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かんぽ生命の養老保険のメリット・デメリット・他社との比較まとめ

更新日: 保険

 かんぽ生命の養老保険

養老保険という生命保険の商品があります。死亡保障と満期時の保険金が基本の生命保険であり、各種特約などで補償を上乗せすることもできます。

2015年11月に上場するかんぽ生命も、養老保険を販売しています。かんぽ生命の養老保険の返戻率、保険の内容、入るべきなのかについてまとめます。


かんぽ生命の養老保険の概要

旧簡易保険時代は、養老保険がメインでした。現在はかんぽ生命として開発した養老保険を販売しています。

新規加入数は減少しているものの、依然として保有高はかなり多い主力の保険です。かんぽ生命の養老保険には6種類があります。

  • 新フリープラン
  • 新フリープラン(短期払込型)
  • 新フリープラン(2倍保障型)
  • 新フリープラン(5倍保障型)
  • 新フリープラン(10倍保障型)
  • 新一病壮健プラン

けがや病院、災害に備える特約を付加して、補償を充実させることもできます。

いずれのプランも満期保険金額(基準保険金額)を自由に設定できます。満期に到達した場合は、設定した満期保険金がもらえます。

ただし、71歳以上で加入する場合、保険金額の合計額は500万円までなど、被保険者の年齢によって加入できる保険金額の制限があります。

保険期間中に死亡した場合は、満期保険金額と同額の死亡保険金がかんぽ生命から支払われます。

また、満期保険金の受け取り年齢を、1歳きざみで自由に設定できるのが特徴です。加入年齢(0~80歳)によって保険期間は10年から最長50年の間で設定できます。

かんぽ生命の養老保険は契約の自由度が非常に高いのが特徴です。ライフスタイルに応じてカスタマイズして契約することが可能です。

契約日から1年6か月を経過後に、不慮の事故や感染症で死亡したい場合は、保障が2倍に増加します。「倍額保障」という名前です。

例えば、基準保険金額が100万円なら200万円が出ます。

「入院特約」を付加することもできます。日帰り入院から保険金が出て、長期入院時の給付もあります。手術の種類により、1日あたり入院保険金額の5倍、10倍、20倍、40倍が支払われます。

例えば、基準保険金額が1000万円なら以下の補償が受けられます。

区分 補償内容
入院 1日あたり15,000円
120日入院した時に30万
手術 7.5万~60万円

災害保障が充実する災害特約では、不慮の事故で死亡した時に死亡保険金が上乗せされます。基本保障金額の分プラスされます。身体障害状態になった時は、身体障害の状態に応じた障害保険金が出ます。

かんぽ生命の養老保険の仕組み

ゆうちょ銀行の養老保険に共通する特徴は以上となります。以後は6種類の養老保険に固有の補償内容、返戻率について説明します。

養老保険 新フリープラン

満期保険金と死亡保険金が同一のタイプです。満期金が100万円なら、契約期間中に死亡した時の給付も100万円となります。

30歳・40歳・50歳の男性が10~30年の契約をした場合、月払い契約の総支払額と満期金に対する返戻率がどうなるのかについて、表にまとめました。

入院・手術の特約を付けない場合と、付ける場合の2パターンを掲載しています。

契約年齢 保険期間 満期 特約なし(月払) 特約あり(月払)
合計保険料 戻り率 合計保険料 戻り率
30歳 10年 40歳 1,027,200 97.4% 1,082,400 92.4%
40歳 10年 50歳 1,033,200 96.8% 1,104,000 90.6%
50歳 10年 60歳 1,047,600 95.5% 1,146,000 87.3%
30歳 20年 50歳 993,600 100.6% 1,118,400 89.4%
40歳 20年 60歳 1,010,400 99.0% 1,176,000 85.0%
50歳 20年 70歳 1,058,400 94.5% 1,303,200 76.7%
30歳 30年 60歳 961,200 104.0% 1,177,200 84.9%
40歳 30年 70歳 1,004,400 99.6% 1,310,400 76.3%

