に緩和しており、これ以上やってどうなるのかという点と、やはりルビコン川を渡らないかぎりは量の面では小規模な金額しか出せないため、逐次投入感が出てしまうのがマイナスです。

購入国債の平均年限の引き上げ

日銀が買い入れている長期国債の平均年限は7~10年程度となっています。

購入年限の長期化はまだまだ可能であり、国債購入の量の拡大が難易度を増している情勢下では、追加緩和の材料としては有力です。

超長期の年限の国債利回りにまで直接的に金利押し下げ効果があり、企業のファイナンスや家計の住宅ローンなどにプラスが働くメリットがあります。

ただし、イールドカーブが更に潰されることから、銀行・保険などの金融機関は涙目という状況がより一層強まります。


追加緩和の予想

4つのみかん

バズーカ1は「2」、バズーカ2は「3」という数字でインパクトを与えたので、追加緩和があるとすると、「4」を押し出すのが素直であり、以下の組み合わせが候補になります。

  • 国債買入れ額の増加+4兆円
  • 国債買入れ年限の長期化+4年
  • ETF買入れ額の増額+4兆円
  • J-REIT・社債・財投債・地方債など+400億円

4倍は物理的に無理なので、今回は+4という見せ方にならざるを得ません。インパクトが前回と比べると薄れるのが難点です。

四葉のクローバーを持つ女性

サプライズで4を飛ばして5にする可能性もありそうです。

  • 国債買入れ額の増加+5兆円
  • 国債買入れ年限の長期化+5年
  • ETF買入れ額の増額+5兆円
  • J-REIT・社債・財投債・地方債など+500億円

ただこれでも小出し感はあり、むしろ「異次元緩和の限界」という解釈が強まって、これまでのような効果が出ない恐れもあります。

もう一つの可能性は、「レジーム・チェンジ」です。マネタリーベースをいくら拡大させても、原油価格の下落や消費税アップには勝てなかったという結果がこの2年間で出ました。

マネタリーベースの増加でインフレ率2%達成という前提条件を変えて、パラダイム・シフトを図る作戦が考えられます。

見せ方によっては、異次元緩和並みのインパクトを与えることも可能でしょう。

BNPパリバ河野氏など複数の市場関係者が述べているのは、「金利ターゲット」「金利ペッグ」「無限買入」です。金利の上限を設定して、そこまでは無限に国債を買い入れると日銀が宣言することです。

これだと実際に国債の売りが出て金利が上がらないかぎりは国債を買い入れないことになりますので、国債購入の物理的限界はなくなります。

金利を極限まで低下させることも可能です。例えば、3年債は0.02%、5年債までの国債の上限は0.05%、10年債までの国債の上限は0.25%や0.3%などに設定して、無限に買い入れるとします。

長期に渡って実施するという時間軸を強くアナウンスすれば、金利は10年債までは0.25%とか0.3%に張り付き、金融緩和の効果も出て景気刺激効果もあると思われます。

日銀の追加緩和に対する予想や、株価や為替に対する影響は難しいので、基本的にはプレポジはとらずに結果が出た後に動いた方についていくというスタンスが無難です。

もしくは多くの方がやっているように金融政策決定会合の前にロング方面でポジを組んで現状維持なら外し、損失が出たら保険料と割り切るという考え方もあるでしょう。

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