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みずほ銀行のみずほフィナンシャルグループが個人向け劣後債(社債)を発行!2017年1月の第10回と11回

更新日: 個人向け社債

みずほ銀行の店舗

みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券などの持株会社「みずほフィナンシャルグループ」が個人向け社債(劣後債)を発行します。期間10年確定債と期限前償還条項付の社債の2種類を発行します。

10年確定社債の正式名称は「株式会社みずほフィナンシャルグループ 第10回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付) 」です。

期間は10年(償還日:2027年1月31日)であり、利率(年率/税引前)は年0.65%です。

10年(期限前償還条項付)の正式名称は「株式会社みずほフィナンシャルグループ 第11回無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付) 」です。

期間は10年(償還日:2027年1月31日)であり、当初5年は0.50%、以降5年間は基準金利+0.43%です。

基準金利は、2022年1月26日の2銀行営業日前の東京時間午前10時に、ロイターに表示される5年物円スワップのオファード・レートおよびビッド・レートの算術平均値として計算される5年物円スワップのミッド・レートです。

円建ての社債で為替リスクはありません。劣後特約が付帯している劣後債です。みずほフィナンシャルグループの個人向け劣後債についてまとめます。


特殊な条項・特約

みずほフィナンシャルグループ 第11回無担保社債は、実質破綻時免除特約、劣後特約が付帯している劣後債です。

実質破綻時免除特約

実質破綻事由が生じた場合、みずほの社債購入者に、事由発生以降の元利金支払いは行なわれません。劣後債が紙切れとなってしまいます。

「実質破綻事由」とは、内閣総理大臣がみずほについて、預金保険法第126条の2第1項第2号に定める措置である特定第二号措置を講ずる必要がある旨の認定を行った場合です。

財産をもって債務を完済することができない事態が生じる恐れがあったり、債務の支払いを停止する恐れがある、金融持ち株会社が認定されます。銀行単体の場合は第102条に基づいて認定されます。

実質破綻事由が生じた後、本社債に基づく元利金の全部または一部が社債権者に対して支払われた場合には、その支払いは無効となり、社債権者はその受領した元利金を直ちにみずほに対して返還する義務が生じます。

実質破綻事由が生じた場合、本社債に基づく元利金の支払請求権を相殺の対象とすることはできなくなります。

日本で過去に公的資金による救済を受けた金融機関の例では、日本長期信用銀行・日本債券信用銀行(金融再生法)は、劣後債は全額保護または受皿金融機関に全額継承されました。

りそなグループ(預金保険法 第102条 第1号措置)は、劣後債は保護されました。永久劣後債については契約上利払いの繰り延べが可能でしたが、継続されました。

足利銀行(預金保険法 第102条 第3号措置)は永久劣後債については償還されました。

劣後特約

劣後特約付社債(劣後債)とは、普通社債などの一般債権よりも元利金の返済順位が低い社債です。

破産、会社更生、民事再生等の「劣後事由」が発生した場合には、劣後債の元利金は、一般債権者に元利金全額が支払われた後の弁済となります。

例えば、みずほフィナンシャルグループが破綻して残った財産を現金化すると1000億円残った場合で、3000億円の劣後債保有者と、他に2000億円の債権保有者がいた場合を想定します。

このケースでは、債権保有者が1000億円を優先的に確保できます。この場合、劣後債の保有者には1円も戻ってきません。

破産、会社更生、民事再生等の「劣後事由」が発生した場合には、劣後債の元利金は、一般債権者に元利金全額が支払われた後の弁済となります。

みずほFGの今回の個人向け社債(劣後債)は、一言でいうと、デフォルトした場合は高い確率で紙くずになる債券です。

みずほフィナンシャルグループとは

みずほFGは3大フィナンシャルグループ、3メガバンクの一角を占めています。富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行が経営統合して誕生しました。

かつては、個人と中堅・中小企業を中心とした一般企業、地方公共団体を取引先とする「みずほ銀行」と、大企業、金融法人、公団・事業団や国際業務を主力とする「みずほコーポレート銀行」を中核としていました。

リテール部門とホールセール部門を分離させて、二つの銀行をFG傘下に置いているという世界的にも稀有な形態の金融機関でした。

「旧三行がポストを分け合うためには、銀行を二つにせざるを得なかった」という大人の事情がありました。

この体制に対しては投資家・金融庁からの評価が低く、時価総額は三井住友FGを大きく下回り、長らく三大メガFG最下位を独走していました。

FG(みずほフィナンシャルグループ)、BK(みずほ銀行)、CB(みずほコーポレート銀行)を舞台にした、緻密で巧みなトライアングル人事は芸術的領域に達していました。