若いうちに加入して長期間加入しない限りは元本割れとなります。養老保険はコンセプトが補償+貯蓄の両面の保険なので、貯蓄メインの保険などよりも還元率が下がります。

戻り率重視ならば、かんぽ生命の養老保険に妙味はありません。ただし、保険料控除が受けられて10年後に満期で解約できるというメリットがあります。

年金保険・学資保険・終身生命保険などは満期が20年以上先になりますので、10年満期として保険料控除を受けられるのが養老保険のメリットです。

この表は男性のデータですが、契約者が女性のほうが若干、還元率が僅かに高い傾向にあります。これは養老保険には契約期間中に契約者が死亡した時の給付金もあるためです。

男性よりも女性の方が死亡率が低いため、女性の名前で契約した方がお得です。契約期間中の死亡保障は重視せずに少しでも満期時の還元率を上げたい場合は、夫名義ではなく、妻名義で契約しましょう。

戻り率が104.0%というのは、支払った金額に対していくら戻ってくるのかわかりやすい側面があります。

ただし、その反面、定期預金、個人向け国債、社債などの金融商品と比べて、どのくらい有利なのかがわかりづらいです。

そこで、ファイナンスの指標である「IRR」(内部収益率)を計算しました。IRR0.8%といった形で表記されます。

IRRとは投資プロジェクトの正味現在価値(NPV)がゼロとなる割引率です。

NPV(正味現在価値)とは、投資が将来生み出すキャッシュフローをリスクの大きさに見合った割引率で現在価値に割戻して、初期投資額を差し引いた純額です。

つまり、厳密性は排除してわかりやすく述べると、IRRとは投資案件のリスクの大きさを考慮した上で期待できる利回りのような概念です。

養老保険は確定利回りなので破綻リスクを考慮しない場合は、IRRを出すと実質利回りが把握でき、定期預金・個人向け国債などとの比較が可能です。

元本を上回る30歳・20年、30歳・30年の場合について、実質利回りを計算しました。

払込期間 契約者が男性
30歳・20年 実質利回り年0.06%
30歳・30年 実質利回り年0.25%

目眩がする程の低利回りですね。保険料控除の節税メリットを考慮しないと全く妙味はありません。

「手元にあるお金はすぐに使ってしまうので、どうしても貯金できない。解約ペナルティが小さい定期預金や個人向け国債はすぐに解約してしまう」という方が、貯蓄するために加入するのはありでしょうが、それ以外では美味しくない保険です。

現在の高金利定期預金は、SBJ銀行の5年定期が0.55%、大阪協栄信用組合の10年定期(1000万円以上)が0.8%です。


養老保険 新フリープラン(短期払込型)

保険期間(15年)より短い期間(10年)で保険料を払い終える保険です。

月々の保険料は上がりますが、支払いが前倒しになる分かんぽ生命が、長く運用できるので、戻り率が高くなります

30歳・40歳・50歳でそれぞれ契約した場合、月払い契約の総支払額と満期金に対する返戻率がどうなるのかについて、男女別に表にまとめました。

入院・手術の特約を付けない場合と、付ける場合の2パターンを掲載しています。

契約年齢 保険期間 満期 特約なし(月払) 特約あり(月払)
合計保険料 戻り率 合計保険料 戻り率
30歳男 10年 45歳 962,400 103.9% 1,046,400 95.6%
30歳女 10年 45歳 960,000 104.2% 1,035,600 96.6%
40歳男 10年 55歳 968,400 103.3% 1,077,600 92.8%
40歳女 10年 55歳 963,600 103.8% 1,052,400 95.0%
50歳男 10年 65歳 985,200 101.5% 1,141,200 87.6%
50歳女 10年 65歳 970,800 103.0% 1,086,000 92.1%

特約を付けないと戻り率はいずれも100%を超える結果となりました。

男性よりも女性の方が死亡率が低いため、女性の名前で契約した方が返戻率が高いです。夫の死亡保障は重視せず、少しでも戻り率を上げたい場合は、夫名義ではなく、妻名義で契約しましょう。

新フリープラン(短期払込型)についても、実質利回り(IRR)を計算しました。

契約年齢 保険期間 満期 特約なし(月払)
30歳男 10年 45歳 0.37%
30歳女 10年 45歳 0.39%
40歳男 10年 55歳 0.31%
40歳女 10年 55歳 0.35%
50歳男 10年 65歳 0.14%
50歳女 10年 65歳 0.28%

