The Goal

某機関投資家で働く会社員のブログです。経済、資産運用、IPO、株主優待、保険、クレジットカードなどについて発信

黒田日銀の異次元緩和2(バズーカ2)の表と裏

更新日: マーケット・経済の分析

夜の光

日銀が「バズーカ2」とも形容されている追加緩和しましたね。マネタリーベースの拡大ペースを10~20兆円増加、長期国債の買い入れを30兆円増加、買い入れ平均残存期間を7~10年程度に延長、ETF・J-REITの買い入れペースは3倍増となりました。

黒田日銀の異次元緩和には2つの側面があります。それを理解しておくのは、我々一般人の資産運用にとっても重要です。


円の安全資産が実質的に目減り

世の中の事象にはきれいな二元論で分けられないものも数多くあります。表の側面があれば、裏の側面があります。最近話題になったドラマで形容すると、夜顔があれば昼顔もあります。

異次元緩和の表の側面は「デフレ脱却」、「インフレ率2%」です。インフレ率が2%にならない限りは大規模な国債購入を正当化できます。資産価格の上昇・円安に結びつく政策は経済活性化効果があります。

裏の側面としては、財政ファイナンスないしマネタイゼーションの要素があるのは否定できません。日本国政府の増加する借金を上回る国債を日銀が買い入れており、日銀は保有国債を長期化しており、それに伴って、財務省は発行する国債を長期化することを検討しています。

金利は低位安定して、「金利<インフレ率」の状態を保っています。円金利資産保有者の立場からは、苦悶の状況です。

短期金融市場は盛大に潰されてマイナス金利も発生していますが、同じような状況がもう少し長期の年限の国債市場に発生する可能性が出てくるでしょう。

円資産の価値は低下して、政府の借金の実質価値も低下しています。円の安全資産ではインフレと増税に勝てませんので、円資産が実質的にどんどん目減りしています。

国家運営の観点からは、増税や歳出削減は民主主義国家では難易度が高いので、金融抑圧の状況を作り出し、長い年月をかけてゆっくりと債務安定化を図るのはよくわかります。

多数の国民にわかりにくい形で政策を講じるのが政府の立場では重要な場合があります。

ユーロ圏ですと、銀行への公的資金の投入には大反発がありますが、「LTRO」「OMT」発動という形にすると、それ程には反発がありません。同じ金融機関の支援でも、手段によって有権者の反応は違ってきます。

わが国の債務安定化においても同じでしょう。増税&歳出削減よりも、金利<インフレ率の方が有権者受けは圧倒的に良好です。

変化に対応する者が生き残る。

こうした情勢ではリスクを取った運用をしていく必要があります。個人向け国債や定期預金に安住していると、富を国に吸い取られるのと実質的には同義です。「スローモーションのデフォルト」です。

「バーナンキ・プット」という言葉があります。株式市場が下落すればバーナンキ前FRB議長が金融緩和を発動して株価を支える状況が、保有株式の損失を限定するプット・オプションと似ているという意味です。

今回の異次元緩和2(バズーカ2)は、「黒田・プット」のような破壊力を見せました。「国策に売りなし」という言葉が思い浮かびました。

今後、もし株安・円高が進むことがあれば、バズーガ3の発動も期待できるでしょう。FRBがQE、QE2、QE3と進撃したように。

インフレ率が2%を超えてテーパリングが意識されるようになるか、世論がインフレ反対・金融緩和反対の方向に進まない限りは、大局的には株価上昇が続くと思います。2015年半ばまでは株式ホールドの方針です。

10.17の買い増しとその後の大きな株価上昇によって、私のポートフォリオのリスク資産は、ほぼリスク許容度の上限に達しました。今からの追撃買いは100~200万程度の範囲に留める予定で、今あるポジションをどこまで引っ張るのかの判断に注力します。

早売りせずにできる限りホールドしようと思います。金曜は不動産、金融、円安恩恵銘柄、その他金融が高騰した一方で、反応が鈍い銘柄も多数ありましたが、じわじわと底堅い動きにしばらくはなる気がします。

もちろん国内情勢のみならず、世界経済の動向にも注意ですね。米国でインフレ率が上がり始めて利上げが進み、米国債のイールドカーブが逆イールドになったり、あるいは何らかのショックが発生する場合はリスク資産の縮小を検討しえます。

まだその状況は当面先でしょう。しばらくはゴルディロックスの状況が続くと思います。

Adsense

Adsense

  • follow us in feedly

-マーケット・経済の分析

Copyright© The Goal , 2017 All Rights Reserved.