サブプライム危機では、モルガン・スタンレーが本格的な危機を迎えたわずか数日前に、モルスタからサブプライムCDOを大量に買って大損失を出したという逸話もありました。

市場では「損失だけはグローバル・クラス」と囁かれました。世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たちから引用します。

「最後のカモ、みずほ証券」

「みずほ証券は、いまだにみずほにしか分からない理由で、アメリカのサブプライム債券を扱う賢いトレーダーという体裁を身にまとい、モルガン・スタンレーの手から、サブプライムに裏づけされたCDOを10億ドル分受け取った。」

その後も深刻なシステムトラブル等の問題もあり、重い腰を上げて抜本的な組織改編に乗り出し、ワン・みずほを目指して2013年7月にみずほ銀行とみずほコーポレート銀行が合併しました。

現在では、みずほフィナンシャルグループの傘下に、「みずほ銀行」の他「みずほ信託銀行」「みずほ証券」などを抱え、さらには、グループ内にクレジットカード会社、投信投資会社、総合研究所などを持つ金融コングロマリットとなっています。

2017年3月期第2四半期累計(16年4~9月)の連結業績は、経常収益1兆5,633億円(前年同期比4.5%減)、経常利益4,209億円(同26.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益3,582億円(同6.7%減)となりました。

連結粗利益は前年同期比421億円減少して1兆896億円となりました。マイナス金利政策や円高が悪影響となり、連結業務純益は同434億円のマイナスで4,032億円となりました。

2016年10月13日には、みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、メタップス(6172)、WiLは、フィンテックを活用した新たな決済サービスの提供を目的とする業務提携に向け、協議を開始することで基本合意しました。

みずほ銀行

みずほフィナンシャルグループのリスク要因としては、国内外における取引先の経済活動が困難となることによって、不良債権残高や与信関係費用が増加する可能性があります。

保有株式に係るリスク、トレーディング業務、投資活動に係るリスク、為替リスクも抱えています。

また、銀行業務、証券業務、リース業務、クレジットカード業務、投融資業務、コンシューマーファイナンス業務、資産運用を含む関連業務分野における提携、出資、買収等に加えて、海外の金融機関との提携等、様々な戦略的提携や提携を視野に入れた出資、買収を国内外で行ってきています。

これらについては、法制度の変更、経済金融環境の変化や競争の激化、提携先や出資・買収先の業務遂行に支障をきたす事態が生じた場合などには、期待されるサービス提供や十分な収益を確保できない可能性があります。

持株会社の従業員数は1,318人、平均勤続年数は16.9年、平均年齢は40.4歳、平均年間給与は969.8万円です。メガFGらしい数字です。


みずほFGの劣後債の分析

2017年に入って初めてみずほFGが個人向け社債(劣後債)をリリースしました。

期限前償還条項付きの社債は、みずほFGが期限前償還を行うインセンティブが高く5年で早期償還となる可能性が高いことから5年で分析します。

高金利定期預金との比較

現在の5年もの高金利定期預金は、大阪市近辺に在住または勤務している方ですと、大阪協栄信用組合で1000万円以上預け入れると年0.60%です。

地域限定でない銀行等では、SBJ銀行が0.30%です。ただし、韓国の大手銀行である新韓銀行を中核とする「新韓金融グループ」の日本現地法人です。グループはニューヨーク証券取引所に上場(証券コード:SHG)しています。

日本資本の銀行では、静岡銀行インターネット支店は3年ものが年0.27%(5年は年0.11%)です。馴染みがあるネット銀行で(5年)は以下のとおりです。

ソニー銀行は全国のコンビニ・提携ATMの手数料無料、振り込み手数料無料、お得なデビットカード、便利な資金移動システムなどメリットが多いネット銀行です。

ソニー銀行のキャッシュカードとソニーバンクウォレット
ソニー銀行というネット銀行があります。ソニーのグループ会社であるソニーフィナンシャルホールディングスの銀行です。全国のコンビニ・提...