高金利定期預金と比較すると妙味がありませんが、税制メリットがあります。個人向け国債と比べると遜色ない金利水準です。

今後も低金利がずっと続くと考えるならばまだ検討はできるかもしれません。

新フリープラン(2・5・10倍保障型)、新一病壮健プラン

笑顔の女性

この他、新フリープランには死亡保障が満期保険金の2倍・5倍・10倍になるタイプの養老保険があります。その分、保険料はアップします。

未成年の子供がいる場合の死亡保障を、養老保険で賄いたいという場合には加入を検討しえます。

ただし、返戻率は元本割れすることが多いので、保険料控除以外の観点では妙味は乏しいです。死亡保障は安価なネット生保・グループ保険・共済・ダイレクト系生保などで入るのが望ましいと考えます。

新一病壮健プラン」は、慢性疾患の治療を受けている方が対象のプランです。

慢性疾患の治療を受けていても、一定の症状の範囲内で、日常生活を支障なく送っていれば加入できます。

  • 糖尿病:通院または投薬治療によって血糖値が良好にコントロールされていること
  • 高血圧症:通院または投薬治療によって血圧値が良好にコントロールされていること
  • がん、肉腫:根治手術を受けてから5年以上経過し、治ったと考えられること(根治手術には放射線照射のみの治療は含まれない)

ただし、健康な方の普通のプランと比べると保険料は割高です。無理して加入するのは適さない保険料の水準です。

特約保障の必要性は乏しい

2つのハートを持つ男性

特約は無料で付けられるわけではなく、料金が発生するので、トータルの戻り率が下がります。

養老保険は、定期保険とは違い保険期間終了後の更新がなく、保障はそこで終わります。

特約の入院・手術の補償は、養老保険が満期になると同時に終了となる点に留意が必要です。

「一時的な医療の補償がほしい」というニーズが明確な場合はOKですけれども、長期にわたって医療の保証を確保したい場合は、医療保険を別途契約する方が望ましいです。

また、保険の本来の役割というのは、発生確率は低けれども、万が一遭遇したら家計に大きなダメージを及ぼす危険があるリスクをヘッジすることです。

未成年の子供がいる場合の生命保険、家の全損に備える火災保険・地震保険、高額の賠償に備える自動車保険などが該当します。

この観点からは、貯金が100万円以上ある場合は、医療の少額の補償は外して、その分、保険料を抑えて戻り率を上昇させるというのも方策の一つです。

保険を請求する際は、書類の記入や取得などが必要です、面倒な手間がかかります。少額の請求は費用対効果の面で、手間がかかるデメリットが大きくなります。


生命保険料控除の対象!

かんぽ生命の養老保険は、生命保険料控除の対象です。

生命保険料控除とは、毎年1月~12月に払い込んだ保険料に応じた一定の額が、所得税と住民税の課税対象となる所得から控除される制度です。

これにより「所得税」と「住民税」が軽減されます。生命保険料控除には、「一般生命保険料控除」、「介護医療保険料控除」および「個人年金保険料控除」の3つの控除があります。

かんぽ生命の養老保険は「一般生命保険料控除」に該当します。年間正味払込保険料(保険料-配当金)が8万円以上だと、所得税で一律4万円の控除を受けられます。

生命保険などの保険料が年8万円に届いていない場合は、かんぽ生命の養老保険で所得控除を受けられて、所得税・住民税が減少します。

住宅ローン控除など他の控除があり、既に控除する所得がない場合は、生命保険料控除の恩恵はない点に留意しましょう。

サラリーマン・OLなど給与所得者の場合は、年末調整の際、「保険料控除申告書」にかんぽ生命から送られてくる「保険料払込証明書」を添付して勤務先に提出すればOKです。

個人事業主・フリーランスなどは、確定申告の際に「確定申告書」に「保険料払込証明書」を添付して所轄の税務署に提出すればOKです。

かんぽ生命の養老保険は戻り率が非常に低いので、基本的には妙味がありません。しかし、保険料控除の対象となって減税できる場合はこの限りではありません。

生命保険料控除によって控除できる所得額は下表のとおりです。

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

例えば、年間で8万円超の保険料を支払っている場合は、4万円の生命保険料控除が受けられます。 所得が4万円減るので、所得に応じて所得税が減少します。

具体的には、下表のとおりです。復興特別税は考慮していません。

課税される所得金額 税率 控除額 所得税減税額
195万円以下 5% 0 -2,000
195万円を超え330万円以下 10% 97,500 -4,000
330万円を超え695万円以下 20% 427,500 -8,000
695万円を超え900万円以下 23% 636,000 -9,200
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000 -13,200
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000 -16,000
4,000万円超 45% 4,796,000 -18,000

例えば、所得金額が250万円の場合は1年あたり4,000円、500万円の場合は1年あたり8,000円の減税となります。

更に住民税で最大28,000円の保険料控除があります。具体的には下表のとおりです。

年間払込保険料額 控除される金額
12,000円以下 払込保険料全額
12,000円超32,000円以下 (払込保険料×1/2)+6,000円
32,000円超56,000円以下 (払込保険料×1/4+14,000円)+14,000円
56,000円超 一律28,000円

住民税額は基本的には所得の10%に均等割・調整控除を加減算して決まりますが、自治体によって異なる場合があります。

しかし、所得500万円の場合で年8万円以上の養老保険の支払いがあると、所得税・住民税の合計で年間1万円強の減税が受けられます。

毎月拠出する掛金が大きければ大きい程、収入(所得)が高ければ高いほど節税効果は増幅します。 以下の表は、住民税は10%とした場合の概算額です。

課税される所得金額 所得税減税額 住民税減税額 合計
1,950,000 -2,000 -2,800 -4,800
2,500,000 -4,000 -2,800 -6,800
5,000,000 -8,000 -2,800 -10,800
8,000,000 -9,200 -2,800 -12,000
13,000,000 -13,200 -2,800 -16,000
30,000,000 -16,000 -2,800 -18,800
45,000,000 -18,000 -2,800 -20,800

例えば、課税所得250万円の場合、税率は所得税(10%)と住民税(10%)を合わせて税率は合計で約20%です。年8万円以上の保険料を支払うと、節税額は1年で6,800円、30年で204,000円になります。

課税所得500万円の場合、税率は所得税(20%)と住民税(10%)を合わせて税率は合計で約30%です。年8万円以上の保険料で、節税額は1年で10,800円、30年で約324,000円になります。中古車一台分になります。

課税される所得金額 1年 5年 10年 20年 30年
1,950,000 -4,800 -24,000 -48,000 -96,000 -144,000
2,500,000 -6,800 -34,000 -68,000 -136,000 -204,000
5,000,000 -10,800 -54,000 -108,000 -216,000 -324,000
8,000,000 -12,000 -60,000 -120,000 -240,000 -360,000
13,000,000 -16,000 -80,000 -160,000 -320,000 -480,000
30,000,000 -18,800 -94,000 -188,000 -376,000 -564,000
45,000,000 -20,800 -104,000 -208,000 -416,000 -624,000

所得控除の枠が残っている場合は、養老保険を節税に活用することも可能です。もちろん税制変更リスクはあります。

しかし、政府の財政赤字が拡大しており、少子高齢化によって国民に自助を促したいことや、外資系保険会社に不利益が及ぶ税制改正はハードルが高いことから、税制の改悪リスクは小さいと考えます。

ただし、契約の当初は減税が適用されていても、その後に住宅ローンを組んだり扶養家族が増えたりして、結果的に保険料控除で減らせる所得がなくなるというケースも有ります。

よくあるパターンは、独身の時に養老保険や年金保険・終身生命保険を契約して減税できていたものの、その後に結婚して子供ができて住宅ローンを組んだら、生命保険料控除で控除する所得がなくなったというケースです。

指定代理請求制度もあり

新しい家で遊ぶ家族

保険金受取人(親などの契約者)が保険金を請求できない「かんぽ生命が定める所定の事情」がある場合、親などに代わって、あらかじめ指定した代理人(指定代理請求人)が保険金を請求できる制度があります。

指定代理請求制度という名前です。例えば以下のような場合に、代理人が請求して保険金を受け取ることができます。

  • 事故や病気で、こん睡状態にあり、保険金の請求を行うことが難しい時
  • がんなどの病名の告知を医師から受けておらず、家族のみが知っている時

指定代理請求人の範囲は以下のとおりです。

  • 契約者の戸籍上の配偶者
  • 契約者の直系血族(例えば、祖父母、父母、子、孫)
  • 契約者の兄弟姉妹
  • 契約者と同居、または生計を一にしている契約者の3親等内の親族(例えば、配偶者の父母、おじ、おば、おい、めい)