今回のみずほFGの個人向け劣後債の利率は、期限前償還条項付きの債券はノーリスクの定期預金を、大阪市近辺に在住または勤務の方は0.05%、それ以外の方は0.35%上回っています。

10年確定の劣後債の方は、大阪市近辺に在住または勤務の方は定期預金の金利を下回っています。それ以外の方は0.2%上回っています。

定期預金との利回り格差を見て、デフォルトリスクを考慮すると利率は妥当かという観点で検討することになります。

過去のデフォルトの確率

債券格付はA+(R&I)、A+(JCR)を取得予定です。みずほFGの長期発行体格付は、A+(R&I)、AA(JCR)です。格付の方向性は「安定的」です。

今回のみずほFGの個人向け社債は劣後特約があることから、JCRでは長期発行体格付よりも低くなっています。

JCRはみずほFGの無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)について、以下の通りに評価しています。

みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券を中心とする総合金融グループ、みずほフィナンシャルグループの金融持株会社。

当社の発行体格付については、ダブルレバレッジ比率がやや高いことなどを勘案し、グループ信用力を反映した中核子銀行の発行体格付(みずほ銀行およびみずほ信託銀行:AA/安定的)から1ノッチ下としている。

本社債は、劣後特約のほかに実質破綻時免除特約が付されているバーゼルⅢ適格Tier2商品である。

実質破綻時免除特約により、当社は、内閣総理大臣が預金保険法の特定第二号措置を講ずる必要があると認定した場合、本社債につき元利金の支払義務を免除される。

本件の債券格付は、劣後性を考慮し長期発行体格付から1ノッチ下とした。

JCRのA格社債(5年)の平均累積デフォルト率(2000~2015年度)は0.49%でした。

R&IはみずほFGの無担保社債(実質破綻時免除特約および劣後特約付)について、以下の通りに評価しています。

本債券の格付は格付方法「規制資本商品等と金融機関等の格付の考え方」に則り、ノッチングの起点をグループ全体の信用力とし、それをそのまま反映しているみずほ銀行の発行体格付の1ノッチ下のA+とする。

みずほフィナンシャルグループ(MHFG)は、商業銀行業務中心に世界有数の規模を持ち、日本の3大金融グループの一角を占める。

国内の営業基盤は法人・個人分野とも極めて強く、商業銀行業務のほか、信託、証券・投資銀行、アセットマネジメントなどでも市場地位が高い。

アセットマネジメント事業について、信託の資産運用部門とグループの投信・投資顧問会社との統合で「アセットマネジメントOne」が発足している。

「OneMIZUHO」の戦略の下、グループ一体運営では日本の3大金融グループの中で先行、2016年度からはカンパニー制を導入している。

海外は、グローバル企業の「コアバンク」としての地位を築きつつある。優良企業へのフォーカスという軸を保ちつつ、グループ一体でターゲット顧客と非金利ビジネスの拡大を進めている。

強みのあるローンのアレンジや債券の引き受けで、グローバルでトップクラスのポジションを目指している。

英TheRoyalBankofScotlandGroup(RBS)から北米対顧資産と人材を獲得した効果も出始めており、競争力向上に弾みがついてきたようだ。

リスク選好度は高くない。事業ポートフォリオは商業銀行業務が主体で安定している。

アジアや北米を中心に海外事業を拡大しており、地理的分散が進んでいる点ではプラスだが、アジアを中心に、金融環境の変化への脆弱性や政治・規制の大きな変化が起こりやすいといった新興国固有のリスクが増えてきている点には留意が必要だ。

保有株式の価格変動などを通じ金融資本市場の影響も受けやすい。収益力はやや低いが、その構造は市場部門への依存度が下がり、顧客部門中心へと転換してきている。

顧客部門は、国内は利ざや縮小圧力により金利収支が厳しいものの、「OneMIZUHO」戦略で手数料ビジネスの拡大が寄与している。

次期システム移行プロジェクトを競争力と効率性の向上につなげることが課題だ。近年拡充が進み収益性の改善にも寄与している海外は、世界経済の減速などから踊り場に差し掛かっている。