養老保険のデメリット

信用リスク

養老保険は貯蓄性の保険であり、保険会社の信用リスクがあります。支払った保険料をかんぽ生命が責任準備金として積み立てて運用しています。

かんぽ生命が破綻した場合には、この責任準備金が削減されるので、将来戻ってくるはずのお金が大きく減少します。

養老保険に加入した場合、恩恵を受けるのは主に10~20年後です。遠い未来に保険会社が破綻しないかを予測することは難しい側面があります。

世界最大の保険会社であるAIGでさえも数年前に破綻の土俵際となりました。

かんぽ生命は相対的にリスク資産が僅少であり、ソルベンシーマージン比率もかなり高く、破綻リスクは低いですけれども、ゼロではありません。

生命保険契約者保護制度がありますが、契約したかんぽ生命が破綻した場合、補償されるのは破綻時点でかんぽ生命に積み立てられている責任準備金の90%迄であり、本来もらえるはずだった金額の90%ではありません。

また、破綻時は、契約条件の算定基礎となる基礎率(予定利率、予定死亡率、予定事業費率等)が見直され、契約者が不利になることもあります。

つまり、保険会社の破綻時は条件が悪くなる可能性が極めて高いです。かんぽ生命の養老保険を契約すると、10~30年間かんぽ生命が破綻した場合に不利益を被るリスクが伴います。

中途解約リスク

養老保険は中途解約時は「解約控除」というペナルティが設けられているため、返戻金は満期を迎えた時の保険金よりも減ってしまいます。

養老保険を契約した人がすぐに解約してしまうと、かんぽ保険会社が損をしてしまうので、それを防ぐ為に解約控除が設けられています。

かんぽ生命の養老保険は、契約の途中で中途解約した時は元本割れするケースがほとんどです。他社の養老保険も同様です。

養老保険の契約時には、たとえトラブルや事情の変化による収入の減少などがあっても、絶対に中途解約しないで済むような、余裕を持った保険料のプランにしましょう。

積み立てているお金がどうしても必要になった場合は解約せざるを得ませんが、収入が減少して保険料の支払いが厳しくなって解約を検討している場合は、保険料の払込を止める「払済み」という手続きも検討しえます。

払済みは、以後の保険料の支払いがなくなり、解約時点で積み立てられている資金を元にして保険契約が続き、死亡保険金や満期保険金がもらえる制度です。

金利変動リスク

養老保険は、司法試験並みの難易度と言われている試験を突破した数理の専門家「アクチュアリー」が数理計算して、予定危険率・予定利率・予定事業費率を設定し、それらに基づいて商品設計されています。

予定利率は低ければ低いほど保険料は上がります。 現在は空前の低金利で予定利率が低いため、貯蓄性がある保険は不利です。

養老保険は、契約時の予定利率で契約の全期間の保険料が決まります。形式的に元本割れしなくても、将来的に金利が上昇した場合、実質的に損という状況に陥るリスクが有ります。

定期預金や社債をロールオーバーしたり、個人向け国債(変動10年)の方が結果的にお得になったというケースです。

かんぽ生命の信頼性

養老保険には信用リスクがあることから、かんぽ生命の信頼性が重要です。

逓信省によって大正5年に創業された「簡易生命保険事業」及び大正15年に創業された「郵便年金事業」が、郵政省、郵政事業庁、日本郵政公社に引き継がれ、平成19年10月の郵政民営化に伴い、かんぽ生命がこれらを引き継ぎました。

2015年3月期のかんぽ生命単体の保有契約数は3348万件、総資産84兆9119億円、基礎利益5154億円、実質純資産額11兆5122億円、エンベディット・バリュー3兆5013億円です。

第一生命、日本生命を上回り、2015年3月期の保険料収入は日本一となっています。

  • かんぽ生命:5兆9567億円
  • 第一生命:5兆4327億円
  • 日本生命:5兆3371億円
  • 明治安田生命:3兆4084億円
  • 住友生命:2兆5971億円
  • T&D HD:1兆9580億円
  • ソニー生命:9140億円
  • 富国生命:7964億円

日本生命が三井生命を買収したため、買収後は合計で5兆8822億円となり、再び保険料収入は第一生命を上回りかんぽ生命に肉薄します。

ソルベンシーマージン比率は1641.4%となっており、日本生命の930.8%、第一生命の913.2%、明治安田生命の1041.0%、アフラックの898.0%、富国生命の1,169.3%よりも高い水準となっています。

財務健全性は随一となっており、民間会社ではありますが、暗黙の政府保証のニュアンスがあり、安心感があることから契約数は多い状況です。

保険会社は契約者から預かった保険料を適切に資産運用することが極めて重要です。

1990年代後半には高い予定利率に苦しんで、一か八かの逆転を狙い危険な資産運用にのめり込んで傷口を広げて破産した生命保険会社が続出していました。

かんぽ生命は、経営の健全性を維持しつつ、顧客にお約束した保険金等の支払を確実に実行するため、 資産と負債のマッチングを基本とした資産運用を実施しています。

平成27年3月末の資産構成は、国債を中心とした有価証券が66.2兆円、貸付金が9.9兆円等であり、 総資産残高は84.9兆円です。

資産の構成割合は以下のとおりです。

資産クラス 資産配分
現預金・コールローン 3.1%
国債 56.6%
地方債 11.3%
社債 7.8%
外国証券等 2.3%
金銭の信託 1.7%
貸付金 11.8%
その他 5.4%

かんぽ生命の主力の保険は、養老保険の他は学資保険などです。学資保険については以下で徹底解説しています。

子供を見守る夫婦
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かんぽ生命、親会社の日本郵政は2015年11月に新規上場します。IPOについては以下にまとめています。

かんぽ生命保険
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かんぽの宿青梅のベッドルーム
日本郵政(6178)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は10月8日(木)~10月23日(金)です。上場日は11月4...

まとめ

かんぽ生命の養老保険は、新フリープラン(短期払込型)の場合は、104%近い返戻率(戻り率)となり、実質利回りは年0.35%~0.4%程度になります。

低利回りですけれども、一応は貯蓄に資する保険です。高金利の定期預金や個人向け国債と比較すると特段の魅力はありませんが、生命保険料控除が適用されて減税できるのが大きなメリットです。

生命保険料控除の枠が残っている場合は減税できる点は美味しいですけれども、そうでない場合は、信用リスク・中途解約リスク・金利上昇リスクを考慮すると妙味がありません。

かんぽ生命の養老保険と他社の養老保険を比較してみます。モデルケースとして、男性30歳・20年のプランの場合の戻り率です。

インターネットで試算できたソニー生命、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命(長い!)とかんぽ生命の比較は以下のとおりです。

会社名 戻り率 配当
かんぽ生命 100.6%
ソニー生命 104.3% 無配当
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 96.7%
98.5% 無配当

ソニー生命は無配当、かんぽ生命は配当ありという違いはありますが、ソニー生命の方が高利回りとなっています。

しかし、養老保険などの貯蓄性がある保険においては、保険会社の信用リスクがあるので、戻り率だけではなく、保険会社の信頼性も重要です。

破綻するリスクは極めて小さいと考えられて安心できる保険会社を選ぶことも大事です。

したがって、かんぽ生命なら安心できると判断できる場合は、戻り率が低くてもかんぽ生命を選ぶという選択肢はあります。

かんぽ生命は良く言えば慎重、悪く言えば鈍重ですので、あまり無茶なM&Aやリスクテイクを図り、大コケして逆噴射するリスクは小さいと考えられます。もちろん上場後、イケイケGO!GO!に路線転換した場合はこの限りではありません。

かんぽ生命の養老保険に関する相談・手続きは、最寄りの郵便局または、かんぽコールセンターで可能です。

コールセンターは、フリーダイヤル(0120-552-950)であり、受付時間は平日:9:00~21:00、土日休日(1月1日~3日を除く):9:00~17:00です。

複数の養老保険を比較検討したい場合は比較サイトが便利です。最大手の価格.comは家電だけではなく、「価格.com 保険」のサービスを展開しています。利用は無料です。

 

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価格.com保険と提携する保険相談窓口で、養老保険選びの相談を行うことも可能です。料金は何度でも無料であり、強引な勧誘や特定の商品を薦めることは一切ありません。

どの養老保険を契約するかでお得度は変わってくるので、こうしたサービスを利用して専門家と相談すると多様な養老保険を比較検討できます。

価格.com 保険の無料保険相談

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Comment

  1. やまさん より:

    生命保険料控除で住民税控除額は-5600円になってますけど-2800円ではないのですか?

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