ペースこそ鈍化しても拡大基調は保てるとみているが、貸し出しに依存しない収益モデルの構築やコア顧客の増強、外貨調達の制約を受けないかが成長の持続性の鍵を握る。

中国経済の大幅な減速などを起点とした世界経済や金融資本市場の大幅な低迷、マイナス金利の深掘りなどで収益環境が悪化しないか注視している。

リスク耐久力は日本の3大金融グループの中では見劣りするが、改善傾向にあり、AAゾーンに達しつつある。

株式保有と大口与信集中のリスクはやや大きいものの、金利リスクは大きくなく、資本は質・量とも充実してきていることが寄与している。

2015年度から2018年度末までの累計で、政策保有株式を取得原価ベースで3割弱削減する計画で、長期的にはさらなる削減を目指す。

実現すればリスク耐久力が強化されて信用力に好影響を与えるが、格付の向上には取得原価の半減以上の削減を実現できるかがポイントだ。

なお、日本ソブリンのリスクが顕在化すると大きな影響を受ける点には留意が必要である。

2016年6月末の普通株式等Tier1比率は10.73%。2016年7月1日に強制転換型優先株式が普通株式に一斉転換した効果も含む完全実施ベースでは10.97%(その他有価証券評価差額金を控除すると9.08%)まで向上してきた。

今後もリスクアセット計測の厳格化が見込まれるが、資本保全バッファーやG-SIBs(グローバルにシステム上重要な銀行)へのサーチャージ(資本の上乗せ)なども考慮した最低所要資本比率を上回る水準は確保していけるだろう。

資産の質は健全だ。日本の大企業のバランスシートが総じて強いほか、引当方針が厳格で大口問題先にはDCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法を適用して高率の引き当てを行っていることが寄与している。

中堅・中小企業や個人向け与信の質も問題ない。海外は、アジアなどで地場企業・個人向けの与信が拡大する可能性がある点には注意が必要だが、現状、高格付が中心で質は健全だ。

資源関連エクスポージャーも、全体としてはストレス耐性が強く、資源価格低迷の影響は限定的とみられる。流動性は十分に備えている。

円貨は国内の個人預金基盤が極めて強いうえ、預貸率の低さが寄与している。外貨も海外での貸し出しの伸びに合わせて顧客性預金を増強しており、さほど懸念はない。

今後も外貨建て資産が伸びていくと予想されるため、外貨調達力の強化が課題になる。2016年度第1四半期の流動性カバレッジ比率は135.1%と高い。

R&IのA格社債(5年)の平均累積デフォルト率(1978~2015年度)は0.53%でした。

同じ格付の社債、店頭売買参考利回りとの比較

日本証券業協会のデータでは、JCRのA格社債(5年)の複利利回り平均値は0.429%、R&Iは0.284%です。

みずほFGの劣後債の店頭売買参考統計値利回り平均(複利)は、残存期間約5年1ヶ月もの(2022/02/24償還)で0.316%でした。

みずほFGの自己資本比率は4.3%、自己資本比率-BISは15.84%、Tier1比率は12.94%です。総資金利ザヤは-0.15%です。

不良債権比率は0.8%、日本国債の平均残存期間は2.5年、株式取得原価/Tier1比率は22.1%です。

みずほFGの劣後債の投資スタンス

みずほ銀行のキャッシュカード

金利は極限まで低下しており、日本では米国と比較すると相対的に社債市場が発達してなく、信用スプレッドが乗った社債がほとんどない状況下において、みずほFGの劣後債は貴重な高金利社債となっています。

もちろん高金利は高リスクの裏返しです。万が一みずほFGが破綻した場合は高い確率で紙くずになります。

期限前償還条項がある第11回債の方は、5年経過すると期限前に償還されるリスクがあります。

その時点で市中金利が上昇していたり、みずほFGの財務状態が悪化している場合は繰上償還されずに社債価格は大きく低下してしまいます。満期まで保有すれば形式的には損にはなりませんが、実質的には損となります。

オプションを売っている代わりに高い金利をプレミアムとして受け取るというイメージです。

みずほFGは世界の景気動向に大きな影響を受けますし、「殿のご乱心」で再び大損失の山を築き上げるリスクもありますけれども、5年ならデフォルトのリスクは低いと考えます。

足元では金利が上昇しており、黒田日銀総裁が1期で通例通り退任した場合、その後の日銀の金融政策には不透明感があることから、長期の債券を購入するには不透明要素が高い状況です。

申し込みは100万円以上、100万円単位です。デフォルトの可能性を考慮して、あくまで資産の一部を投資するのが無難です。全財産のうちかなりの部分を突っ込むようなことは止めましょう。

みずほFGの劣後債は、みずほ証券の他、野村證券、大和証券、岡三証券で申し込めます。申込期間は2017年1月12日~
2017年1月25日です。

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